フェデラーとジョコビッチが頂上決戦へ 好調同士の決勝は熱戦必至
通算10度目の決勝進出を決めたフェデラー 【写真:ロイター/アフロ】
マレーとフェデラー、共に譲れない対戦
マレーは敗れたものの、フェデラー相手にほぼ互角の戦いを見せた 【写真:ロイター/アフロ】
既に第1試合でジョコビッチが勝ち、決勝の対戦相手は決まっていた。世界ランキング1位との頂上対決を目指し、ともに燃えるものがあった。手の内は知り尽くした両者。フェデラーのサーブにはキレがあり、コースともに抜群だったが、マレーはそれを左右にさばいて反撃に出る。第1セットの第1ゲーム、マレーがいきなりブレークチャンスをつかんだが、そこをフェデラーがサービスエースで乗り切ってからは、互いに隙を与えない。ライン際の攻防、再三のチャレンジで拍手が起きる中、迎えた第12ゲーム、フェデラーがギアを上げた。15−30から狙いすましたフォアハンドのリターンをクロスに決めると、2本目のセットポイントでバックハンドのムチを飛ばし、鮮やかなパッシングショットを貫通させて先手を奪った。
互角の戦いを打ち破ったもの
一方のフェデラーも、この日は躍動感にあふれていた。8月に34歳になるというのに、流れるような動きから、左右幅広くにショットを散らし、ススッとネットにつく。マレーは背中を向けてボールを追うが、そこからフェデラーがパス、ロブ、ドロップショットで揺さぶる。
多彩なプレーではほぼ互角の戦いだったが、フェデラーの攻撃性がわずかに押し切ったと言えるだろう。ストレート勝負ではあったが、各セット1度だけのサービスブレークの緊迫した展開に、センターコートは盛り上がった。
経験値で上回ったジョコビッチ
目まぐるしい打ち合いを制したジョコビッチ 【写真:ロイター/アフロ】
ジョコビッチは既にグランドスラムで8度の優勝。ガスケはラファエル・ナダル(スペイン)と同期で期待された選手だったにもかかわらず、これまで07年のウィンブルドンと13年の全米オープンで1度ずつベスト4に上がっただけ。そうした経験の差が出たのだろう、タイブレークに入って緊張感が崩れたところをジョコビッチにつかれた。
今年のジョコビッチは全仏オープンこそ準優勝に終わったが、全豪オープンと出場したマスターズ1000の4大会すべてで優勝している。3強あるいは4強時代から独裁時代への足掛かりをつくりつつあるが、この日の軽快な動きを見る限り、フェデラーも侮れない。その1つの理由は、全仏オープンからウィンブルドンまでの間隔が2週間から3週間に延びたことがあるだろう。得意の芝に向けて、じっくりと準備して臨んできた。
日曜日は世界中のテニスファンが熱戦に悲鳴を上げることだろう。
(文:武田薫)
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