MLB球宴で輝いた“新・黄金世代” トラウト筆頭に25歳以下の選手が躍動

杉浦大介

若きスター選手とともに新時代へ

“夢の球宴”はア・リーグが6対3で勝利。若い力に引っ張られ、MLBは新たな時代を迎えつつある 【写真:USA TODAY Sports/アフロ】

 さらに、マニー・マチャド(23歳/オリオールズ)はオールスターで打点を挙げたオリオールズ史上最年少の選手になり、アンソニー・リゾ(25歳/カブス)も初めて球宴スタメン入りし、昨年の世界一投手マディソン・バムガーナー(25歳/ジャイアンツ)も1回を零封して貫禄を示し、ジョク・ペダーソン(23歳/ドジャース)は前日のホームラン競争で準優勝し……。もちろん、シンシナティで輝いたのは25歳以下の選手ばかりではないが、ヤングガンたちの存在感がこれほど際立った球宴は近年になかった。

「今後もこれほどの若手が毎年のように出てくるのかは分からない。これまでそんなことはなかったからね。ハーパーとトラウトから始まって、そして今年はジョク(・ペダーソン)、ブライアントのような選手たちも出てきた。本当にすごいことだよ」

 クレイトン・カーショー(ドジャース)のそんな言葉通り、トラウト、ハーパーに引っ張られ、メジャーリーグは新時代を迎えようとしている。

 オールスターは過去に感謝し、現在を祝福する舞台である。試合前には、各球団の生存する名選手4人を選ぶ「フランチャイズ・フォー」の投票結果が発表され、華やかなセレモニーも行われた。それと同じように、今から数十年が過ぎたころ、トラウト、ハーパー、ブライアントのトリオが初めて顔をそろえた15年のオールスターは、歴史の分岐点として振り返られるかもしれない。

 そんな想像ができるのだから、今年の球宴は成功だった。そして何より素晴らしいことに、同世代に生きる私たちは、今季だけに終わらず、今後しばらく“新たな黄金世代”のプレーを楽しむことができるのである。

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著者プロフィール

東京都生まれ。日本で大学卒業と同時に渡米し、ニューヨークでフリーライターに。現在はボクシング、MLB、NBA、NFLなどを題材に執筆活動中。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボール・マガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞・電子版』など、雑誌やホームページに寄稿している。2014年10月20日に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)を上梓。Twitterは(http://twitter.com/daisukesugiura)

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