bjリーグの10シーズンを振り返って そして最後の1年へ――

河内敏光

10年で4チームがチャンピオンに

10シーズンで4チームがチャンピオンとなったbjリーグ 【写真提供:bjリーグ】

 昨シーズンは浜松・東三河フェニックスが3度目の優勝を飾りました。レギュラーシーズンの終盤に勢いがついたチームが、プレーオフもそのまま勝ち上がってきました。シーズン全体を通して、安定感のウェスタン、得点力のイースタンという印象があり、ウェスタンの上位チームは下位に確実に勝つ安定感がありました。

 一方、イースタンは下位でも爆発力のあるチームが多く、上位チームから勝ち星を挙げていました。それでも、ウェスタンの1位の京都ハンナリーズ、2位の琉球ゴールデンキングスが有明(カンファレンス ファイナル)に行くことができなかった。レギュラーシーズンとプレーオフでの戦い方の違いと、難しさを感じる出来事でした。

 一番印象に残っている試合は有明行きを懸けた、秋田ノーザンハピネッツvs.新潟アルビレックスBB、イースタン・カンファレンス セミファイナルの最終決定戦です。新潟が1点リードで残り5.5秒からのプレーで田口成浩がブザービーター(スコアは19−18)。長谷川誠HCでさえ負けたと思った試合をひっくり返し、秋田が劇的な勝利を飾りました。しかし、逆にファイナルでは優位に進めていた試合を落とし(69−71)、悲願達成とはなりませんでした。

 これで大阪エヴェッサ、琉球、浜松・東三河が3回ずつの優勝。そして、横浜ビー・コルセアーズの1回を加え、10シーズンで4チームがチャンピオンとなりました。bjリーグ最後の王者がどこになるか、今から楽しみです。

集大成となるシーズンにむけて

2005年11月5日に開幕したbjリーグ(写真は東京アパッチvs.新潟)。最後のシーズンで集大成を見せることを河内コミッショナーは宣言した 【写真提供:bjリーグ】

 ここまでお話してきたように、bjリーグ設立時に掲げた理念やビジョンが、徐々にではありますが、実現できていると実感した10年目のシーズンでもありました。そして、10月2日からはbjリーグとして行う最後のシーズンが始まります。あらゆる意味で、日本初のプロバスケットボールリーグの集大成をお見せできると思います。ぜひ、アリーナに足をお運び下さい。

河内敏光

bjリーグコミッショナー兼代表取締役の河内敏光 【スポーツナビ】

株式会社日本プロバスケットボールリーグ コミッショナー 兼 代表取締役
1954年5月7日生まれ、東京都出身。日本を代表するバスケットボール プレイヤーとして活躍後、全日本の監督を経て株式会社新潟スポーツプロモーションの社長に就任。2000年に「新潟アルビレックス」を結成し、2004年にコミッショナーとしてbjリーグを立ち上げ、現在に至る。

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