レアルとアトレティコにも補強禁止処分
バルサの教訓、FIFA制裁の影響は?

バルサに続き、レアルとアトレティコも……

18歳未満の選手の国際移籍を制限する規則への違反があったとして、FIFAから1年間の補強禁止処分を下されたレアル・マドリー。違反対象にはジダンの息子も含まれているとされる
18歳未満の選手の国際移籍を制限する規則への違反があったとして、FIFAから1年間の補強禁止処分を下されたレアル・マドリー。違反対象にはジダンの息子も含まれているとされる【Getty Images】

 FIFA(国際サッカー連盟)が1月14日、レアル・マドリーとアトレティコ・マドリーに対し、18歳未満の選手の国際移籍を制限する規則(移籍条項第19条)への違反を犯したとして1年間の補強禁止処分を下した。


 さらにアトレティコは90万スイスフラン(約1億500万円)、レアル・マドリーは36万スイスフラン(約4200万円)の罰金を課された上、90日以内に状況の正常化、つまり違反の対象とみなされた選手の処遇を解決することが義務づけられた。


 なお両クラブが選手の新規登録を禁じられたのは、2016年夏と17年1月の2期間。補強禁止の対象となるのは全カテゴリーの男子サッカーチームで、女子チームとバスケットボールなどの他競技チームには及ばない。


 今回、FIFAが指摘した違反の内容は以下の3点となる。


(1)スペインサッカー連盟(RFEF)を通してしかるべき登録をしないまま、選手を試合に出場させた。

(2)スペインで初めて選手登録をする際、もしくは他国からの国際移籍において、規約に定められた条件を満たしていない選手をチームに登録した。

(3)RFEFへの報告なしに、FIFAがスクールとみなしているカンテラ(下部組織)のチームで選手をプレーさせた。


 FIFAによれば、アトレティコは07〜14年、レアル・マドリーは05〜14年の間に、18歳未満の選手の国際移籍に関して、上記の規約違反を複数犯してきたという。具体的には、アトレティコは183人が調査の対象となり、うち規約違反は54人。レアル・マドリーは調査対象が39人、うち8人が規則違反とみなされている。

レアルはFIFA側に重大な誤認があると主張

 これらの通告を受けたレアル・マドリーは、同日にゼネラルディレクターのホセ・アンヘル・サンチェスと法務部ディレクターのハビエル・ロペス・ファレが会見を開き、クラブは一切の規律違反を犯しておらず、FIFA側に重大な誤認があると主張。その根拠として、サンチェスは違反対象の8選手に含まれているジネディーヌ・ジダンの息子2人、そして09〜11年までトップチームでプレーしたエセキエル・ガライの弟ベンハミンを例に挙げている。


 言うまでもなく、ジダンは01〜06年までレアル・マドリーの選手として活躍し、09年以降はクラブのフロントやアシスタントコーチ、Bチーム監督などを歴任した末、現在はトップチームの監督を務めている人物である。その子供たちは父親の仕事の都合でマドリーに移住してきたわけだから、FIFAの規約第19条に定められた例外の1つに該当するはずである。


 18歳未満の選手の国際移籍が認められる3つの例外とは以下の通り。


(1)移籍先のクラブが所在する土地に家族とともに移住した場合。ただし、子供の移籍を目的とした移住は認められない。

(2)欧州連合(EU)加盟国間、または欧州経済領域(EEA)内に限り、16歳以上18未満の移籍が認められる。

(3)移籍先のクラブが母国の隣国にあり、選手の自宅とクラブの所在地を隔てる距離が100キロ以内、かつ両者がいずれも2カ国を隔てる国境から50キロ以内にあること。この場合、両国のサッカー協会の同意、そして選手が自宅からクラブへ通うことが必須条件。


 ジダンの息子2人(4人兄弟のうちの誰なのかは明かされていない)が該当するのは上記の例外(1)だ。兄ガライがラシン・サンタンデールへ移籍した05年に一緒にスペインに移住してきたベンハミンにも同じことが言える。プライバシーの保護を理由に名前が伏せられた他の5選手についても、サンチェスは「ジダンの息子たちと全く同じで違反はない」と明言している。

工藤拓
工藤拓

東京生まれの神奈川育ち。桐光学園高‐早稲田大学文学部卒。幼稚園のクラブでボールを蹴りはじめ、大学時代よりフットボールライターを志す。2006年よりバルセロナ在住。現在はサッカーを中心に欧州のスポーツ取材に奔走しつつ、執筆、翻訳活動を続けている。生涯現役を目標にプレーも継続。自身が立ち上げたバルセロナのフットサルチームは活動10周年を迎えた。

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