野杁正明「主役は遅れて登場するもの」 K-1王者ゲーオ戦に「やっと来たか!」

K-1実行委員会

新生K−1初参戦で65kg王者ゲーオ・フェアテックスと対戦する野杁正明 【(C)K-1実行委員会】

 4月19日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される「K−1 WORLD GP 2015〜−55kg初代王座決定トーナメント〜」のスーパーファイトでK−1 WORLD GP−65kg王者ゲーオ・フェアテックスと対戦する野杁正明。2月のKrush後楽園大会ではK−1 WORLD GP−65kg初代王座決定トーナメントのリザーブファイトで勝利したイリアス・ブライドを圧倒し、満を持しての新生K−1のリングで、いきなり王者ゲーオと激突する。

納得のいく形でK−1参戦することができた

65kgトーナメントリザーブファイトで勝利したイリアス・ブライドを圧倒し、納得行く形でK−1に参戦 【中原義史】

――いよいよ野杁選手にとって念願のK−1参戦が決まりました。新体制でスタートしたK−1の2大会を見て、どんな感想を持ちましたか?

 毎大会で違う階級のトーナメントが行われて、スーパーファイトも含めて試合自体も盛り上がっていますよね。昔のK−1を思い出すわけではないですが、すごく盛り上がっている興行だなと思いました。

――過去に野杁選手がプロとしてK−1に出場したのは1度だけですか?

 はい。2011年に行われた63kgの日本トーナメントに出た時だけです。

――ではK−1MAXが一番盛り上がっていた時代は経験していないんですね。

 ただK−1甲子園の決勝は大晦日のさいたまスーパーアリーナで、魔裟斗さんの引退試合だったので、あの時はむちゃくちゃ盛り上がっていました。

――K−1という名前がつく大会で会場も大きい。やはり試合に挑む気持ちは違いますか?

 K−1甲子園の頃はプロを経験せずに、大きな会場で試合をしたので緊張しましたが、プロになってからは会場の大きさは特別に意識していないです。

――例えば久しぶりにK−1の熱気を感じて、あのリングに立ちたいと思いましたか?

 Krushの後楽園大会とは違う良さを感じて「あのリングに自分が立ったら、どれだけお客さんが盛り上がってくれるのかな?」と思いながら大会を見てましたね。

――昨年12月のKrush仙台大会で約10カ月ぶりの復帰戦を迎えて、緒方惇選手にKO勝利。2月のKrush後楽園大会ではK−1 WORLD GP−65kg初代王座決定トーナメントのリザーブファイトで勝利したイリアス・ブライドに勝利と、順調にステップアップしてゲーオ戦を迎えたという印象があります。

 僕は誰が見ても「野杁をK−1に出せ!」と思われるような試合をして(K−1)に出たいと思っていました。だからK−1のリザーブファイトでKO勝ちしたイリアス選手にああいう勝ち方をして、納得のいく形でK−1参戦することができて、僕としてはすごくよかったなと思います。

――野杁待望論がある中でK−1に出たかったわけですね。

 はい。イリアス選手に接戦で勝って参戦するというの嫌だったので、そうじゃなくてみなさんが「早く野杁をK−1で見たい」と思ってくれるような状況で出たいと思っていました。

ゲーオには圧倒的な試合内容で勝ちたい

――しかもその最初の相手がK−1 WORLD GP−65kg初代王者のゲーオです。一番注目される状況でゲーオと戦うことになったと思います。

 ずっとゲーオ選手とやりたいと言っていて、オファーが来た時に「やっと来たか!」と思ったのが率直な感想です。

――ゲーオのことはいつか戦うと思って見ていたのですか?

 11月のトーナメントも1月のスーパーファイトも自分だったらこうするのにな、と思いながら見ていました。

――野杁選手もいろいろな世界の強豪と戦ってきましたが、なぜそこまでゲーオに惹きつけられるのでしょうか?

 やっぱり日本人無敗というのが大きいですね。そこに僕が初めてゲーオ選手に勝った日本人になれば歴史に名を残すことになると思うし、注目もされると思うので、そこが僕にとっては大きいです。

――ゲーオはK−1ルールでも圧倒的な強さを見せています。野杁選手はゲーオの強さをどう分析していますか?

 試合の運び方や距離感がすごく抜群なんだと思います。必ず自分の距離で戦うし、今まで何百戦もやって経験も豊富だと思うので、相手がこう来たらこう来るというのを頭で考えながら戦っているんでしょうね。

――そんなゲーオと野杁選手と戦ったら、どんな試合になるんだろうと想像が膨らみます。

 短期決着はないと思いますね、2Rか3RにどちらかがKOで倒れるか。最低でもダウンは取って勝ちたいです。ギリギリの判定で勝って日本人びいきだと言われるのも嫌だし、判定で勝つならダウンを取って勝つ。圧倒的な試合内容で勝ちたいです。

――1月の代々木大会でゲーオは木村“フィリップ”ミノル選手に負けていますが、ダウンのポイント差が勝敗を分けた試合でした。もっと差をつけて勝ちたいですか?

(ゲーオvs.木村は)お客さんからは「ドローでもよかったんじゃないか?」や「延長戦が見たかった」という声もあったと思うので、僕はKOで勝つか、試合が終わった時に野杁の判定勝ちだろうと思われるような内容で勝ちたいです。

――完璧にゲーオを超えたいですか?

 はい。もし判定になっても、前回のイリアス戦のようにダウンも奪って、それ以外の場面でもポイントを取られない。それでフルマークで勝つという勝ち方をしたいです。

――野杁選手にとってはここからK−1での戦いが始まることになります。今はどんなことを考えていますか?

 11月にトーナメント、1月にスーパーファイトが行われて、今K−1では65kgが一番盛り上がっている階級だと思っているので、ここまで盛り上げてくれた選手たちには“おつかれさま”という感じですね。やっぱり主役やヒーローは遅れて登場するものじゃないですか。僕が一番の主役だよって言いたいですね」

――野杁選手も目立つのは嫌いじゃないですよね(笑)?

 ……そうですね(笑)。こういう競技をやっている以上、目立ってナンボだと思っているので。

――ずばりこれからのK−1の主役は野杁正明ですか?

 もちろんです。そのためにもゲーオ選手に勝たないといけないし、ゲーオ選手に勝てばK−1の主役が誰か分かると思います。
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