スポーツボランティアを通じて得たもの 多様な人間関係と臨機応変な対応力
スポーツボランティアの豊富な実績を持つ荒木氏(右)と堤氏を招き、ボランティア活動を始めたきっかけや魅力を語ってもらった 【スポーツナビ】
11年に開かれたW杯ニュージーランド大会では約6000人のボランティアが参加したが、19年W杯日本大会ではそれ以上の人が必要になるとも言われている。その時を見据え、ボランティアで大会に関わりたいと思った人はどうすればよいのか、また、2人がボランティア活動を始めたきっかけや魅力は何なのか。荒木氏、堤氏がそれぞれの経験を踏まえて、見解を語った。
ボランティア歴とはじめたきっかけ
荒木氏は「東京マラソン」や「湘南国際マラソン」、先日行われた「東京セブンズ2014」に参加するなどボランティア歴は約10年。現在は会社を辞め、横浜で行われるマラソンボランティアの立ち上げに携わっている。ボランティアの研修にも参加しており、「日本スポーツボランティアネットワーク」でリーダーと、リーダーを束ねる上級リーダーの資格を取得している。
堤氏がボランティアをはじめたきっかけは、大学で入ったライフセービング部で講師の手伝いをしたこと。講師の近くで多くを学び、楽しい経験ができたことからボランティアを続けている。一方の荒木氏のきっかけはひまつぶし。市の広報誌で、近所で行われる大会のボランティア募集の記事を見つけ、選手の受付をやったことから始まった。家の近くで行われており、気軽に始められたことが大きかったという。
ボランティアの魅力とは?
また、ボランティアに必要な要素として両氏が共通して挙げたのがコミュニケーションスキルだ。団体が提供する研修で救護やAED、リーダーシップなどもあり、さまざまなスキルを身に付けることもできるが、何よりも重要なのはコミュニケーション能力。語学が必ず必要なわけではなく、全く知らない人とどうコミュニケーションをとっていくのかが必要な能力だと話した。
活動を通じて得たもの
さまざまなボランティアがある中で、特にスポーツボランティアの特徴を聞かれた荒木氏は、「分かりやすくて前向きなこと。大会という分かりやすい結果が出る場所もあるので、ボランティアをやったことがない人でも、スポーツボランティアは入りやすいのではないか」と語った。さらに、ラグビーでのボランティアを通じて感じたこととして、「ボランティアの輪を広げていけば、ファンも増えていくのではないか」と話している。
堤氏も同様にいろんな人との出会いを魅力として挙げている。さらに、「スポーツボランティアの主役は選手。それを支えるボランティアがいなければ選手も輝けないので、大会を成立させるためにはとても重要な役割を担うことができる」とも話している。