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箱根完全Vをもたらしたサイクルの確立
青山学院大OBが語る強さの秘密
連覇を飾った青山学院大。1区から1度も首位を譲らず、圧倒的な強さを見せた
連覇を飾った青山学院大。1区から1度も首位を譲らず、圧倒的な強さを見せた【写真:アフロスポーツ】

 第92回東京箱根間往復大学駅伝競走(以下、箱根駅伝)の復路が3日、箱根・芦ノ湖から東京・大手町の読売新聞社前までの5区間109.6キロで行われ、青山学院大が10時間53分25秒で2年連続の総合優勝を果たした。1区から1度も首位を譲らず完全優勝したのは、1977年53回大会の日本体育大以来、39年ぶりとなる。2位は東洋大で11時間00分36秒、3位は駒澤大で11時間4分00秒だった。


 前日の往路を制した青山学院大は、復路も快調に飛ばした。山下りの6区を1年生の小野田勇次が区間記録タイの好タイムで駆け下りると、7区の小椋裕介、8区の下田裕太が連続区間賞。往路で得た東洋大との3分4秒差をみるみる広げ、最後まで危なげないレース運び。最後は4年生の渡邉利典が喜びのゴールテープを切った。


 連覇を果たした青山学院大の圧倒的な強さはどこから来るのか。同大学のOBである大谷遼太郎(トヨタ紡織)と、昨年の初優勝に大きく貢献した高橋宗司氏に今大会を総括してもらいつつ、その秘密を聞いた。

大谷遼太郎(青山学院大OB)

強いチームの条件として大谷は4年生の出来を重要視した
強いチームの条件として大谷は4年生の出来を重要視した【スポーツナビ】

「4年生が走ってなんぼ」


 今回の箱根駅伝は青山学院大、東洋大、駒澤大の3強が飛び抜けて強かった印象です。青山学院大は1区に久保田和真を置いて流れをつかみました。それに対して、東洋大は服部弾馬を3区に置いて、そこで追いつけなかった。1区で遅れた駒澤大もですが、後手後手になっていたと思います。全日本大学駅伝で青山学院大が後手に回って勝てなかったように、今回は最初から青山学院大を乗らせてしまったのが東洋大や駒澤大の敗因だと思います。


 この3チームに加えて早稲田大と東海大が上位5校に来ました。たぶん暑かったのもありますけど、環境が悪ければ悪いほど地力の差は明確になります。逆に涼しかったりすると、みんなが良いタイムで走れて、差が広がらなかったと思うんですけど、こういう悪条件でも上位に来る大学というのは本当に真の強さがある証拠です。逆に予選会では走れても本戦で走れないというのは、まだ真の強さがない。そういう意味で強いチームと弱いチームの差を感じました。


 では、強いチームとそうじゃないチームの差は何なのか。原(晋)監督がよく言っていたのは「学生スポーツは4年生がチームの主役だ」ということです。いくら下の学年に良い選手がいても、4年生が走ってなんぼなんです。僕らの代が優勝できなかったのは、僕らにカリスマ性と実力が足りなかったから。でも、前回と今回は4年生を筆頭にみんなが努力を重ねた結果です。箱根駅伝って1キロ3分でいいんです。そういう地道なことをやっていけば、箱根駅伝ではシードが取れるんです。僕らはそれをやっていたし、青山学院大がシード権を取ってからは、チーム力が上がっていき、スカウティングもうまくいっていた。そうした土壌ができたときに良い選手が入ってきて、その選手たちが伸び伸びと練習できる環境があったわけです。今回の順位を見ると、4年生のまとまりが足りなかったチームが順位を落としている印象です。


 あと今大会を見ていて思ったのは、もう駅伝ではなく各選手のロードレースの大会になっていたように感じました。久保田や一色恭志、服部勇馬らトップランナーと他の選手の差が開きすぎている。そうしたトップ選手とどうやって勝負するかというと、それはチーム力だと思います。東京国際大や中央学院大、帝京大や日体大はそれで頑張っている。逆に個の力はあるけど、チームとして機能していなかったのが明治大でした。


 今後も3強を筆頭に強いチームはずっと強いと思います。良い選手も入ってくるし、監督もしっかりしている。早稲田大の相楽豊監督や東海大の両角速監督は、大学ではまだ監督になって日が浅いんですけど、チームとしての地力も付いてきたのでこれから面白くなるかなと思います。順天堂大や山梨学院大なんかも監督は代わらないですし、シード権は争いはしっかりやってくるでしょう。東京国際大も上がってくると思います。3強に話を戻すと、青山学院大は原監督が選手として箱根駅伝を経験してないぶん、新しい風を吹かせた。東洋大の酒井俊幸監督は指導力が本当にあって丁寧です。駒澤大の大八木弘明監督は箱根駅伝の伝統を守っているような監督なので、3強が今後どうなっていくのか楽しみです。

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