滑るWBC球に対応した日本の投手陣 “準備力”が導いた無安打無得点の快挙
目標は球数ではなくイニング数
第3戦、マリナーズ・カノを空振り三振に討ち取った則本−嶋のバッテリー 【写真は共同】
キャプテンの嶋がリーダーシップを発揮する理由は、単純明快だ。
「打たれたら悔しいし、ピッチャーもそうだと思います。だからどうしたら抑えられるか、キャッチャーと一緒に考えています。いい結果に結びつくために、最大限、何をできるか。そうやって常に考えてやるようにしています」
侍ジャパンにとって、今回の日米野球は「2017年WBCに向けた強化試合」という位置付けだ。鹿取義隆投手コーチによると、各ピッチャーに目標登板イニング数が設定されている。
「それぞれのピッチャーが4回1/3くらい投げて、WBCに向けての準備をしようと話しています。少ない選手は3回、多い選手は6、7回。ボールに慣れるため、球数に関係なく、イニングでアジャストしよう、と」
一矢報いたMLB打線に大谷が挑む
「メジャーのバッターはこんなものじゃないと思うけど、日本のピッチャーが上回っているのを向こうも認めざるを得ないと思う。メジャーのいい選手が来ているわけだからね」
第4戦に先発して4回4失点だった藤浪晋太郎(阪神)は、ボール自体は悪くなかったものの、攻め方を間違えたと振り返っている。
「調子自体は悪くなかったのですが、力で勝負を挑みすぎました。4イニングス目のように、最初から丁寧に低めを突くべきでした」
一方、メジャー選抜はようやく一矢報いた形だ。第3戦までは明らかな調整不足が目に付いたが、第4戦ではヤシエル・プイグ(ドジャース)、モーノー、エバン・ロンゴリア(レイズ)と初戦からスタメンで出続けている打者に当たりが出始め、セカンドのホセ・アルテューベ(アストロズ)も走攻守でいい動きを見せた。
試合後、先発したクリス・カプアーノ(ヤンキース)はチームの思いを代弁している。
「最初の3試合を落とした後で、われわれにもプライドがある。何とかここで立て直して、良いパフォーマンスを見せたいと思って試合に臨んだ」
11月18日、舞台を札幌ドームに移して行われる第5戦。状態を上げてきたメジャーリーガーたちを、大谷翔平(北海道日本ハム)が迎え撃つ。