リオ五輪最終予選に臨む23名を一挙紹介 遠く中東の地で戦う“若きサムライたち”

川端暁彦

ミッドフィールダー8名

遠藤航(中央)は球際でタフに戦い、強気のパスを供給する攻守の要 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

3 遠藤航(浦和レッズ)
「攻守の要であるキャプテン」


球際でタフに戦って、強気のパスを供給する攻守の要であり、「人間的に安定している」(手倉森監督)点も強みのキャプテン。ボランチ起用が基本線だが、直前合宿ではセンターバックでも試されている。A代表にもすっかり定着しているリオ五輪世代の看板選手だが、南戸塚中学校(神奈川県横浜市)時代までは県レベルでも無名だった。

7 原川力(川崎フロンターレ)
「中盤で巧みにボールを操るMF」


中盤で巧みにボールを操ってゲームをコントロールするタイプのMF。指揮官はボール支配率を高めたい展開になると、原川をピッチに送り出す。山口県山口市の出身で、高校入学と同時に親元を離れて京都の下部組織へ。トップ昇格後も活躍を見せてきたが、新シーズンからJ1の川崎へと籍を移すこととなっている。独特の語り口も魅力。

8 大島僚太(川崎フロンターレ)
「生粋のテクニシャンのボランチ」


静岡県静岡市出身で、中学高校時代を技術指導の伝統を持つ静岡学園で過ごした生粋のテクニシャン。「独特のモノがある」と手倉森監督もボランチの主軸として期待する。半面、寡黙で引っ込み思案な性格を心配されもしていた。課題だった守備面も川崎で実戦を重ねる中で改善されており、アジアの舞台でその成長が問われる。

10 中島翔哉(FC東京)
「“10番”を預かるドリブラー」


エースを意味する「10番」を預かるドリブラー。東京都八王子市出身で、小学校4年生からプロ2年目まで東京Vの一貫指導で育った。最大の特長はスピード十分のドリブル突破と意欲的シュート。14年途中から移籍したFC東京では出番に恵まれていないが、この代表では最多得点を記録しており、指揮官の信頼は微塵も揺らがなかった。

14 豊川雄太(ファジアーノ岡山)
「ムードメーカーにもなれる快足アタッカー」


最後に大逆転でメンバー入りを果たした快足アタッカー。手倉森監督は抜てきの理由を「スペースに走り込む力のある選手が欲しかった」と説明する。173センチと身長はないが、ヘディングも強い。熊本県熊本市出身で、火の国らしい熱いハートの持ち主。常に前向きな姿勢でムードメーカーにもなれる点も、長丁場の戦いでは貴重な存在となりそうだ。

18 南野拓実(ザルツブルク/オーストリア)
「ドリブルからの決定力の高さを持つ欧州組」


中学時代からC大阪の下部組織で育ち、高校生でデビュー。トップ下、サイド、FWとこなし、ドリブルからの決定力の高さを持つ。14年ワールドカップにおいて、前々監督のザッケローニ氏が「最後まで選ぶか迷った」ほどのタレント。15年からオーストリアの強豪ザルツブルクへ移籍し、欧州進出を果たした。大阪府泉佐野市出身。

19 井手口陽介(ガンバ大阪)
「巧妙なパスセンス、当たりの強さが光るボランチ」


G大阪ユース出身者らしい巧妙なパスセンスに加えて、当たりにも強さを見せるボランチ。昨季のG大阪ではリーグ戦で8試合の出場にとどまったが、先輩の宇佐美貴史や遠藤保仁からも能力の高さを一目置かれている。ヤンチャな性格でも知られていたが、この代表では戦術的タスクをこなした上で個性を見せて信頼を勝ち取った。福岡県福岡市出身。

21 矢島慎也(ファジアーノ岡山)
「指揮官の信頼が厚い、気が利くMF」


気が利く選手とはまさに彼のことだろう。「幅が広い」(手倉森監督)選手として指揮官の信頼も厚く、中島とともに一貫してこの代表に招集されてきた。2列目の全ポジションに加えてボランチもこなし、パスに絡んで点も取る。浦和では出番に恵まれなかったが、昨季は期限付き移籍した岡山で主軸の1人として活躍。大きな自信をつかむシーズンとなった。

フォワード4名

FWの軸として期待がかかる鈴木武蔵(中央奥) 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

9 鈴木武蔵(アルビレックス新潟)
「抜群のスピードを持つFWの軸」


ジャマイカ人の父と日本人の母を持ち、群馬県太田市で育ったストライカー。185センチの長身ながら抜群のスピードで裏へと飛び出す力を持ち、この代表ではFWの軸として起用されてきた。昨季は負傷に苦しんだものの、シーズン終盤に復活して本大会に間に合った。五輪最終予選では改善に取り組んできた課題のヘディングでの得点も欲しい。

11 久保裕也(BSCヤングボーイズ/スイス)
「世代を代表するストライカー」


高校時代から京都のトップチームでプレーし、世代を代表するストライカーと見なされてきた。U−20W杯の出場権を惜しくも逃した12年のAFC・U−19選手権でも主軸FWを務めている。13年からスイスの強豪ヤングボーイズに移籍して3年目。下がった位置で使われるなどプレーの幅を広げている。山口県山口市の出身で、原川とは同じ中学校に通っていた仲。

16 浅野拓磨(サンフレッチェ広島)
「広島の優勝に貢献した生粋の点取り屋」


自慢の快足と磨き抜いた決定力で昨季の広島の優勝に大きく貢献した生粋の点取り屋。手倉森監督は広島と同じスーパーサブとしての起用を示唆しており、切り札的存在と言える。昨夏にはA代表にも選ばれるなど、ハリルホジッチ監督の期待値も高い。三重県三重郡菰野町出身で、四日市中央工高の2年次には高校選手権得点王にもなった。

20 オナイウ阿道(ジェフユナイテッド千葉)
「“エアマスター”の称号を持つセンターFW」


正智深谷高時代には“エアマスター”の称号を持っていたセンターFW。ヘディング勝負が求められる状況や相手を背負うプレーを得意とする唯一のFWとして期待される。昨季の千葉ではリーグ戦33試合に出場したが、ほとんどが途中出場だったために違和感はないはず。埼玉県児玉郡神川町出身。父はナイジェリア人で、母が日本人。

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著者プロフィール

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。フリーライターとして取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。創刊後は同紙の記者、編集者として活動し、2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月からフリーランスとしての活動を再開。古巣の『エル・ゴラッソ』をはじめ、『スポーツナビ』『サッカーキング』『フットボリスタ』『サッカークリニック』『GOAL』など各種媒体にライターとして寄稿するほか、フリーの編集者としての活動も行っている。近著に『2050年W杯 日本代表優勝プラン』(ソル・メディア)がある

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