メジャー不在も層の厚さを見せる米国 怖いのは打撃陣、余裕を持った戦いを

永塚和志

経験豊富なランドルフ監督

現役時代はヤンキースでプレー、その後もメッツ監督など豊富な経験を持つランドルフ監督がチームを率いる(写真はメッツ監督時代の06年のもの) 【Getty Images】

 チームを率いるのは元ニューヨーク・メッツ監督のウィリー・ランドルフだ。主にニューヨーク・ヤンキースの内野手として6度のオールスターに選ばれ、2度のワールドシリーズ優勝を経験しているランドルフはコーチとしてもヤンキースに11年間在籍。05年から08年にはメッツの監督を努め、06年には同軍をリーグ最高勝率に導き最優秀監督にも選ばれた手腕の持ち主だ。13年のWBCでは米国代表のサードベースコーチも担っており、国際大会での戦い方も熟知している。

 このチームで最も名のある人物はこのランドルフ監督ということになるが、マイナーリーガー中心で経験の浅いチームを彼がどのように束ねていくかも見ものだ。若いチームというのは勢いに乗った時には良いものの、流れが悪くなると自信を失ってしまいがちだ。しかし、上述のベネズエラ戦での敗戦後に「自信は失っていない。今日も我々は最後まであきらめなかったし、選手たちは試合を通して自信を持ってプレーしていた」と話したように、ランドルフ監督はモチベーターとしても優れている。

 ランドルフ監督は自身のチームの長所を「投手力を含めたディフェンス面」としている。だが日本の打者からすればそこにさほど怖さがあるようには見受けられない。飛び抜けたエースがいるわけでもなく、攻略は大いに可能だと見る。

 日本にとってむしろ怖いのは打撃力だろう。メイの足にもてあそばれ、集中力を失った場面で一発……、ということも考えられないわけではない。序盤から中盤にかけてある程度の点差をつけて、余裕を持った状況で戦いたいところだ。

 いずれにしても、メジャーリーガーがいないからといって油断できないのが、野球の母国で圧倒的な層の厚さを誇る米国という国だ。対戦する侍ジャパンとしても油断はできない。

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著者プロフィール

茨城県生まれ、北海道育ち。英字紙「ジャパンタイムズ」元記者で、プロ野球やバスケットボール等を担当。現在はフリーランスライターとして活動。日本シリーズやWBC、バスケットボール世界選手権、NFL・スーパーボウルなどの取材経験がある

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