ハリルホジッチ「もっと向上できる」=国際親善試合 チュニジア戦後会見
道筋を見せることができた
「道筋を見せることができた」と満足感を示しつつ、「これからも厳しい要求は続けていく」と選手たちを引き締めることも忘れなかった 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
ディフェンス面ではミーティングで話したことも含めて、かなりトレーニングをしていた。各選手に、非常に正確なアドバイスもした。特に説明したのは、前に行きながらのプレス。下がりながらではなく、合理的なアプローチだ。これまで引きすぎていたので、リスクをとりながら守備をしようと。おそらく相手は、今日は(こちらが)危険なシチュエーションを作れなかったのではないか。(選手には)ゲームを理解することを要求した。それから各自にはゾーンの役割があり、相手のターンをするような状況を作らないように指示した。毎日毎日、そういうアドバイスをしてきた。ボールを奪うところでは全員が参加していた。ただし、奪ったあとで難しいことをしようとしていたが、たった3回のトレーニングしかしていないので。それでも、メンタルの部分で全員がモチベーション高くやってくれていたことについては、彼らを褒めたいと思う。
(何%という)具体的な数字を言うのは難しい。それでも、合理的な変化をさまざまな場面で起こせた。大きな一歩を踏み出すことができた。それは私が望んでいたことだ。もっと伸びると思うが、3日間のトレーニングで最初の試合でもあるので、もう少し時間をかけながらやっていきたい。このチームには(潜在的な)能力がある。もっと向上できるということをたくさん話してきた。今夜はチュニジアという強い相手に対して、本当に良いレベルの試合ができた。
──長谷部(誠)をキャプテンにしたことについて。それと次の試合はまったく違うメンバーにするのか?
長谷部(のキャプテン指名)はロジックだと思っている。彼はたくさんの試合を代表で経験してきた。ただし最終的に決めたキャプテンではない。キャプテンになれる資格を持った人間を任命したい。キャプテンはスタメンだろうがベンチであろうが、模範になれる人間であり、試合の中で私の右腕になってくれる人間である。キャプテンを誰にするかという決断には時間が必要だ。おそらく何人かの選手がキャプテンになれる資格があるのではないかと思っている。
次の試合ではまた新しい選手をプレーさせるつもりだが、それでも勝利は求めたい。ほぼ全員がチャンスを握れると思うが、誰が2試合目でプレーするかは決めていない。それでも今日プレーしなかった、ほとんどの選手に出番があるだろう。リスクはあるが、いろんなプレーヤーの情報がほしい。この考え方を続けて、(選手が)モチベーションをキープしながらさらなる野心と勇気を持てば、新しい日本代表が生まれるだろう。ただし、そのためには時間はかかるし、時に失望するような試合もあるかもしれない。それでも私は道筋を見せることができた。それを皆さんには受け止めてほしい。それが日本代表にとって、日本国民の皆さんにとって、いい道になると思う。私は世界で何がハイレベルであるのかを知っている。ここにいる選手たちと一緒に仕事をするのは本当にうれしい。グラウンドでも、ホテルでも、素晴らしい振る舞いをしている。彼らのことを本当に信頼している。私は彼らを背後から勇気づけていきたい。ただし彼らに対して、これからも厳しい要求は続けていく。
チュニジア代表、ジュルジュ・レーケンス監督のコメント
日本のチームと監督の本日の勝利を祝福したい。日本はクオリティーが高く、いいプレスをしてくるチームだと思った。われわれは試合の終盤に問題があった。時差が8時間ある国から来ているので、その影響が後半に出ることは分かっていた。今回、できるだけ才能あふれる選手を連れてきた。試合は負けたが、結果には満足している。チームとしての問題点が明らかになったし、レフェリーも大変良かったと思う。新しく招集した選手をテストできたのも良かった。
勝つことはできなかったが、ある意味当然の結果だ。ポゼッションの時間は日本が長かったこともあり、日本の勝利は当然だと思った。フィジカル面で不利になることは承知の上だった。明日には(次の試合のために)中国に飛ぶが、選手を入れ替えつつ、最後の30分間で選手たちがどういう試合をするか、また試していきたい。今日と違った結果を出すことができるのか、監督として日本戦と中国戦の選手のパフォーマンスの違いを観察したい。
──日本のプレーのクオリティーは前半と後半でどう違ったか?(田村修一/フリーランス)
前半は非常に動きも多くてテクニカルにも優れていたと思うが、試合はわれわれの方がコントロールできていたし、あまりチャンスも与えなかった。ただ後半になって、ベンチの選手が入ってきてからクオリティーに変化があった。こちらも控えの選手を入れ替えて試してみたが、後半に入ってからボールの動きがさらに速くなってくると、こちらは疲れから動きが悪くなった。われわれはレギュラーの選手と控えの選手を入れ替えたが、日本は上(=レギュラークラス)の選手を後半から使ってきたので、そこで大きなクオリティーの変化があった。
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