リオ五輪柔道代表の選考理由 実績重視で「金4〜6個」が取れる陣容

平野貴也

山下強化委員長「14階級でメダルを」

リオ五輪の代表内定選手を発表する全日本柔道連盟の山下泰裕強化委員長ら(写真中央) 【平野貴也】

 お家芸復活に挑む、柔道の日本代表選手12名が決まった。全日本柔道連盟は3日、リオデジャネイロ五輪の日本代表選手最終選考会となった平成28年全日本選抜柔道体重別選手権大会の閉幕後に福岡市内で記者会見を行い、男女の最重量を除く12階級の代表内定選手を発表した。

 女子57キロ級で2連覇を目指すロンドン五輪・金メダリストの松本薫(ベネシード)や、男子66キロ級で同銅メダリストの海老沼匡(パーク24)らが選出された。女子78キロ超級は、無差別級で行われる4月17日の皇后杯全日本女子柔道選手権、男子100キロ超級は同29日の全日本選手権を最終選考会としているため、それぞれ両大会終了後に発表される。

 会見に出席した山下泰裕強化委員長は「強化委員長としては男女合わせて4個、できれば6個の金メダルを取りたい。(最終選考会の)今大会ではふがいない試合もあったが、選手が持っている力を存分に出して、十分な準備をすれば不可能ではないと思っている。圧倒的な強さはないが、どの階級でも金メダルが狙える。男女14階級(すべて)でメダルを取りたいというのが、個人的な希望、目標」と出そろった陣容にかける期待を明かした。

前評判通りに落ち着いた選手選考

 しかし、最終選考会は、男女とも第1シードの選手が次々に破れる波乱となった。全14階級の代表選手のうち、第1シードの優勝者は5人。準優勝が2人。全体の半数が決勝まで進めずに敗れた。それでも、昨年11月の講道館杯、グランドスラム東京大会や冬季欧州遠征などの実績や、ここ1〜2年の成績による国内ポイントシステムが重視され、選手選考自体は前評判通りに落ち着いた。

 会見では、緊張感が高まっていく選考レースをトップ戦線で走り続けた選手が高く評価されたことが明らかになった。男子では、ともに最終選考会の準決勝で敗れた海老沼、男子60キロ級の高藤直寿(パーク24)が選出。男子60キロ級では最有力候補の高藤が準決勝で敗れ、優勝した志々目徹(了徳寺学園職)も候補に名乗りを挙げる形になったが、男子代表の井上康生監督は「代表選考の指標としている国内ポイントでこの1年間を見た上では高藤選手が上。2年間では若干、志々目選手が上。ただ、海外における勝率は高藤が圧倒的。2年間の国際大会の戦歴8戦6勝に対して、志々目選手は8戦2勝と大きな差があった。いかに世界、五輪で勝つ選手を選考するかという基準で高藤選手を選んだ」と総合的な実績を重んじたことを明かした。

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著者プロフィール

1979年生まれ。東京都出身。専修大学卒業後、スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集記者を経て2008年からフリーライターとなる。主に育成年代のサッカーを取材。2009年からJリーグの大宮アルディージャでオフィシャルライターを務めている。

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