「AJスタイルズですね」の理由は!?=ライガーに聞く2015年G1優勝予想

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中邑がリングでかもし出す艶、色気

「最近色気が出てきた。迫られたら断れないかも(笑)」とライガーが評した中邑 【横田修平】

――昨年のプロレス大賞MVPの棚橋弘至選手は? ことしの前半戦はタイトル戦線にあまり絡むこともなくちょっと静かでしたが?

 棚はどんだけイベントやテレビの収録があったとしても、夜中や早朝に来て道場で練習していますよ。僕はツアー中は道場に住み込んでいますから、誰が来ているか分かるんですよ。顔を合わせますから。棚は良く練習しているよ。ちょっとしすぎじゃないかっていうぐらい練習していて、心配になるぐらい。ただ、この1カ月の長丁場で疲れがね…。人気者がゆえに、言われた仕事は断らないし、全部自分の中で消化吸収する器の大きさを持っていますから。棚はやっぱり人に好かれますよね。それが災いして、終盤息切れ起こすんじゃないかなって。真面目だから。何でもきちんとやっちゃうから。パーフェクト目指して。

――過去にはG1優勝経験もある後藤選手。7.5大阪大会ではIWGPインターコンチネンタル王座のベルトを巻いて勢いがあります。

 波に乗っていますからね。洋央紀は僕とユニットも組んでやっていましたけど、良く言えば素直、悪く言えば単純なんですよ。ただ1回波に乗れば、こういう人間って面倒くさいんですよ。「オレはすげー」って勝手に思いこんじゃって、そのまま行っちゃうから。もしかしたら両国最終戦でバンザイが見られるかもしれないよ。調子に乗って突っ走っちゃうからね。

――逆に7.5で後藤選手に負けはしましたが、存在感は十分に示した中邑(真輔)選手はどうですか?

 彼は本当に色気があるなと思う。特に最近。艶っていうか、色気だよね。男の色気を感じるよ。オレ、真輔に迫られたら抵抗できないかもしれない(笑)。でもそれぐらい色気を感じますね。リングでかもし出している色気。この間も海外に行きましたけど、海外でも真輔に対する外国のファンの受け入れ方がすごいんですよね。真輔がぽろっと口にした言葉があって、「ボディランゲージ」って。海外ではなかなか言葉ではコミュニケーションは取りにくいけど、リングの上で体の動きでファンのみんなとコンタクトを取るって。本当に色気がありますよ。真輔に迫られたら拒否できないよ、本当(笑)。

――同じジュニア出身の飯伏幸太選手が2年ぶりに出場します。

 DDTとの2団体契約で両団体に掛け持ちで試合に出ているじゃないですか。スケジュール的に少しハードだなと思うんですよね。もちろん、昔ジュニアとかどうか関係なく、G1制覇を考えていると思うんですが、オーバーワークでさっきの棚橋選手と同様に自滅していかなければいいなって思いますね。

――ジュニア出身ということで、飯伏選手にG1を制覇してほしいというエールを送る気持ちはありますか?

 エールを送るなんて…。僕が何を言ったって、彼はそういう存在じゃないから。ジュニアとか、ヘビーとかそういう存在じゃないから。僕は今の選手に対してエールを送るとかないんですよね。今回G1に出場する20選手みんなそうですけど、僕がエールを送るとか、どうのこうの言う選手たちじゃないですよね。だから予想の中でも彼はまだまだですよとかじゃなくて、忙しすぎるから体調管理がいかにキープできるか、とか、そういう言い方しかできないですよね。もうレベルが違うよ。今のトップ選手たちは。特にG1に出る選手のレベルっていうのは素晴らしい。だから僕が解説をやらしてもらっても解説にならないもん。「すげー」「おー」「返した!!」とか(笑)。それぐらいのことしか言えなくなっちゃう。手前味噌ですけど、今の新日本プロレスのG1はすごい選手が集まっています。

優勝はズバリただただ「すげー」AJ

ライガーの優勝予想はずばりAJスタイルズ。「G1に出る選手はみんな天才だが、その中でも天才中の天才」とその才能を高く評価する 【横田修平】

――第三世代の選手たちも元気です。

 天山(広吉)、小島(聡)、永田(裕志)、まだまだ元気ですよ。すごいですよ、そりゃ。巡業中もピリピリしますよ。オレは絶対1位とってやるんだからっていう選手ばっかり。

