１４日、「ＷＲＥＳＴＬＥ−１　ＴＯＵＲ　２０１５　ファン感謝デー」１０．９東京・後楽園ホール大会にて行われる、Ｆ−１タッグチャンピオンシップの初代王者決定戦に出場する、武藤敬司＆神奈月組と征矢学＆スギちゃん組が記者会見を行った。
　約３年ぶりに復活する“ものまねプロレス”Ｆ−１タッグチャンピオンシップとは“武藤・全日本時代”に設立された“プロレスラーとお笑い芸人（誰かのものまねで出場する）”によるタッグ王座。２０１２年１２月に開催された「Ｆ−１タッグ選手権」を最後に封印されていたが、約３年の時を経て「Ｆ−１タッグチャンピオンシップ」と名称を変え復活した。（Ｆ−１の「Ｆ」は「ＦＡＫＥ（ニセモノ）」の頭文字）

　２００６年３月に行われた「Ｗ武藤」vs.小島聡＆三沢光晴（イジリー岡田）の一戦をきっかけに創設されたＦ−１タッグは、「Ｗ武藤」vs.天山広吉＆蝶野正洋（原口あきまさ）の一戦で勝利した武藤＆神奈月が初代王者に君臨。その後、ダチョウ倶楽部、ケンドー・コバヤシ、はなわ、ザ・たっち、レイザーラモんＲＧなどが名勝負を繰り広げてきた。今回、征矢と「ワイルド・コンビ」を結成し初参戦が決まったスギちゃんが、どんなプロレスラーに変身して登場するのか……。

武藤　今度Ｆ−１タッグ、まぁ復活ということで。もともとは初代、俺たちチャンピオンだったからね。

神奈月　９回防衛しました。

武藤　９回もですか。えー、ベルトを落としてかれこれもう４、５年くらい経つのかな？　まぁその空白の時間、俺と神奈月は多くの営業に行ったり、イベントしたり、はたまたＣＭに出たり……この空白の時間、余計コミュニケーションをとってますね。グレードアップしたダブル武藤を見せたいと思います。

神奈月　まぁリングからは遠ざかって５年ぐらい経ちますけど、先ほども言いましたように、武藤さんが私のフィールドに来て、そしてその間に結構二人のタッグチームとしての親交を深めていましたので。まさか、私も今年５０歳になるんですけど５０にしてまたリングに上るとは夢にも思っていなくてですね。

武藤　さっき歩き方おかしくなかった？

神奈月　はい。いや実はですね、５０にもなりますとかなり体もポンコツになってまいりまして。あの、よくネタで「ヒザが痛い！」とか言っているんですけど、１０日前にギックリ腰になりまして。腰がもう全然動かない状況なんですけど。だから武藤さんのフィールドに私が登っていくので、是非前回のＦ−１とは違って武藤さん、８割働いて下さい。

武藤　えぇっ!?

神奈月　そうしていただかないと、モノマネはやりますけど戦いはちょっと今回は不安なんですよ。まぁでも一生懸命頑張りますので、よろしくお願いします！

　続いて征矢学、スギちゃんがコーラを持って雄たけびを上げながら入場

征矢　プロレス界一のワイルドとお笑い芸人一のワイルドだぁ！

スギちゃん　ダブルスギちゃんだぜぇ！

神奈月　ちょっとまて！　「ダブルスギちゃん」ってどういうことだよ！

征矢＆スギちゃん　ダブルワイルドだ！　間違えたんだよ！

　その後、スギちゃんがどれだけプロレス愛に溢れているかわからないという神奈月の言葉に対して、その気持ちを見せるため、征矢と共に１．５リットルのコーラを一気飲みに挑戦。だが案の定、途中で吹き出してしまい、さらに征矢はスギちゃんの顔に噴射してしまう。しかし二人は自信満々に「ワイルドだろ!?」と言い張る。ところが某番組で購入した時計にコーラがかかってしまい、ちょっとだけ気にするスギちゃん。すると征矢が……。

