団体対抗戦に臨むスターダムの新星2人 渡辺桃&美邑弘海 インタビュー
渡辺桃、先鋒戦は「負けるわけにはいかない!」
先鋒を務める渡辺は、まだキャリアが浅い橋本には「負けるわけにはいかない」と話す 【前島康人】
渡辺 対抗戦って理解できてなくて……。ただ、すごいバチバチしていたので、私も負けるわけにはいかないと思いました。団体と団体の争いなので、負けるわけにはいかないです。
美邑 「ウソだろ?」と思いました。本当に何かの間違いかと……。デビュー戦が終わって、その後もう1試合戦った後ぐらいに聞いたんですよね。いやいや、びっくりしました。
――本人の意思の確認がなく「試合が決まったから」と言われた感じですか?
美邑 それを知ったのは、SNS上だったんじゃないかな?
――えー! それは運営サイドに言わないといけませんね(笑) それは置いといて、対戦相手となる仙台女子の印象は?
美邑 試合自体は、セコンドとして入った里村さんとカイリさんの試合とか、十文字姉妹の試合しか見ていないので、その方たちの印象が強いですね。里村さんに関しては、オーラが違うなって。入場も試合もすごい。
渡辺 私も里村さんと十文字姉妹の印象がありますね。あとは昔のプロレスを反映している感じがします。
――昔のプロレスというと、ガイアジャパンとか全日本女子とか?
渡辺 はい。動画で見たことがあるのですが、そんな感じがしました。
――渡辺さんは先鋒が決まっています。相手は橋本千紘さん。まだデビュー間もない選手ですが?
渡辺 レスリングをやっていたんですよね? ファンの人から聞いたのは「タックルが素早くて、がたいも大きい」と。それこそSNS上では私が負けるんじゃないかと、たまに見るんですけど、最近デビューしたばかりの相手なので、キャリアでは勝っているので、負けるわけにはいかないです!
美邑「スターダムは負けていない!」
「若手のアピールが足りない」という言葉に火が付いたという美邑 【前島康人】
美邑 正直、厳しいとは思います。橋本さんだけでなく、岩田美香さんでも、カサンドラ宮城さんでも、厳しい試合になると思うんです。でも、自分的には向かっていくしかないんじゃないかなと。とにかく、引かないことですね。
――美邑さんは10月下旬の福島合同合宿にも参加しましたが、そこで団体間の違いを感じたりしましたか?
美邑 なんか、静かだなと思いました。
――静か?
美邑 練習の時とかも、黙々とこなしている感じで、スタミナ系の練習に関してはすごいなと思いました。
渡辺 私もテレビで合宿の様子を見ていて、(練習が)厳しいなと思いました。
――合宿の最後には里村さんから「若手のアピールが足りない」という言葉もあったようですが?
美邑 めっちゃ響きました。里村さんの言葉もそうですし、麻優さん、カイリさんから、言葉を頂いて、そこで火がつきました。
――具体的にどんなことを言われたのですか?
美邑 私が「気持ちで負けました」みたいなことを言ったのに対して、「ふざけんなよ!」と言われまして……。本当にその通りだと思います。練習に入る前に、とにかく声では負けるなと言われていたのに、そこができなかったので。
――それがあったからこそ、気持ちでは負けないと?
美邑 負けてないと思いました。スターダムは。全然。やっぱり里村さんという存在が大きいですけど、そこに「対抗できる選手がスターダムにいるのか?」と見られがちですけど、いやいや負けてないよと。実際、SNS上だと、仙女の方が(力は)上に見られていますが、やっぱり自分たちが女子プロレス界NO.1だと思うので、なぜファンの方がそう言ってくれているのかをアピールできるようにしたいと思います!
渡辺「目標はハイスピード」、美邑「自分のスタイルを確立」
美邑 短いスパンでいろいろな経験をさせて頂いているので、この後は、ちゃんとお客さんの目に見えて、「こいつ変わったな」と思われるように、1試合1試合、何かしら上回っていきたいです。日々成長しているところを見せられればいいなと思います。まずは1勝を挙げたいのと、新人王を狙っていきたいです!
渡辺 私は昨年の11月16日にデビューして、もうすぐ1年が経ちます。多分、デビュー戦よりは成長できていると思うので、15日の後楽園大会では、1周年の1日前なので、そこでデビューした時とは違う、成長した姿が見せられればいいなと思います。
――渡辺さんは後楽園でジャングル叫女さんのデビュー戦の相手を務めることになりますね。
渡辺 デビュー戦の相手を私がやっていいものかというのもあるんですけど、1周年ですし、相手の技を全部受けきってから勝ちたいと思います。
――それでは最後に2016年の抱負もお願いします。
渡辺 高校生の間にベルトを取るという目標があります。その中間年になるので、思いっきり成長して、来年にはベルトが狙えるようにしたいです。一番欲しいのはハイスピードのベルト。ソフトボールで鍛えたスピードもあるので、やっぱりハイスピードです。もちろん白いベルトも狙いたいです。
美邑 まずは自分のスタイルを徐々に確立していきたいです。今の選手で言うと、カイリさんのようなスタイルが近いかなと思います。私は器用でなく不器用なので、それでもお客さんの心に響くような、心に届くような試合を見せたいです。
(取材・文:尾柴広紀/スポーツナビ)