「憧れ」の浅田真央に近づくために スター候補・永井優香が見据える未来

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シニア初の国際大会も「焦らずできた」

昨シーズンは初出場の全日本選手権で4位という成績を収めた 【坂本清】

――昨シーズンの全日本選手権は初出場で4位。ご自身でその結果はどのように受け止めましたか?

 あの時は普通に「良かったぁ」くらいな感じでしたが、今考えたら「全日本で4位ってけっこう頑張ったな」と。それまでのことを思えば、全日本ジュニアでも10何位とかだったのですごく良かったなと思います。

――周りの反応はいかがでしたか?

 学校の友達は「テレビに出ていてすごいね」みたいな感じでしたけど、そこまで変わっていないですね。高校だけじゃなく、中学校のときの友達も応援してくれているのでありがたいなと思います。

――四大陸選手権は6位でした。シニアの国際大会の雰囲気は、ジュニアのGPシリーズとは全然違いましたか?

 そうですね。ジュニアGPシリーズに出ていた選手もいたので、公式練習では特に何かを感じたわけではないですけど、自分の演技が終わって最終グループの演技を見ているときに「この人たちと一緒に戦っているんだな」と考えたら、感慨深かったです。

――6位という成績は比較的満足いくものでしたか?

 う〜ん、満足しているのかしていないのか分からないですけど、演技的にはもう少しできたと思うので、そこは納得していません。でも初めてのシニアの国際大会でそんなに焦らずにできたのは良かったかなと思います。

――プレッシャーには比較的強い方ですか?

 去年はそんなにプレッシャーを感じることなく、ほとんどの試合をやっていたので、自分でもよく分からなくて……(笑)。ただ、全日本ジュニアのときだけは、今までのこととかを考えることが多かったんです。そのときは自分の中でプレッシャーを感じていてうまくいかなかったので、まだ克服はできていないのかなと思います。

――今までのこととは、過去の全日本ジュニアのこと?

 はい、あまり成績が伸びていなかったので、そのことを考えちゃってちょっと緊張しました。それでもショートプログラムはノーミスだったのですごくうれしかったです。

考え方を変えた同級生の言葉

自身の性格分析は「ちょっと負けず嫌いでマイペース」 【中莖かうり】

――ご自身ではどういう性格だと思いますか?

 ちょっと負けず嫌いですけどマイペースなので、誰に負けたからどうというのはないですね。自分で納得できればいいし、ダメだなと思ったらダメだし、あまり周りは気にしない性格だと思います。仲の良い友達にもそう言われます。

――ライバルとして意識するような選手はいたりしますか?

 特に意識はしないんですけど、みんな上手なのでみんながライバルと言えばライバルです。去年あたりから、自分の前にうまい選手が滑っていて良い演技をしていても、あんまりプレッシャーに思わないで「自分も頑張るぞ」という気持ちになれたんです。それまでは気持ちの余裕がなくて、周りを見ちゃっていたのかもしれないですけど、自分のペースでできるようになりました。そうしたら良い方向にいくことが多かったので、前向きに捉えられるようになったかなと思います。

――それは満足のいく練習ができるようになったから、余裕が生まれたということ?

 それもあるし、考え方をちょっと変えてみたらすっきりしたというか。

――何かそういうふうに考えようと思ったきっかけはあったんですか? 意識を変えようと思ってもなかなか難しいですよね。

 同級生の友達に「楽しんで滑ったほうがいいよ」と言われたことですね。確かにそうだし、試合のときに緊張してもしなくてもやることは同じなので、緊張したらうまくいかないし、それだったら楽しんでやった方が得だなと思って。それで楽しんでやろうと思うようになりました。

あの素晴らしい舞台に立ちたい

――憧れの選手は浅田選手とのことですが、どういうところに憧れているのですか?

 スケートを始めたきっかけも浅田選手でしたし、たくさんの試合で結果を残していますけど、特に去年のソチ五輪のFSにすごく感動して……。あれを見て自分も人を感動させられるようになりたいなと思って、それからもっと憧れるようになりました。

――今季はその浅田選手とも同じ舞台で戦うことになりますね。

 何年か前の自分を考えたら信じられないことなんですけど、一緒に戦えるというのはとてもうれしいことなので、少しでも近づけるようにまた練習を頑張りたいと思います。

シニアデビューの今季、永井は憧れの浅田真央(写真)とも同じ舞台で戦うことになる 【写真:ロイター/アフロ】

――将来的には五輪というのも目標としていると思うのですが、18年の平昌は考えたりしますか?

 一応考えているんですけど、まだ何があるか分からないので、とりあえず今できることをしっかりやることと、あとはけがをしないようにというのは意識しています。

――五輪についてはどういうイメージを持っていますか?

 五輪は本当に一握りの選手しか出場できないところで、自分が今こういう立場にあるのもスケートを始めたころを考えたら驚きですね。五輪に行けるとなったらすごくびっくりすると思いますけど、せっかくここまできたので一生懸命やって、あの素晴らしい舞台に立てるようにしたいです。

――その目標を達成するために、今後伸ばしていきたい部分はどこですか?

 自分はいつもノーミスができなくて、何かしらミスをしてしまうんですね。そういうのをなくしていったり、ジャンプのミスを少なくするために、正確に跳べるよう練習していきたいです。

――最後の質問です。将来的にはどういうスケーターになりたいと思いますか?

 シニアの世界で活躍できるような選手になることが目標なんですけど、それと同時に人の印象に残るような、浅田選手のように人を感動させられるスケーターになれればいいなと思います。

(取材・文:大橋護良/スポーツナビ)

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