松山英樹、オーガスタ攻略のカギは繊細さ
19項目中3つを満たして出場
19項目の出場資格がある中で3項目を満たし、ことし4度目のマスターズ出場となる松山。 【写真は共同】
昨年の松山は前年末時点のワールドランキング50位以内という資格での出場だったが、今年は50位以内の資格のほかに、昨年のザ・メモリアル・トーナメント優勝とザ・ツアー選手権byコカ・コーラ出場の合計3つのカテゴリーを満たしての出場だ。それだけ松山がプロとしての格を上げた証拠と言ってもいいだろう。
ローアマを獲得した初出場
マスターズ初出場となった2011年は43位でベストアマに輝いた 【写真は共同】
初めて松山がオーガスタナショナルに足を踏み入れたのはアマチュア時代の2011年だった。マスターズはアジアへの門戸開放の一環として、その前年からアジアアマチュア選手権を開催し、松山はその初代優勝者としてマスターズ出場権を獲得。晴れの初舞台に立ったのだ。2日目に松山は1オーバーとスコアを落としながらも、予選落ちギリギリの43位タイでホールアウト。この予選通過が大きかった。5人出場していたアマの中で松山ひとりが決勝ラウンド進出を果たしたため、その時点でローエストアマ(アマ最上位)が確定したのである。
日本の賞金王から主戦場を米国へ
13年はマスターズ出場を逃したものの、プロ転向し見事ルーキーながら日本の賞金王に輝いた 【写真は共同】
マスターズ出場資格がまったくなくなった13年は、唯一の望みはマスターズ委員会からの招待状だった。だが、開幕直前の3月になってもそれは届かず3年連続の出場はならないまま、4月に入って松山はプロ転向に踏み切る。そして、その年、破竹の勢いで一気に日本の賞金王に上り詰め、ワールドランキング50位以内で翌年のマスターズ出場資格を獲得した。その一方、主戦場をアメリカへ移し、3度目のマスターズこそ予選落ちだったものの、PGAツアーのシードを獲得するばかりか、ザ・メモリアル・トーナメントで初優勝も果たした。その長足の進歩は、部門別データの数字を見ても明らかだ。
昨年より向上したショットの正確性
昨シーズンよりドライバーとアイアンの精度が向上している 【写真は共同】
グリーンを狙うショットに関しては、パーオン率が61.52パーセントの79位から、70.80パーセントの8位へと躍進。アイアンの精度も、ドライバーと同様にレベルアップしていることが分かる。
パットで再三プレーオフの好機逃す
パットの数字が悪いのが今季再三プレーオフのチャンスを逃す原因となっている 【写真は共同】
1パットの確率も38.89パーセントで106位と芳しくない。ショットの精度が高いだけに、もったいないとさえ思ってしまう数字である。今季、再三プレーオフ進出のチャンスを逃してしまうシーンがあったのも、この辺りが原因だと考えられる。
日本人から唯一の出場者に期待
今季は日本人で唯一の出場となる松山。オーガスタの超高速グリーンで自分の繊細さを味方にできるか!? 【写真は共同】
オーガスタの超高速グリーンは、もちろん抜群の繊細さを要求する。ショットに関しては、屈指の精度を持つ松山が、パッティングで、いかに自分の繊細さを味方にできるのか、それが大きなカギになる。日本からの唯一の出場者だけに、大いに期待したい。
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