新生K-1 70kg初代王座の座は!? トーナメント出場選手と組み合わせが決定

K-1実行委員会

新たな世界の強豪ファイターがエントリー

新生K−1 70kg級初代王座決定トーナメントに出場する日本人選手たち 【(C)K-1実行委員会】

 4月23日(木)東京・GSPメディアセンターにてにて、7月4日(土)東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される「K−1 WORLD GP 2015 IN JAPAN 〜−70kg初代王座決定トーナメント〜」の記者会見が行われた。

 新生K−1としては65kg、60kg、55kgに続いて、いよいよ70kgで初代王座決定トーナメントが開催されることになった。この日の会見ではK−1前田憲作プロデューサーよりトーナメント出場選手・組み合わせが発表された。

 組み合わせ発表に先立ち、前田プロデューサーは「日本人4選手と外国人4選手のワンデイトーナメントでK−1 WORLD GP−70kg初代王者の座が争われます。世界中の選手からK−1に出場したいという声が挙がりましたが、契約上、それが叶わない選手もいました。今回は新たな世界の強豪が出場するのでみなさん期待してください」とあいさつ。各試合について説明し、出席選手たちが順に登場し、意気込みを語った。

魔裟斗の弟子・山崎が新生70kg王座獲りへ

シルバーウルフが誇るハードパンチャー山崎陽一 【中原義史】

 最初に登場したのはシルバーウルフが誇るハードパンチャーの山崎陽一。対戦相手は70kgの次代を担う逸材として注目を集めているアルメニアのマラット・グレゴリアンだ。グレゴリアンは抜群のボクシングテクニックとローを武器とし、IT’S SHOWTIMEやGLORYといったヨーロッパのビッグイベントで活躍。昨年4月には現GLORY世界ライト級王者ロビン・ファン・ロスマーレンに敗れてはいるものの、互角以上に渡り合い、判定1−2で大接戦を演じている。

 前田プロデューサーも開口一番「グレゴリアンは強いです」と切り出し「山崎選手も日本人離れした強打を持っているので、激しい打ち合い・倒し合いが見られると思います」と2人の熱いファイトに期待を寄せた。

山崎陽一「昨年、K−1が新体制で始まって絶対に70kgのトーナメントが開催されるだろうなと思って、出て優勝してやろうと思っていました。K−1出場が決まってうれしいですし、楽しみです。そして僕を選んでくれた関係者のみなさんには感謝しています。他の階級のトーナメントはものすごく盛り上がりましたが、70kgは過去ににK−1 MAXがあったので半端な試合をしてはダメで、ものすごい試合をしたいと思います。世界一になることしか考えていませんが、僕には失うものも肩書きもないので、リングに上がって目の前の相手を倒すことだけにすべてを捧げて、暴れます。そして僕が生まれ育った福島県いわき市の人に夢を与えられる試合、K−1ファンのみなさんが興奮する試合を約束します」

ゲーオを倒したフランスの若き天才が参戦

70kgに挑むKrush67kg級王者の牧平圭太 【中原義史】

 続いては第3代Krush−67kg級王者・牧平圭太が登場。普段は67kgで戦う牧平が、K−1という大舞台で70kgに挑戦することになる。対戦相手のディラン・サルバドールはフランスが誇るスーパーテクニシャン。2013年、19歳の時にK−1 WORLD GP−65kg初代王者ゲーオ・フェアテックスとヒジ打ち・首相撲ありのムエタイルールで対戦して勝利、タイ人以外で唯一ゲーオにムエタイルールで勝った選手となった。

 前田プロデューサーはグレゴリアンに続いて「サルバドールはフランスで若き天才と言われていて、いい選手です」と紹介し「牧平選手は蹴りが得意なファイターなので、牧平vs.サルバドールはハイレベルな蹴り合いの技術戦になると思います」と語った。

牧平圭太「今回K−1に出場することになって、中学を卒業する時にタイムカプセルに『10年後の自分へ』という手紙を書いていて、(その手紙を取り出して)実はそこに『K−1に出て暴れたい』と書いていました。今回はそれを実現することができました。僕は67kgで試合をしていて正直悩む部分もありましたが、今すごくトレーニングをして身体が大きくなっていて、70kgに挑戦したい気持ちがありました。ここから70kgの始まりなので楽しみです。階級の差はないような試合をしたいので、それを楽しみにしてください」

Krush王者・中島が強敵ダルベックを迎撃

1回戦で強豪ダルベックを迎え撃つKrush70kg級王者の中島弘貴 【中原義史】

 3番目に現れたのは第3代Krush−70kg級王者の中島弘貴。過去にK−1 MAX参戦経験があり、4月のKrush後楽園大会で70kg王者になって、堂々のトーナメント参戦を果たす。対戦相手は1月のK−1代々木大会で佐藤嘉洋のリベンジをKOで返り討ちにしたサニー・ダルベック。端正なルックスで日本でも人気急上昇中の“北欧最強の伊達男”が待望のトーナメント参戦となった。

 前田プロデューサーは「ダルベック選手はサウスポーで様々な角度から打つパンチ、ヒザ蹴り、ハイキックが要注意です。対する中島選手も最近の試合ではディフェンスに隙がなく、ヴァンダレイ・シウバを彷彿とさせるヒザ蹴りがいつさく裂するのか楽しみにしています」と試合の見所を語った。

中島弘貴「新しいK−1が始まって、新しいK−1を盛り上げるために必ず世界トーナメントで優勝します。世界の強豪が集まる70kgでトップになれるように、チャンピオンを目指します」

