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高校野球の意外な!?都道府県別データ
ベースボールグラフィックレポート

 8月6日、第97回全国高等学校野球選手権大会が開幕する。


 今年は、1915年、前身にあたる「全国中等学校優勝野球大会」が初開催されてから100周年を迎える節目の大会。地方大会では、連覇を目指す大阪桐蔭高(大阪)、今春センバツ4強の浦和学院高(埼玉)などが決勝にもたどり着けずに敗退するなど、多くの波乱があった。一方で、西東京では早稲田実業高のスーパー1年生、清宮幸太郎が大活躍して話題をさらった。


 選考委員会によって選抜され全国32校で争う春のセンバツと違い、夏の甲子園は、各都道府県で行われる地方大会優勝校が頂点を競う、都道府県対抗色が強い大会だ。しかし、各都道府県から1校ずつ(北海道、東京は2校)が出場するという仕組みゆえ、都道府県間の格差なども存在する。そんな中でズバリ、甲子園で強い県、弱い県はどこなのか? 参加校数が多い(少ない)県、公立校の出場が多い(少ない)県は? 05年から14年までの直近10年の大会データを元に、昨今の都道府県別の高校野球事情を検証する。

圧倒的強さを誇る大阪

 まずは早速、過去10年間で勝率が高い県のトップ3を見てみよう。

【データおよび画像提供:データスタジアム】

 00年代半ば以降、夏の甲子園で圧倒的な強さを見せているのは大阪だ。


 過去10年間の戦績は27勝8敗(勝率7割7分1厘)で、全都道府県で唯一の勝率7割超え。1試合あたりの本塁打数が全都道府県で唯一1本を超える(1.11本、35試合で39本塁打)。1試合平均6.5得点もトップだ。この高校生離れした強打をけん引しているのは、10年間で6度出場、3度の全国優勝を誇る大阪桐蔭高。中村剛也、浅村栄斗、森友哉(いずれも埼玉西武)、中田翔(北海道日本ハム)、平田良介(中日)ら、今日のプロ野球を代表する強打者を次々輩出している。ちなみに今年は、準々決勝で大阪桐蔭高を破った大阪偕星高が初出場する。


 大阪に次いで勝率2位の沖縄も、愛知、大阪に次ぐ打率(3割1分1厘)の強打が売りだ。10年に沖縄県勢として夏の甲子園初優勝を果たした興南高が今年、5年ぶりに出場する。3位の青森は11、12年と光星学院高(現・八戸学院光星高)が2年連続で決勝進出。好投手を擁すことが多く、1試合平均3.3失点は全国で最少となっている。


 大阪、沖縄、青森に続くのは、4位の東京と5位の神奈川。東京は06年の早稲田実業高、11年の日大三高と西東京から優勝校を2校輩出した。神奈川は12年の桐光学園高・松井裕樹(現・東北楽天)らプロ注目の好投手を擁することが多く、奪三振率は全国トップ。しかし防御率3.69は全国26位と、必ずしも投手力が高いとは言えないようだ。


 これら“強豪県”の顔ぶれは、高校野球ファンならば納得の結果と言えるだろう。では逆に、夏の甲子園で負け続けている“弱小県”はどこなのか?

【データおよび画像提供:データスタジアム】

 最も勝率が低いのは、過去10年で2勝しか挙げていない香川と鳥取だ。両県ともに12試合で得失点差「マイナス50」。香川は全都道府県で唯一、本塁打が1本もなく、1試合平均得点が唯一2点を切っている(1.9点)。鳥取も1試合平均得点、1試合平均失点ともにワースト3に入っており、投打ともに苦戦している。


 意外なのは、10年間で4勝11敗の埼玉。13年センバツ優勝の浦和学院高が10年間で5度出場しているものの、そのうち4度が初戦敗退とふるわなかった。奪三振率4.41は全国で最下位だ。

甲子園出場の倍率格差は最大7倍以上!

 夏の甲子園に出場するためには、当然ながら各都道府県で行われる地方大会で優勝しなければならない。そして当然、各大会の参加校数は都道府県によって異なる。今度は、地方大会での甲子園出場倍率が高い県、低い県を見てみよう。

【データおよび画像提供:データスタジアム】

 甲子園出場倍率が高い県のトップ3は愛知、神奈川、大阪。この3都道府県は、東京に次いで人口が多い地域でもある。神奈川、大阪は激戦区にふさわしく、甲子園でも好成績を残している。一方、参加校数189校の愛知は、過去10年の甲子園での戦績は10勝10敗の勝率5割。09年に堂林翔太(現・広島)を擁する中京大中京高が優勝したが、愛工大名電高が5度の出場で全て初戦敗退している。


 参加校数が最も少ないのは、勝率ワーストの鳥取。参加校数25校は、実に愛知の7分の1以下である。福井、高知は参加校数31校ながら、甲子園での勝率は5割以上と健闘している。福井は過去10年で7度出場の福井商高が6勝7敗ながら、昨年は敦賀気比高が4勝を挙げて準決勝進出。高知は今年、6年連続17度目の出場を決めた明徳義塾高が8勝5敗の好成績を残している。


 ちなみに、参加校数が200を超える東京と北海道からは2校ずつが出場するが、それでも甲子園出場倍率はいずれも全国トップ10入り。枠が2つあるとはいえ、全国的に見たら決して楽ではないことが分かる。

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