第2戦を取ったほうが有利はウソ!? 日本シリーズにまつわる記録集

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これが日本一の重圧か最終戦はビジター有利!?

 今年の日本シリーズに出場する2チームはレギュラーシーズンではホームゲームで強かった。パを制した福岡ソフトバンクは44勝25敗3分けで6割3分8厘(ロードでも6割5分7厘)とどこでも強かったが、セで優勝の東京ヤクルトはホームで45勝26敗1分けの6割3分4厘(ロードで4割4分3厘)と断然強かった。

 だが過去の日本シリーズではこの“地の利”がはっきりとは発揮されていない。2014年までの389試合で、本拠地球団は198勝184敗7分けの5割1分8厘である。しかし、この試合で決着がつく第6、第7戦では本拠地球団の勝率は4割台。本拠地ファンの声援がかえって選手を硬くさせるのだろうか。【B表参照】

表B:ホームチームの回戦別成績 【BBM】

 日本シリーズは先に4勝したら決まる短期決戦。昨年まで65度の日本シリーズで先に王手をかけてそのまま日本一に輝いたのは54チームだから、確率は83.1パーセントである。それでも先に3勝されてから逆転日本一になったケースも20パーセント近くあるのだから、最後まで決してあきらめてはいけない。【C表参照】

表C:先に3勝し逆転負けしたチーム 【BBM】

 第1戦から3連敗し、絶対絶命の窮地に立たされてから逆転日本一に輝いたのも1958年の西鉄、86年の西武(1分けを挟む)、89年の巨人と3球団ある。58年の西鉄は第4戦でも1回表に2点を先制され、4連敗は目前となった。2回表にも1点を追加され、0−3とリードされたが、その裏に3点奪って一気に同点とし、結局6−4で勝ってから西鉄は息を吹き返した。

 第5戦でも巨人に1回表に3点を先取されたが、7回2点、9回1点で追いつき、10回裏にピッチャーの稲尾和久のサヨナラ本塁打で2勝目。これで完全に勢いづいた西鉄は舞台を平和台から後楽園に移した第6、第7戦で中西太が2ラン、3ランを連発して第4戦から4連勝を飾った。

 さあ、ソフトバンクとヤクルトによる今年の日本シリーズはどんな展開になるのだろう。こういった過去のデータとも照らし合わせながら見てみるのも、日本シリーズ観戦をより奥深く、楽しくしてくれるに違いない。

<文・千葉功(プロ野球アナリスト)>

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