豊マジック炸裂、モーリスは世界の主役へ 奥野庸介の香港国際レース回顧

JRA-VAN

香港スプリント 成長一途ペニアフォビア

地元ペニアフォビアが香港スプリントを勝利 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 騎手の気迫が乗り移ったかのような迫真の逃げ切り勝ち。

 地元のストラスモアが当日朝に出走を取り消して13頭で争われた香港スプリントは、逃げ馬には不利な大外枠から素早く出たペニアフォビア(J.モレイラ騎手、単勝4.4倍・2番人気)があっという間に内ラチ沿いに先頭を奪って後続の追撃を完封。昨年2着の雪辱を果たした。前哨戦の優勝で1番人気に推されたゴールドファンは、直線入り口で5番手から目立った脚勢で追い上げるも勝ち馬に半馬身差の2着。3着に前哨戦で3着だったノットリスニントゥミー。トライアルの1、2着馬が、着順が入れ替わっての決着になった。

日本のスプリント女王ストレイトガールは外を回らされる不利が痛かった 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 日本から参戦したミッキーアイル(浜中俊騎手、単勝29倍・7番人気)は、好スタートから先頭を伺うもペニアフォビアに前を横切られて2番手を追走。直線入り口まで食い下がったものの、残り400mで脚勢が鈍り、7着で入線。ここが引退レースとなったストレイトガール(戸崎圭太騎手、単勝12倍・4番人気)はスタートで行き脚つかず、外を回る不利もあって9着に終わった。Z.パートン騎手と初コンビを組んだサクラゴスペル(単勝60倍・10番人気)は終始後方まま不完全燃焼の12着。

 国際G1で初優勝を飾ったペニアフォビアは通算23戦10勝。今年1月のセンテナリースプリントC(シャティン、芝1000m・直線)に優勝し、ドバイに遠征した3月のG1アルクォーツスプリント(メイダン、芝1000m・直線)はソールパワー(香港スプリント11着)の2着していた。今シーズンの2戦はプレミアボウルがエイブルフレンドの3着、ジョッキークラブスプリントがゴールドファンの2着とレースを使われる毎に調子をあげ、この勝利によって香港短距離界のトップに躍り出た。国際舞台でも通用するスプリンターに成長したようだ。

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