征矢　このベルトとこの時計も賭けてやりましょう！

スギちゃん　これいくらするのか知ってるのか？　６４８万円だぞ！

征矢　ワイルドだったらそんなの気にしないぜ！

武藤　賭けようぜ。このベルトとその時計セットでさ。

スギちゃん　こっちに得がないぜぇ。

武藤　俺、帽子賭けるよ。

神奈月　じゃあ俺ヅラ賭けるよ。

征矢　じゃあ俺はこのヘッドバンドを賭ける。

　スギちゃんが必死に価値の違いなどを伝え、時計に関してはうやむやにしてしまう。その後、やっと征矢が意気込みを語り始める。

征矢　前回ですね、ＷＲＥＳＴＬＥ−１のトーナメントを優勝しまして。で、こうしてタッグのベルトも持っていますので。我々はワイルドなチームを結成している訳ですけども、このチームで私は団体のベルトを全部獲ってやろうと。次の９月２１日の後楽園でシングルのベルトに挑戦しますので、それも勝って１０月９日でこのＦ−１のベルト、スギちゃんと獲ります！　そしてスギちゃんにはｎｅｗ　Ｗｉｌｄ　ｏｒｄｅｒに入ってもらって、プロレスをやってもらいます！

スギちゃん　もちろん！　スケジュールも空いてきている。いけそうだ！　やってやろう！　はははは！

　ここで神奈月さんからプロレスラーのモノマネはできるのかと問いただされたスギちゃんは笑いながら

スギちゃん　任せてください。モノマネすればいいんでしょ？

　すると征矢が着ているスーツを脱ぎ、ワイシャツのボタンを引きちぎるとその下にはスギちゃんと同じ格好が……

征矢＆スギちゃん　こういうことじゃあ！　俺たちが！　ダブルスギちゃんだぜぇ〜！　ワイルドだろぉ〜？

神奈月　武藤さん、なんか勘違いしてますよ？

武藤　普通さ、芸人がレスラーの方に寄せるのに反対になってんじゃねぇかよ！

征矢　お互い寄せ合ったらこうなったんですよ！

　その後お互いに口論になるが、スギちゃんが秘策を披露する。胸にマヨネーズをくっつけ、チョップを受けるとアゴにマヨネーズが飛び散るシステムとのこと。征矢がチョップすると案の定、スギちゃんの胸からアゴにかけてマヨネーズまみれに。

武藤　神ちゃん、俺イヤだぜこんな奴らとやるの！

神奈月　武藤さん、これ毒霧よりすごくないですか！

スギちゃん　相手には危害を加えない！　自らが！　これがワイルドなんだよ！

征矢　恐ろしいぜ……。

――スギちゃんは征矢選手のことを以前から認識されていたのでしょうか？

スギちゃん　最初ワイルドをやり始めた時に、ワイルドってどういうものかなって検索したんです。そしたら征矢さんと大森さんが出てきまして。あれ？　やってる人いるって思って記者会見を見たんですけど、こんな人がいるのかと。なんかもらえる部分があるかなって思って観ていたんですけど、なかったです。だからこのまま突っ走ろう、ワイルドへって思いました。

――征矢選手はスギちゃんのことをどう見てきたのでしょうか？

征矢　まぁ私がですね、某団体で大森隆男とＧＥＴ　ＷＩＬＤを始めたころ、テレビでワイルドだぜぇ？って。あれっ？　俺のマネしてるのかな？って観ていたらいきなりブレイクしてしまって。それにちょっと私も便乗させていただきました。

スギちゃん　まぁ持ちつ持たれつ。そういうことです。

――スギちゃんは征矢選手が寄ってきている分、スギちゃんさんからプロレスに寄せていくことや見せたい技はありますか？

スギちゃん　見せたい技ですか？　これです（マヨネーズを指差し）あとワイルドですからフォールされたら返すとは思わないで下さい。

武藤　え？　負けちゃうじゃん。

スギちゃん　興行的にいいなら負けさせていただいても良いですけど、私たちは返すつもりはないので。そちらがフォールしてもこちらは返す気がないので。上げないと知りませんよ？　すぐ試合終わりますよ？

神奈月　こっちのサジ加減じゃん。

スギちゃん　サジ加減でしょ、試合時間は！　こっちが狙っているのは６０分フルタイムドローですから！　そっち次第ですよ？　終わる時間は。

征矢　大人の対応して下さい！

　Ｆ−１タッグ選手権がＦ−１タッグチャンピオンシップとして一新され、新たな歴史が紡がれようとしている中、今日の会見を見る限り初代王者決定戦から混沌としたスタートになることは容易に想像できる。また会見後の囲み取材の中でスギちゃんは私物の高級時計まで賭けると断言してしまうなど、ベルト争いなのか、時計争いなのかよくわからなくなってきてしまう。そんな新Ｆ−１タッグの争いはどのような決着になり、その先どのような戦いが繰り広げられるのだろうか？