ハリルホジッチ「もっと向上できる」=国際親善試合 チュニジア戦後会見
初陣となったチュニジア戦を勝利で飾ったハリルホジッチ監督 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
試合後、指揮官は「スタートから勇気と意欲を見せてくれた。彼らには『ブラボー!』と言いたい」と、満足感を示した。その一方で「これからも厳しい要求は続けていく」と語り、選手たちを引き締めることも忘れなかった。
「ブラボー!」と言いたい
──アジアカップに呼ばれなかった7人がスタメンで、実績ある選手を後半に入れた狙いを教えてほしい。
すでに皆さんにお伝えしたとおり、機会を与えたかった。本田や香川(真司)や内田(篤人)のクオリティーはすでに知っている。(彼らではなく)他の選手に機会を与えたかった。(他にも)良い選手はいるし、スタメンの選手はアグレッシブさと意欲を見せてくれた。良い雰囲気と競争を作ることができた。われわれは組織的に戦うことでクオリティーを出せるし、日本代表はこのやり方で戦うべきだと思う。そうすることで、相手にとって多くの問題を起こすことができる。(チュニジアという)素晴らしいチームと対戦したが、われわれのほうが勝っていたし、(今後も)向上していくと思う。本当に今日は満足できる内容だった。次の試合だが、まだ十分知らない選手にも機会を与えたい。映像を見るだけでは満足できないので、直接見て判断したい。特に6月のワールドカップ(W杯)予選に向けて準備したいし、代表に入れる十分な資質のある選手を発見したい。
もっと長いパスを狙っていきたい
ご存じのとおり、ハイレベルのフットボールはアグレッシブさと球際(の強さ)が要求される。この3日間、3回のトレーニングをしたが、練習の中でもっともっとアグレッシブになることを強く要求してきた。まだ球際で強くない選手もいるが、このチームに求めたいのは、戦いに対してこちらから応える態度だ。クオリティーはあるが、メンタリティーや勇気がさらに高いレベルになってほしいと思う。
向上すべきところだが、たくさんある。ボールを奪った後のゲーム支配という部分では、まだ満足していない。奪ってからの最初のパスでまだまだ短いパスを使いすぎている。もっと長いパスを狙っていきたい。ただそうは言ってもスピードを求めていたため、少し速すぎたというところで、テクニックが欠けていた部分はある。また、グラウンドがスリッピーだった影響もある。(それでも)今回、選手はこちらが要求したことをかなり実践しようとしていた。それは今後もキープしてほしい。ただ、彼らには本当に素晴らしい試合をしたと言いたい。以前にも言ったが、対戦相手は(FIFAランキング)25位で、日本はまだまだ低いレベルにある。それを考えた上で、選手をもっともっと褒めてほしい。今日の勝利についてもそうだし、クオリティーについても褒めてあげてほしい。もちろん、もっと点はほしかった。バーやポストにも当たったし、宇佐美(貴史)の素晴らしいシュートも決まらなかった。それでも、美しい組織プレーが見られた。これまでのトレーニングでやってきたことが実践できたが、フィニッシュのところが足りていなかった。
──後半最初からの入れ替えはなかったが、ハーフタイムの指示は?
本田と香川が入ってゲームのクオリティーが上がった。彼らは自分たちのクオリティーを見せてくれた。(香川が)ドルトムントでいいプレーを見せたのは偶然ではない。日本代表の切り札の選手だと思う。ただし彼らには、より高いレベルまで行けると思っているので、厳しい要求をした。今夜、彼らはクオリティーのすべてを見せてくれた。彼らが(持っているものの)すべてを出してくれればゲームが変わるということを見せてくれた。彼らはテクニックだけでなく、ディシプリン(規律)、丁寧さ、勇気、ディフェンスのアグレッシブさも見せてくれた。(本当は)選手全員がこれを見せていかないといけない。