勝率9割超え、80年代PL学園の秘密 高校野球 歴代最強校はどこだ?(2)

楊順行
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PLの応援名物の人文字。80年代に黄金時代を迎えた同校の象徴となった 【写真は共同】

 今年で100周年を迎えた高校野球の歴史では幾多の名選手、チームが活躍し、ファンの脳裏に刻む輝きを放った。なかでも1983年から85年までの3年間、高校球界でさんぜんと輝いた清原和博(元西武など)と桑田真澄(元巨人など)。そして2人を中心に圧倒的な強さを誇ったPL学園高(大阪)は特別な存在だろう。高校野球100年の節目を機会に、歴史を彩ってきた強豪校の強さ・魅力に迫っていく特別企画。第2回は80年代に春3回、夏3回の甲子園制覇を果たし、多くの名選手、プロ選手を輩出したPLの強さを振り返る。

44勝4敗……圧倒的な強さを誇ったPL

 44勝4敗というその数字に、とにかく驚く。何がって、黄金時代を誇ったPLが、80年代の10年間に、甲子園で残した成績だ。
 これは、仮に10年刻みで甲子園通算勝利数を数えたとき、どの年代よりも突出していて、例えば2000年代ならトップの智弁和歌山高(和歌山)が28勝11敗。04〜06年、夏の3連覇寸前までいった駒大苫小牧高(南北海道)でも、15勝6敗にすぎない。それが80年代のPLときたら、81年春から、82年春、83年夏と出場した3回はいずれも優勝。84年の春は惜しくも準優勝に終わったが、20連勝を続けた。そこに含まれる春14連勝とともに、これは甲子園の最高記録だ。
 さらに85年夏、87年の春夏連覇と、10年間に10回出場して6回の優勝だから、あきれるしかない。準優勝の2回を加えれば、決勝進出の確率はなんと8割になる。そしてその間の勝率は9割1分7厘だから、べらぼうな強さだ。70年代までも、夏1回の優勝と2回の準優勝のある強豪ではあった。だが桑田、清原のKKがいた83〜85年、さらに立浪和義(元中日)世代が春夏連覇した87年は、別格の強さ。史上最強チームのランキングを行えば、どちらも確実に上位を争うだろう。
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著者プロフィール

1960年、新潟県生まれ。82年、ベースボール・マガジン社に入社し、野球、相撲、バドミントン専門誌の編集に携わる。87年からフリーとして野球、サッカー、バレーボール、バドミントンなどの原稿を執筆。高校野球の春夏の甲子園取材は、2019年夏で57回を数える。

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