ランナーを楽しませてくれる要素が満載 伝統あるロードレースに参加!<後編>

南井正弘

【南井正弘】

今年の仮装テーマは「世界の国のカーニバル」

一緒に走ったPR会社IFCAの田中さん(左)と筆者。オーダーした法被は前襟部分に「メドックマラソン」と、背中部分に「Marathon du Medoc 2014」とプリントした 【南井正弘】

 マラソン当日、朝6時30分にボルドー市街シャルトロン地区のホテルを出発してポイヤック村へと向かう。早朝ということもあって渋滞もなく、前日よりもスムーズに進む。途中ドライバーが英語で「トゥデイ ウィル ビ オット!」というから何のことかと思ったら、フランス人はHを発音しないから「オット」は「Hot」というわけで「今日は暑くなるよ!」ということらしい。

 ドライバーいわく「最新の天気予報だと30度を超える」とのこと。前日に危惧していたことが、まさか現実になろうとは。自分は、6時間30分以内の完走は問題ないだろうが、日本から一緒に来ている何人かはフルマラソン1〜2回目なので、彼らが制限時間内にゴールできるかが心配になる。

 そうこうするうちに、8時前に人影もまばらなポイヤック村のスタートエリアに到着。さっきの会話がウソのように涼しいどころか寒い。アシックスのトレイルランニングコレクションであるフジトレイルのジップアップ半袖シャツとショーツの組み合わせに、この日のためにオーダーした前襟部分に日本のアニメ好きの多いフランス人受けを狙って、“メドックマラソン”とあえてカタカナでロゴを入れた法被を羽織っているだけでは寒い。あまりに冷えるから短時間で2度もトイレにいったほど。

ヨーロッパ各国のチームはこんな感じで衣装を揃えることがポピュラー。みんな楽しそう 【南井正弘】

 やがて思い思いの仮装で着飾ったランナーたちが集まりだす。今年の仮装テーマは「世界の国のカーニバル」ということで、日本人は法被(はっぴ)姿が多い。一方で、ヨーロッパ各国やブラジルの人々は民族衣装やサンバカーニバルなど大人数のグループで衣装を揃えていることが多く、統一感が素晴らしい。ステージではそういったチームが大会MCに紹介されており、ちょっぴり羨ましかった。

【南井正弘】

日本からの参加者は2〜3人のグループが多かったが、こんな感じでおみこしを作っていたチームを発見! 【南井正弘】

スタートを待つ間、日本文化を広めようと余分に持っていた鉢巻をそばのランナーたちに手渡すと喜んで身に付けてくれた。意外とみんな似合っている気がする 【南井正弘】

 早めにスタート位置に整列し、多めに持ってきた鉢巻を周囲のランナーに渡すと、見よう見まねで身に付けてくれ、みんな意外と似合っていてなんだか微笑ましかった。

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著者プロフィール

フリージャーナリスト。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツブランドのプロダクト担当として10年勤務後、ライターに転身。スポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズを得意分野とし、『フイナム』『日経トレンディネット』『グッズプレス』『モノマガジン』をはじめとしたウェブ媒体、雑誌で執筆活動を行う。ほぼ毎日のランニングを欠かさず、ランニングギアに特化したムック『Runners Pulse』の編集長も務める

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