エディージャパン、歴史的勝利の理由
元日本代表・藤井淳が解説

 ラグビー日本代表は20日(日本時間)、ワールドカップイングランド大会の1次リーグB組第1戦で優勝候補の南アフリカ代表と対戦し、34対32で逆転勝利を収めた。「ラグビー史上最大の番狂わせ」と世界に衝撃を与えた試合について、元日本代表の藤井淳選手(東芝ブレイブルーパス)に話を聞いた。

最高のメンタルで臨んだ日本代表

五郎丸(左)のトライに喜ぶ日本代表。南アフリカを破る快挙を成し遂げた
五郎丸(左)のトライに喜ぶ日本代表。南アフリカを破る快挙を成し遂げた【Photo by Yuka SHIGA】

――試合を見た感想は?


 興奮して、なんだかよくわからないですが……。泣いちゃいますね。日本代表の選手、スタッフを心から尊敬しますし、歴史的な勝利をうれしく思います。


――世界3位の南アフリカに勝てた要因は?


 一番は最高のメンタルで臨めたことだと思います。それぞれの表情やプレーからも充実していることが伝わってきました。

 日本はW杯で24年間勝てなくて、負の歴史となっていましたが、エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)がそれを変えました。エディーが選手にマインドを変えることを求めて、選手が応えた結果だと思います。


――藤井選手はエディー体制1年目に日本代表でプレーしています。


 3年前、ジャパンに入って最初に言われたのが「W杯でベスト8に入る」という明確なゴールでした。最初に聞いた時はさすがに難しいのでは……と感じましたが、エディーは「君たちはできる」とその根拠を説明してくれました。そこで自分たちの強みと、伸ばしていくところを提示されて、選手は信じてついていきました。

 何よりエディーの自信にあふれた言葉は説得力があって、心に響きました。

過去になかったスペシャルプレーでトライを奪う

後半終了間際、途中出場のWTBヘスケスが逆転トライを決めた
後半終了間際、途中出場のWTBヘスケスが逆転トライを決めた【Photo by Yuka SHIGA】

――南アフリカに勝てたプレー面での要因は?


 全て良かったんですが、まずはディフェンスが良かったです。個々のタックルミスから2つトライを奪われましたが、全体的に良く止めていました。

 南アフリカの選手は大きいので(FWの平均身長192.5センチ、体重115キロ)、日本の低いタックルを嫌がっていました。それを80分間、徹底できたことが勝利につながったと思います。


――攻撃面ではBKの選手もモールに入ってトライを奪ったり、後半28分の五郎丸選手のトライのようなスペシャルプレーもありました。


 3年前の日本代表ではスペシャルプレーは全くありませんでしたし、エディージャパンになってから、ずっと確実性の高いプレーばかりで戦っていました。

 ただ、このW杯という舞台で南アフリカという強敵と戦うことで、たとえ失敗してもギャンブルが必要だと思っていました。選手が勇気を持って実行して、それがハマりましたね。


 五郎丸のトライのサインプレーはラインアウトからでした。CTB立川とSO小野の場所を入れ替えていて、先に受けた立川からおとりの選手の背中を通して小野へ、その内側にWTB松島が走り込んで抜けたところでトライは決定的でした。

 おそらく、エディーが南アフリカのディフェンスの傾向を分析して、抜ける可能性が高いプレーを選択したんだと思います。あの状況で難しいパスを連続で成功させたBKの選手たちの技術は正確でしたし、ラインアウトをきれいに捕ったFWの精度の高さも素晴らしかったです。

構成:スポーツナビ

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