――ことしは本間(朋晃)選手の初勝利もかかっています。

 本間君は何で勝てないのか逆に僕は不思議ですよ。動きもいいし。こけしで逃げられすぎるから自分でダメージ受けちゃうのかなって。自分で自分の首をしめてるんじゃねーのかなって(笑)。それが逆に本間君らしいかもしれないですけど。本間君はG1に出ることに関しては僕はまったく異論はないし、当然でしょって。体もシェイプされているし、よく練習もしているし。試合も一生懸命だし、人気も出てきているし。

 本間君がG1に出ることに異論がある人がいたら逆に意見を聞きたいですよね。「何で」って? 今の本間君を見ていればそんなこと言う人はいないと思いますね。レスラーたちも当然異論は持っていないと思うし、逆に本間君と試合をするの嫌だなっていうレスラーは多いかもね。波に乗っているし、本間コールもすごいし、やりにくいなって思う選手がいるんじゃないかなって思いますね。

――では、ずばり両国3連戦の最後に勝ち残っているのは誰でしょうか?

 AJですね(即答)。コンディションもいいし。もう人気者ですしね。特別ですよね。本当に天才ですよ。今のファンはベビーフェイスとかヒールとか関係なく、すごいやつはすごい、応援しようっていう感じで見ていると僕は思うんですよね。だからバレットクラブのAJが出てきても関係ないですよね。ただ、ただ「AJすげー」って。

――プロレスファンはプロレスで非日常空間を見たいというファンが多いと思いますが、そんなファンにはAJを見ろと?

 AJから目を離すなって。G1 CLIMAXに出る選手はみんな天才だと思うんだけど、その中でも天才中の天才がAJですね。

本当G1はラァァァベェルが違うよ!!

過去3度出場経験のあるライガーがG1についてあますことなく語ってくれた。コンディションも良く、ファンもG1出場を期待するが、自身は「今のG1を見て出たいとは簡単に言えない」ときっぱり拒否 【横田修平】

――ファンにG1 CLIMAXで見てほしいところは?

 試合内容だけじゃなくて選手がどんな感じなのか。やたらケガが多いけど大丈夫なのかっていう。テーピングだらけであちこちケガしてて、逆にテーピングしていない選手はすごいなとか。あとはコンディション、スタミナ面。そういうのも見てほしいですよね、試合だけじゃなくて。

 プロレスを見始めて日の浅い人は試合に思い切り浸かってどっぷり楽しんでもらって、試合を見るにもどこか余裕がある見方をできる人は、選手のテーピングが日に増えてるなとか。その中でもあるじゃないですか。両ひざテーピングをしていますね、とか、腰にテーピングをしていますねとか。そういう解説もあるじゃないですか。1カ月ですから。テーピングが増えると思うよ。トレーナーは大変ですよね。

――G1 CLIMAX公式戦は全戦シングルになりますが、シングルとタッグは全然違うものですか?

 全然違いますね。どっちがいいか悪いかじゃなくて。毎日がほぼシングルなんですよね。リーグ戦だから、取りこぼしって怖いですよ。そういうのも計算しながら試合もするし。例えば技を極められて、頑張りすぎて翌日にそれをマイナスに働かせたくないし。星勘定でここは無理することはないかなっていうのもぶっちゃけあるし。我慢できるけど、ここは我慢しても明日から大変だなって思うとタップすることもあるし。それは各選手考えていますよ。

――ライガーさんがG1 CLIMAXに出る選手に期待していることはありますか?

 自分の持っているものを120パーセント毎試合出してほしいと思いますね。常にそれでいってほしい。なぜかと言うと、新日本プロレスの一番を決めるリーグ戦だから。この新日本プロレスの中で現時点でチャンピオンが本当は一番なんですけど、総当りのリーグ戦をやって誰が一番強いのか。それを見せる大会なので。自分の持っているものをがっちり出してほしい。その中でみんな駆け引きはするだろうし、そういうところもこのリーグ戦の妙ですよね。

 本当、ファンの皆様には絶対足を運んでほしいですね。絶対楽しいですよ。ちょっと乱暴な言い方ですけど、「借金してでも見に来い」って!! 本当に自信を持ってお薦めします。とにかく見てくれ、話はその後だ。そういう感じですね。

――ライガー選手もまた出たいという気持ちは?

 僕はもうムリムリムリ。もう全然違う。G1は違うよ。そんな簡単に出たいとか言えるものじゃない。だから僕もG1に出たいなんて言わないし、最近聞いたことないでしょ?1試合、2試合ならいいですよ。コンディションはいいですけど、この長丁場は体にこたえてきますよ。レベルが違う。外道みたい? 本当にレェェェベェル(巻き舌で)が違いますよ。いや、ライガー流なら「ラベルが違うんだよ」って。本当、G1 CLIMAXはラァァァベェルが違うよ!!

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