GWに“山の芸術”雪形探しはいかが? 「松原渓のスポーツ百景」

松原渓

【松原渓】

4〜5月ごろは雪形が見頃

この時期でも北アルプスは白銀の世界 【松原渓】

 4月上旬にぶり返した肌寒さが嘘のように、暖かい陽気が続いている。近所の公園では鮮やかな新緑がアーチを作っていて、休日は家にいるのがもったいないくらいだ。

 この時期になると行きたくなる場所がある。長野県安曇野市。母の友人が安曇野に住んでいて、小学生の頃からゴールデンウイーク(GW)や夏休みによく遊びにいっていた。

 そのお宅は森に囲まれた木の家で、周囲には自然の“遊び場”がいっぱい! 山登りやハイキング、自転車や釣りなど、あらゆるアウトドアにもってこいの場所。澄んだ空気と綺麗な水や土で育つ野菜はみずみずしく、名物の手打ち蕎麦は絶品だ。晴れた日は北アルプスの山々も綺麗に見渡せて、いつか住んでみたい土地の1つでもある。

 また、ちょうど5月上旬のこれからの時期、北アルプスではある“山の芸術”が見頃を迎える。「雪形」だ。雪形とは、冬の間に降り積もった雪が春の太陽で溶かされ、いろいろな形で山肌に表れる模様を、動物や人などに見立てたもののこと。

 全国各地の山で見られ、一般的には4〜5月ごろが見頃と言われている。雪が多過ぎたり、少なくても雪形は現れず、変わりやすい山の天気にも左右されてしまうため、自然が作り出すこの神秘的な絵を見られたら幸運だ。
 全国でこれまでに300以上の雪形が確認されていると言われる。中でも、百名山に選ばれている北アルプスの「常念岳」や「白馬岳」は、雪形が山名の由来にもなっている。

 山を見上げると、目の前にどーん!と分かりやすくその絵が表れるわけではない。木や岩、土や雪で覆われた山肌によーく目を凝らすと、人や動物の模様が浮かび上がってくる。それは小さなものから大きなものまで多様で、鳥が羽を広げていたり、お坊さんが杖をついていたり。隠し絵のようなその雪形を根気よく探すプロセスも、「雪形ウォッチング」の魅力なのだ。

 昔の人々にとっては農事暦(毎年同じ時期に現れることから、農作業の開始時期などの目安)や豊凶を占ったりと、生活に欠かせないものだったという。

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著者プロフィール

サッカー番組のアシスタントMCを経て、現在はBSフジにて『INAC TV』オフィシャルキャスターを務める。2008年より、スポーツライターとしての活動もスタート。日テレ・ベレーザの下部組織であるメニーナのセレクションを受けたことがある。『キャプテン翼』の原作者である高橋陽一先生が監督を務める女子芸能人フットサルチーム「南葛シューターズ」にて現在もプレー。父親の影響で、幼少時から登山、クロスカントリー、サイクリングなど、アウトドア体験が豊富。「Yahoo!ニュース個人」(http://bylines.news.yahoo.co.jp/matsubarakei/)でも連載中

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