ADOで復活したハーフナー・マイク 今季9試合7ゴールと絶好調の理由

中田徹

一から結果を残し、日本代表復帰へ

一時は試合から遠ざかっていたハーフナーだが、ADO移籍後は好調を維持している 【Getty Images】

 それにしても、今季9試合に出場して7ゴールというのは、ものすごいハイペースである。HJKヘルシンキに所属していたフィンランド時代、ハーフナーはフィンランドリーグ20試合でたった4ゴールしか決めていない。なぜ、フィンランド時代のハーフナーはゴールが少なかったのだろうか。
「コンディションかな。6カ月間、試合に出ていなかったので試合感覚もなかった」

 話は2014年のコルドバ時代に遡る。子供の頃からの夢だったスペインリーグでプレーすることになったハーフナーは、初戦のレアル・マドリー戦で「ぺぺには負けなかった。セルヒオ・ラモスは、身体能力で初めて勝てないやつだった。その後、体をぶつけて勝てるようになった。得点を取れそうな場面もあった。『よっしゃ、いいところでやれてるな』という気分だった」という体験をした。

 しかし、その後の試合でもゴールを決められずにいると、やがて試合のメンバーにも入れなくなり、わずか半シーズンで契約を解除。新天地のフィンランドリーグは3月開幕ということもあり、ハーフナーに6カ月のブランクが生まれてしまったのだ。
「3月からずっと試合をやっている。今年は夏休みもなかった」(ハーフナー)

 試合に出続けることによって少しずつコンディションを上げて、試合感覚も取り戻した。ADOデンハーグに移籍した頃から、ハーフナーのコンディションはピークとなり、しかも良いクロスが上がってくるチーム環境もあって、彼は復活したのである。

 10月のインターナショナルマッチウイーク前には、日本代表復帰論も上がったハーフナーだが、「自分は1年間(スペインとフィンランドで)消えていたので、また一から結果を残していくしかないんで、頑張ります」と抱負を語っていた。

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著者プロフィール

1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。86年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグ、ドイツ・ブンデスリーガなどを現地取材、リポートしている

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