無良、羽生との競演に「僕もうれしい」 NHK杯男子SPトップ3会見コメント

スポーツナビ

アボット「スケートアメリカからすべて見直した」

会心の演技で観客を魅了した2位のアボット 【坂本清】

――アボット選手、スケートアメリカからどういう変化があったのか?

アボット 筋肉をどう使うかといったことから、すべて見直しました。7月下旬から8月上旬にかけてですが、どうも自分の体の使い方が間違っているんじゃないかと思ったんです。技術面、ストロークからスピンまで変更を加えていったわけですが、スケートアメリカでは手応えは感じていたんです。でも自分のモノになっていなかった。ショートは良くできたのですが、フリーは昔のクセが戻っていたんです。そこから4週間、非常に良いトレーニングを積めたので、その成果も出て、今回の結果につながったんだと思います。

――無良選手、イリヤ・クーリック氏にジャンプを習ったと言っていたが、なぜ彼だったのか。その経緯を教えてほしい。

無良 まずいきさつとして、濱田(美栄)コーチから『ジャンプを見直しに行かないか』という話があって、僕も昨季から見直す気持ちがありました。ただ、そこで誰に頼むか迷っていたんですけど、1度習ってみたかったのがロシアの選手で、30代になってもジャンプが衰えていない選手が多い。そういう秘訣みたいなものを、今後僕も歳を重ねていく中で知っておきたいなと。

 もちろんいろいろなことがあって話が進んだんですけど、とにかく3回転というものが、いかに簡単に回れるものなんだよと認識するところから入りました。『4回転は3回転の延長なんだよ』という考え方が僕の中になかったので、そういう考え方のところからスタートして、4回転をどうやって回転させていけばいいかと。僕の中でロシアの選手というのは、ジャンプを振り回す印象があって、合うかどうか心配していたんですけど、それをうまく濱田先生がコントロールしてくれて、今の状態があるんだと思います。

村上「羽生選手は僕のアイドル」

自己ベストを大幅に更新し成長を見せたSP3位の村上 【坂本清】

――フリーでは羽生選手が追い上げてくると思うが、明日はどういう演技をする必要があると思うか?

無良 彼がこの場にいないことが想像できませんでした。ましてや、僕がセンターにいるということは想像していませんでした。でも彼がまず試合に出てくれたことが僕にとってはすごくうれしいことだったんですね。フリーでは同じ曲を滑るライバルですけど、仲間でもありますし、ずっと一緒に試合をしたいと思っていました。ショッキングなことがあった中での試合なので、身体的なことも含めていろいろあると思いますけど、本当に彼と一緒に試合をしていることが僕もうれしいです。もちろん今の順位をキープしたいですけど、彼の強い心というのはフリーでこそ生きるものですし、それに負けないように自分も最後までやり切ることが必要だと思います。

アボット 何と答えればいいのか分からないですけど、彼は真のチャンピオンであり、戦士のような人間です。明日は必ず順位を上げてくると思いますし、あれだけミスをしても2点差なので僕が抜かれるのは必然かなと思っています。ただ私は自分のために滑るので、1つ1つのエレメンツをしっかりこなして、スケートアメリカからこれだけ成長したというのを見せて、できることならこの順位をキープしたいと思っています。

村上 羽生選手は僕のアイドルなので、今回出るというのはすごい精神だと思います。明日は頑張ってほしいです。僕自身は絶対に順位は落ちると思いますし(笑)、ファイナルも懸かっていないので、シーズンベストを出してとにかく来年につなげられるように頑張りたいと思います。

2/2ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント