日本代表、攻撃を再整備してサモア戦へ 防御に工夫のスコットランドに完敗
シェイプの連動が見られず、防御しやすい形に
前半にモールからトライを奪ったが、後半はノートライに抑えられた 【Photo by Yuka SHIGA】
ただ、日本代表が採用する「アタック・シェイプ」では、9番を起点とした「9シェイプ」と10番を起点とした「10シェイプ」をリンケージ(連動)させて、動かすことが生命線。ただ、この試合ではリンケージをほとんど見ることはできなかったのは残念でならない。ただパスを細かく回すだけになってしまうと、相手のディフェンスは守りやすくなってしまう。
10対24で迎えた後半24分、CTB田村優(NEC)からCTBマレ・サウ(ヤマハ発動機)へのパスが、WTBトミー・シーモアにインターセプトされた場面は、その象徴的なシーンとなった。確かに、パスがつながっていればトライだったかもしれない。だが、結局、そのままトライされて10対31。3トライ3G差となり、ほぼ勝負はついてしまった。
結局、スコットランド代表は後半だけで5トライ挙げて、4トライ以上のボーナスポイントを獲得した。日本代表にとっては、まるで、昨年11月のマオリ・オールブラックス(ABs)の初戦で、21対61で負けた試合を彷彿させるかのようだった。
「チームは生き物なので、良い時もあれば、悪い時もある」
試合終了後にスコットランド代表と健闘をたたえ合う 【斉藤健仁】
前半の最後にビッグタックルを決めたFB五郎丸は「あのような点差ほどの実力差ではないと思っています。疲れではなく、戦術や修正能力あたり(の差)が出たと思います。チームは生き物なので、良い時もあれば、悪い時もあります。この波を小さくすることがティア1(ラグビー上位10カ国)に入る近道かな」と振り返った。そして、10月3日のサモア代表戦に向けては「マオリABs1戦目と2戦目ではまったく違ったチームなりましたし、能力を秘めている選手がたくさんいるので、ジョーンズHCの立てた戦術に向けて、一人ひとりやっていきたい」と前を向いた。
サモア戦に向けて「勝つことだけに集中」
次戦は10月3日のサモア代表戦となる 【斉藤健仁】
2019年の自国開催のワールドカップに向けて「日本ラグビーの歴史を変える」ことを旗印に始動したエディー・ジャパン。1勝だけでなく、2勝、そして決勝トーナメントに進出するためには、3戦目のサモア代表に勝利することは必須。再び、日本代表の強い姿を見られるはずだ。