豊マジック炸裂、モーリスは世界の主役へ 奥野庸介の香港国際レース回顧

JRA-VAN

香港マイル モーリスが世界のマイル戦線主役へ

大仕事をやってのけたモーリス、一気に世界マイル戦線の主役に浮上した 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 馬群のど真ん中で前に壁をつくって折り合いをつけたモーリス(R.ムーア騎手、単勝4.1倍・2番人気)が、残り150m地点から馬場の中央を通ってスパート。外から馬体を併せる宿敵エイブルフレンド(J.モレイラ騎手、単勝1.8倍・1番人気)を突き放して先頭でゴールイン。世界初挑戦で大仕事をやってのけた。

 3/4馬身差の2着に直線で馬群の間を抜けた地元のジャイアントトレジャー(C.スミヨン騎手、単勝18倍・5番人気)が大健闘。エイブルフレンドはいつも通りの後方待機策から直線に賭けたが、後続を4馬身以上突き離した昨年のような切れを欠いて3着と期待に応えることはできなかった。

上がり33秒7の脚を繰り出したダノンプラチナだったが出遅れが響き7着 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 スタートで立ち上がって後方からの競馬を余儀なくされたダノンプラチナ(蛯名正義騎手、単勝44倍・8番人気)は、上がり3ハロンに33秒7(推定)の末脚を繰り出したが、勝ち馬から2馬身3/4差の7着。大外枠からの発走ながら、ダノンプラチナの前でレースを進めたフィエロ(M.デムーロ騎手、単勝41倍・7番人気)は直線で前が塞がる不利があり、脚を余した感じの9着に終わった。

 勝ったモーリスは今年1月の1000万条件から破竹の勢いで6連勝。本格化とともに出遅れ癖も解消され、安田記念、前走のマイルCS、そして香港マイルとG1・3連勝の快挙となった。この結果を受けて英国のタイムフォーム誌は同馬のレーティングを126に上方修正。エイブルフレンド(レーティング130)、欧州のソロウ(129)、豪州のウインクス(126)と並ぶマイル戦線の主役に浮上した。

 なお、モーリスの手綱を取ったR.ムーア騎手はスタート後200m付近での不注意騎乗でエイブルフレンドらの進路を妨害したとされ、香港ジョッキークラブから実効15日間の騎乗停止処分を受けた。

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