桜花賞最有力ルージュバックに重圧なし 大竹調教師が明かす現時点でのすべて

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迫力ある走りは肉食獣のよう

中間の調整も順調そのもの、走る姿は大竹調教師いわく「肉食獣みたい」 【netkeiba.com】

 きさらぎ賞後は放牧に出て、桜花賞を目指して美浦に戻ってきたのは3月19日だった。ここまで予定通りに調整が進んでいる。3月22日に軽く坂路で時計を出し、25日に2週前追い切りをウッドチップコースで消化した。

「牧場で結構乗っていると聞いていましたし、特に時計にはこだわらずに気持ちの入り方と脚色を確かめる内容での追い切りでした。こちらが思っていた以上の動きをしてくれましたね」

 そして4月1日、1週前追い切りをウッドチップコースで併せ馬でこなした。力強いフットワークはひと際目を引くものだった。

「今週も良い動きでした。以前は高脚を使うところがあったのですが、最近は解消されて、迫力ある走りになってきました。まるで獲物を追いかけている肉食獣みたいですよね(笑)」

 牝馬は切れるというイメージが強いが、ルージュバックは力強さと切れ味の両方を兼ね備えているように思える。同馬の母ジンジャーパンチは、BCディスタフなどアメリカのGIを6勝している。「その母系がルージュバックのパワーの源になっている」と大竹は考えているようだ。そして笑顔で付け加えた。

「追い切りで併せた相手もここのところ調教で動くようになってきて、まるでルージュバック先生(笑)ですよね。ですから、僕はただいちファンとしてルージュバックを見ているような気がします(笑)」

 これまでの3戦を見る限り、桜の女王の最有力候補と言っても間違いなさそうなルージュバックにとって、今回短縮される距離が唯一の不安要素となるかもしれない。その点についても「阪神競馬場はわりと直線が長いですから」と、大竹はさほど気に留めていないようだ。

大竹師「いちファンのようにワクワクと」

まずは一冠へ、馬体もすっきりと仕上がっている 【netkeiba.com】

 あとは相手関係がどうか。同じ関東馬のココロノアイは、管理する尾関知人調教師が「王道のローテーションで臨む」桜花賞に自信を持っているようだったが、他にもフィリーズRを勝った関西のクイーンズリングや、クイーンC優勝の関東馬キャットコインなど、それぞれ別路線を歩んできた馬たちが桜花賞では有力視されている。

「昔は東西のトライアルを戦ってきた馬が、本番で激突するというパターンが多かったですよね。『西の秘密兵器』などとマスコミも記事を書いて、ファンもそのようなフレーズを目にするとワクワクして馬券を買っていました。今年の桜花賞は、別路線から来た有力馬が本番で激突するという、昔っぽい桜花賞になるのではないかと思います。ですから先ほども言ったように、僕もいちファンのような気持ちで見ています。
 開業3年目(2011年)に、フレンチカクタスで初めて桜花賞に挑んだ時は、僕自身にプレッシャーもかかっていましたし、何とかしなければという気持ちが強くて、馬にもどんどん負荷をかけていました。でもこの馬に対しては、能力さえちゃんと出せる状態であれば、相手云々に関係なく良い結果がついてくると思っていますし、『巨人の星』の星飛雄馬の姉のように陰からそっとルージュバックを見ているくらいの付き合い方をしています(笑)。あとはルージュバック先生がどのような競馬をするのか見ておきます……という感じで(笑)、不思議とプレッシャーはないんですよね」

「ワクワクしています。あとは無事にゲートに送り込めるように」と大竹調教師 【netkeiba.com】

 最後にルージュバックで挑む桜花賞に対する思いを聞いた。

「先ほども言ったように、ワクワクしています。これで勝てたら本当に嬉しいですけど、その前に皆様にワクワクして頂ける競馬を提供できればと思っています。あとは当然ですが、無事にゲートに送り込めるように……それだけですね」

 あとはルージュバックらしく、真一文字に駈け抜けてトップでゴールインできるかどうか。ココロノアイやクイーンズリング、キャットコインは、どう受けて立つのか? ワクワクが止まらない桜花賞になりそうだ。(文中敬称略)

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