スポーツボランティアを通じて得たもの 多様な人間関係と臨機応変な対応力

スポーツナビ

日本人はホスピタリティーに溢れている

海外でもボランティアを経験している堤氏は、「日本人のホスピタリティーに溢れている」と話した 【スポーツナビ】

 休憩を挟んで行われた第2部では、第1部の講義に関する質疑応答を行い、スポーツボランティアに参加する上での心構えについて議論を深めた。

――日本と海外のスポーツ大会でボランティアの違うところは?

堤氏 日本人は日本人であるというだけですごく丁寧で、ホスピタリティーに溢れている人ばかりだと思います。時間は守るし、日本の大会はきめ細かいです。海外の大会はややいい加減なところがあります。

――これまでのボランティアの経験の中で最も感動を覚えた経験は?

荒木氏 やっぱり選手の方から「ありがとう」「力になったよ」と声を掛けていただく瞬間ですね。あとは、ボランティア仲間からの「楽しかったね」「またやりたいね」という声が出たときです。

堤氏 2年前に、ライフセービングの世界大会で審判員としてオーストラリアに行ったときです。審判が年配の方ばかりで、すごくかわいがっていただきました。ライフワークとして、楽しみにきている方々のコミュニティーに入ることができて楽しかったですね。そういった環境に受け入れてもらったことがうれしかったです。

――ボランティアに当たり外れはあるのか?

荒木氏 いろんな環境がありますが、どんなところでも自分で目標を立てて楽しみを自ら見つけることが大事だと思います。決して腐らないように、心の持ち方が大事ですね。

堤氏 始める前はさまざまな気持ちがありますが、終わってみたらいろんな発見があると思います。嫌と思うか、それでも楽しもうと思うのかは心の持ちようもあると思いますね。

求められるのは臨機応変な対応

――まったく運動しない人間でもボランティアに参加できますか?

荒木氏 できます。ボランティアには炎天下の中でやる活動もありますが、着席での活動もたくさんあります。ハードなことはやらないで、自分でできそうなものを選んでやられたらいいと思います。

堤氏 例えば、ライフセービングでもさまざまな役割があります。ごみを拾うだけでも立派なライフセービングです。だれでも参加できると思います。

――よきボランティアになるためにするべきこと、するべきではないことは?

堤氏 心掛けるべきことは臨機応変に対応できることだと思います。人間としてやられて嫌なことはみんな一緒なのでそれはやらないことが大事ですね。

荒木氏 柔軟な態度で周りを見ることです。マニュアルに書いてあることは基本なので、何をするべきなのかを考える。それを1人でやってもいいし、チームでやってもいい。そういうことを考えながらやることが大事だと思います。単純な仕事だけやってもつまらないし、自由度があるのでいろんなことができるのがボランティアです。

――ボランティアに必要なスキルや資格は?

荒木氏 募集条件により異なりますが、基本的には、前向きに、やる気があれば活動できるものが大半です。国際大会では、語学を求められることもありますが、すべての人に必要な能力ではありません。ボランティアに関する基本的な学びは、日本スポーツボランティアネットワークが講習会を開催しています。

あなたにとってラグビーとは?

セブンズのボランティアを経験した荒木氏は、「来年も、なんらかの形で関わりたい」と話している 【スポーツナビ】

堤氏 2019年にはボランティアでなにかをやりたいなと狙っています。それまでになにか1つでも携わっておきたいと思いますね。

荒木氏 今年、セブンズのボランティアをやって面白いと思いました。来年も、セブンズの大会があるので、なんらかの形で関わりたいと思います。私にとってラグビーとは「セブンズ」ですね。

協力:(公財)日本ラグビーフットボール協会

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