観光、食事などビフォア&アフターが充実 LAマラソンを走るべき10の理由<後編>

南井正弘

8.バラエティに富む観光スポット

有名なスタジオツアーに加え、「ジュラシック・パーク」「トランスフォーマー」「ザ・シンプソンズ」といった作品をテーマにしたライド型アトラクションも人気のユニバーサルスタジオなら、同行する家族や恋人も満足すること間違いなし。自分が走るのを楽しむだけでなく、同行者にも楽しんでもらうことが海外レースの出走には重要だ 【南井正弘】

 海外マラソンに参加するということは、ただ走るだけでなくビフォア&アフターが充実しているかどうかも重要な要素となってくる。家族連れで参加するランナーは、特にこのポイントをクリアしないと渡航自体が危うくなる。

 その点、豊富な観光スポットが控えているロサンゼルスエリアは家族のOKを取り付けやすい。ユニバーサルスタジオ、ディズニーランド、カリフォルニアアドベンチャー、マジックマウンテン、ナッツベリーファームといった世界的に著名なアミューズメントパークが5つも営業しているので、レース前後に家族で楽しむことができるだろう。

 ただしレース前に行く際には、疲れを残さないよう歩き過ぎないことに留意したい。また、恋人と一緒なら、ロサンゼルス沖から約40kmにあるサンタカタリナ島がオススメ。コバルトブルーの海に囲まれており、各種マリンアクティビティーを楽しむことができるし、何もせずリラックスするのにもピッタリのリゾートアイランドだ。

9.ショッピングスポットが充実

サンタモニカのサードストリートプロムナード。数多くのブランドショップが軒を並べており、散歩を兼ねながらショッピングを楽しむことができる 【南井正弘】

 ショッピングは海外に渡航する際の大きな楽しみの1つ。ロサンゼルスは世界屈指のショッピング天国であり、ファッション、スポーツ、アウトドア、コスメ、オーガニックフードなど、あらゆるジャンルのほとんどのブランドのグッズを購入することができる。

 これがポートランド、ホノルルといった規模の街だと、「○○というブランドは少しマニアック過ぎて売っている店がなかった……」ということがあったり、ラスベガスのようなカジノタウンでは著名なファッションブランドはストリップ地区のフォーラムショップスやファッションショーといったショッピングモールで購入できるが、パタゴニアのようなアウトドアブランドや本格的なランニンググッズは、郊外にある専門店でないと購入できない。

 ロサンゼルスはダウンタウン、ビバリーヒルズ、サンタモニカ、アボットキニー……とエリアは分かれているが、全世界のほとんどのブランドが出店しているので、ショッピングフリークのランナーも欲しいアイテムを必ずや入手することができるはず。レース前後のショッピングも大きな楽しみとなるだろう。

米国屈指のランニングスペシャリティチェーンの「ロードランナースポーツ」はサンタモニカの「パタゴニア」の隣で営業。豊富な品揃えを誇っており、アシックス、ブルックス、ナイキといった著名ブランドはもちろんのこと、アルトラやホカオネオネのようなマニアックなブランドも揃う。それと充実したランニングソックスの品揃えは専門店ならでは 【南井正弘】

良質でスタイリッシュなカジュアルウェアが集まる「アーバンアウトフィッターズ」。ロサンゼルスエリアではサンタモニカのサードストリートプロムナードなどで営業している 【南井正弘】

ダウンタウンのショッピング施設「フィグ アット セブン」にある「スポーツシャーレ」ではランニングシューズをはじめとした各種スポーツグッズに加え、パタゴニアなどのアウトドアブランドも充実している 【南井正弘】

10.ビフォア&アフターの食事も多彩

店名にもなっている看板メニューがエッグスラット。パンと組み合わせて食べると本当に美味しい。現在LAで流行している朝食メニューだ。「EGG SLUT」はダウンタウンのグランドセントラルマーケットにある 【南井正弘】

 エッグスラット(メイソンジャーで湯せんした卵とマッシュポテトを独自の調合でミックスしたシンプルな卵料理)のように現地で流行しているメニューを食べるのも旅行の醍醐味(だいごみ)の1つだが、レース前後の食事はパフォーマンスの観点からしてもランナーにとって重要。レース前の食事は消化がよくエネルギーになりやすい炭水化物、レース後は断裂した筋繊維の修復に効果的な良質なたんぱく質が最適だが、せっかくなら味も美味しい店がいい。

日本にも店舗のある「CHAYA DOWNTOWN」にてリブアイステーキ。良質なたんぱく質の摂取はレース後の疲労回復にも効果的 【南井正弘】

ヒップな内装で人気のホテル「STANDARD」のルーフトップバーはローカルにも人気のスポット。ここから眺める夜景は本当に素晴らしい 【南井正弘】

 ロサンゼルスは地元料理をはじめとして、イタリアン、フレンチ、メキシコ料理、日本料理、中華料理、韓国料理などが充実しており、ランナーの胃袋を満たしてくれる。特にレース前は日頃慣れ親しんだメニューを食べるのがよいとされており、「レース日の朝は必ずお米を食べる!」というランナーも、ロサンゼルスエリアならおにぎりを手に入れるのも可能だ。

 また、レースで満足いく結果を得られたランナーにオススメなのがルーフトップバー。ロサンゼルスでは屋上に席を設けたルーフトップバーを開設するホテルが増えており、人気となっている。高層ビルが林立する夜景を眺めるオープンエアの空間で、勝利の美酒を酌み交わすのは最高の記念となるだろう。
 このようにLAマラソンは他のマラソン大会と比較しても、参加すべき理由がたくさんある。どうせ海外大会にエントリーするなら、前後のアクティビティが充実していたほうがいい。14年度の日本からエントリーしたランナーは200名ほどであったというが、各メディアで今年の大会の様子が紹介されることによって、来年度は参加者が大きく増加するかもしれない。

 海外レースのなかでは渡航費用も安く抑えることができるので、「来シーズンは絶対にフルマラソンデビューしたい!」「フルマラソンをデビューするならある程度名前の知られた大会がいい!」といったランナーにオススメ。ただしアップダウンのあるコースは決してイージーではないので、しっかり練習してからレースに臨みたい。そのほうがアミューズメントパーク、ショッピングをはじめとしたビフォア&アフターのアクティビティも楽しいはずだ。

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著者プロフィール

フリージャーナリスト。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツブランドのプロダクト担当として10年勤務後、ライターに転身。スポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズを得意分野とし、『フイナム』『日経トレンディネット』『グッズプレス』『モノマガジン』をはじめとしたウェブ媒体、雑誌で執筆活動を行う。ほぼ毎日のランニングを欠かさず、ランニングギアに特化したムック『Runners Pulse』の編集長も務める

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