女子フィギュア界に現れた13歳の新星 青木祐奈が演じる“真央プログラム”
期待の13歳・青木祐奈に新シーズンに向けての思いを聞いた 【スポーツナビ】
青木の注目度が一段と増すようになったのは、昨年8月のアジアンオープントロフィー。この大会で青木は、女子の現役選手ではソチ五輪金メダリストのアデリナ・ソトニコワ(ロシア)しかできないトリプルルッツ+トリプルループという難易度の高いコンビネーションジャンプを成功させ、優勝を飾ったのだ。その後は前述の全日本ノービス、今年2月のチャレンジカップも制すなど、今や飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けている。今季からはジュニアにも参戦。さらなる飛躍が期待される新星に、新シーズンの目標や課題、そして自身も驚いたというフリースケーティング(FS)のプログラムについて語ってもらった。
「トゥループよりループの方が得意」
朝練習は4時から。放課後もみっちりトレーニングし、ハードな毎日を送る 【スポーツナビ】
ジャンプでは今までセカンドにトリプルループをつけていたんですけど、それはこれからも継続しつつ、トリプルトゥループをつけて2種類跳べるようにできたらいいなと思って、今はトゥループを練習しています。
――トゥループは今まで跳べていなかったのでしょうか? 一般的にはループの方が難しいと言われていますが。
去年は全然跳べてなかったです。ただ今年に入ってからはだいぶ跳べるようになってきています。一般的にはループの方が難しくて得点も高いんですけど、なんか私はループの方が好きで、トゥループよりも跳べるんです。
――ちなみに最初に跳べるようになったジャンプは?
トリプルだったらサルコウが最初です。それが小学5年生の8月とか9月くらいだったと思います。ループはその次でした。シングルだと小学1年生の3月くらいです。サルコウとトゥループとループの3つだったと思います。
――トリプルルッツ+トリプルループのコンビネーションを跳べるのは、現役では青木選手とソチ五輪で金メダルを取ったソトニコワ選手だけです。初めて成功させたときはどう思いましたか?
試合で決めたのが去年8月のアジアンオープントロフィーという大会で、それからはずっと跳んでいます。初めて成功させたのが7月の練習で、けっこうギリギリだったんです。最初は幻みたいで嘘かなと思ったんですけど、どんどん練習しているうちに確率も上がって「おぉー」って(笑)。ただ最初は全然難しいジャンプっていうことを意識しないで跳んでいたので、それがすごい得点が高いジャンプなんだなって知ったのはずいぶん後だったんです。
「トリプルアクセルは跳びたい」
一般的にはセカンドにトゥループをつける選手が多いので、「なんでループをつけられるの? すごいね」と言われて……。でも私からしてみれば、みんなはトゥループをつけてるのがすごいなと(笑)。だからループもトゥループも両方入れられるようになったらいいなと思って今年からやっています。
――どんな練習をして、跳べるようになったのですか?
(都築章一郎)先生はすごく基礎をしっかり教えてくれていたので、1種類跳べればどの種類のジャンプも跳べると。あんまり難しく考えずに、ダブルが跳べたらトリプルも同じような感じで、脇を締めることと踏み込みを強くするということだけを考えました。そうやって跳んでいたら、自然と跳べるようになっていたという感じです。
――五輪金メダリストと自分しか跳べないということについてはどう思いますか?
金メダリストと同じジャンプが跳べるっていうのはすごいことですけど、ほかの部分は全然足りてないので、やっぱり1つのジャンプだけではなく他のジャンプもできたらいいなって思います。
ゆくゆくはトリプルアクセル、そして4回転にも挑戦したいという 【写真:アフロスポーツ】
トリプルアクセルは跳びたいなって思います。あんまりやりすぎるとけがをしちゃうので、そこまでたくさんはできないんですけど、今も一応練習はやっています。
――成功したことは?
1回もないです(苦笑)。陸上で回転練習をしていて、それでトリプルアクセルを回ることはできるんですけど、氷の上ではなかなかできないです。
――トリプルアクセルを跳べるようにするために、自分には何が足りないと思いますか?
練習していけばいつかは跳べると思うんですけど、今は集中力が足りないかなと思っていて……。1回1回にすごく集中しないとけがをしちゃうので、そういう集中をずっと続けられるような練習ができたら、もっと早く跳べるようになるかなと思います。
――ゆくゆくは4回転も?
どんどんレベルも上がっていって、女子でも絶対に4回転を跳ぶ時代が来ると思うんです。私もそれに負けないように4回転やほかのジャンプも、どんどんレベルアップできればいいなと思っています。