佐藤嘉洋はペトロシアン弟とリベンジマッチ

ラストチャンスの覚悟でトーナメントに挑む佐藤嘉洋 【中原義史】

 そして最後に登場したのは魔裟斗らと共にK−1 MAXの時代から日本の70kgをけん引してきた佐藤嘉洋だ。その佐藤の対戦相手は元K−1 MAX世界王者ジョルジオ・ペトロシアンの実弟アルメン・ペトロシアン。佐藤とアルメンは2011年に対戦しており、この時はアルメンが判定勝利。佐藤にとってはトーナメント1回戦でリベンジマッチが組まれたことになる。

 前田プロデューサーは「アルメン選手はパワーがあってパンチとローで前に出るアグレッシブなファイターで、K−1史上初の兄弟王者の快挙を目指して参戦します」とアルメンを紹介し「佐藤選手は今までK−1 MAXをけん引してきた第一人者として様々な経験をしてきました。アルメン選手に一度敗れているので、リベンジしてほしいと思います」と期待を寄せた。

佐藤嘉洋「愛を知る県、愛知県の佐藤嘉洋です。今回、日本代表としてトーナメントに出場することになりました。対戦相手のアルメンとは2011年に戦っていて判定負けしています。ここでリベンジして、仮にサニーが上がってきたら、サニーにリべンジして、決勝で劇的な勝ち方をしたらかっこいいだろうなと思っています。そこで自分の夢を実現させたいです。年齢のこともあり、計量後の食事の量も減ってきたので、ワンデイトーナメントは最後のつもりです。ラストチャンスをつかみたいと思います」

MAXのレジェンド・佐藤は最後のトーナメントへ

 続く質疑応答では1回戦の対戦相手、そしてトーナメントを優勝する上で誰が強敵になるか?という質問が挙がった。

山崎陽一 「(グレゴリアンの)映像を見ましたが、ロスマーレン相手にも結構ガンガンパンチとローで前に出続けているので、自分と噛み合うなと思います。バチバチに打ち合って倒してやろうと思います。(強敵は?)外国人選手は全員強敵だと思います。自分は1回戦の相手を倒すことだけを考えています」

牧平圭太「Krushのタイトルを防衛して、強い海外選手とやりたいという気持ちがあったので、この試合はチャンスだと思います。トーナメントではボロボロになると思うけど、プライドと身体をかけて勝ち上がろうと思います。(強敵は?)僕以外の7人はみんな僕以上の選手です。3試合すべて挑戦という形で挑んでいきます」

中島弘貴「ダルベックは左ストレートが強いので気をつけようと思います。またダルベックはアグレッシブなので激しい試合にあると思いますが、しっかりKOで倒します。(強敵は?)8人とも全員強いので3試合勝って、できればKOで勝てたらいいなと思います」

佐藤嘉洋
「アルメンは城戸康裕にも判定勝ちしていて、世界のトップどころの力を持っています。自分もきっちり完勝、できればKOで倒したいと思っています。(強敵は?)サニーですね。2回負けているので。もしくは中島選手がサニーに勝ったら中島選手です」

 トーナメント出場日本人・4選手の中でも、最も注目されるのは、今回をラストチャンスと位置づける佐藤だろう。トーナメントのメンバーを見渡し「ものすごい曲者が集まってきたと思います。アルメンやダルベックは日本でも知られていて、サルバドールやグレゴリアンは日本では有名ではないけれど、僕の耳にも情報は入っているし、試合を見たこともあります。格闘技通の人は『おおっ!』と思うメンバーだと思います。日本人選手も他に強い選手もいまが、このメンバーでやることに関して異論はありません」とK−1王者を決めるに相応しい8選手が揃ったと語り「7月4日のトーナメントでものすごい大会にして、他の選手が全員K−1に出たいと嫉妬するような大会になるんじゃないかなと思います」とK−1の大ブレイクを誓った。

 そしてトーナメント4試合に加え、リザーブファイトとして渡部太基vs.セルゲイ・アダムチャックも決定。渡部はKrush−67kg級を主戦場とする激闘派で、アダムチャックはバダ・ハリやメルヴィン・マヌーフを輩出し、イリアス・ブライドやマサロ・グランダーをK−1に送り込む名門Mike’s Gymの新鋭。前田プロデューサーは「アダムチャック選手は“(アルトゥール・)キシェンコ2世”と呼ばれていて、頑丈でパワーがあり、連撃しながら前に出る選手です。気が強い渡部選手とは激しい打ち合いが期待されます」と激闘を予想した。

渡部太基「70kgは初めてなんでやってみないと分からないけど、しっかり勝って本戦に出られるようにリザーブファイトで勝ちたいと思います。まだ対戦相手の映像を見てないんで何とも言えないですけど、Mike’s Gymの選手なので強いと思います。自分は普段から75〜76kgあるのでいいチャンスだと思ったし、挑戦ですよね。K−1はやってみたい大舞台だし、このチャンスをものにしようと思う。身体が動けば70kgでもやりたいし、それはやってみないと分からないです。(どんな試合を見せたい?)倒し合いです。自分は必ず倒しに行くし、必ずいい試合になるので期待して欲しいです」

 トーナメントの注目選手を聞かれ、前田プロデューサーは「グレゴリアン選手とサルバドール選手ですね。この2人は日本でもファンのみなさんに届くような試合をすると思うので、期待してほしいです」とK−1初参戦となる2人の名前をピックアップ。日本人選手が勝ち残ることができるかどうかはもちろん、海外のニュースター誕生にも期待する。過去にはK−1 MAXとして数々の歴史に残る名勝負が繰り広げられてきた70kg。K−1 WORLD GPという新たな舞台ではどんなドラマが生まれるか?
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