三浦隆司、ロマゴン、亀田和毅ら防衛戦=11月のボクシング興行見どころ
世界戦3試合で7度のダウンを奪った強打
昨年大晦日以来の試合となるWBC世界スーパーフェザー級王者の三浦隆司が3度目の防衛戦に臨む 【花田裕次郎】
試合間隔が1年近く空くことになったが、ケガなどが理由ではない。この間に米国ラスベガスのリングに上がる話も浮上したが、結果的に流れてしまうなど、試合がまとまらなかった。ただ、もともと昨年は激戦が続き、ハルドン戦後の会見で浜田剛史・帝拳ジム代表が「丸2カ月はゆっくり休ませる」と話していたくらいだったから、三浦のダメージを抜く絶好の休養期間になったと、このブランクを前向きに捉えたい。メンタル面でも、試合に対する“飢え”がたまっている分、世界戦3試合で計7度ものダウンを奪った強打のサウスポーの爆発に期待が持てそうだ。
三浦の相手は左ボディがうまいメキシカン
ディフェンス面を進化させ、“ボンバーレフト”の異名を取る強打のサウスポーを炸裂させられるか!? 【花田裕次郎】
そこで、今回の三浦に期待したいのがディフェンスの向上だ。先日、WBC世界バンタム級王者・山中慎介(帝拳)の公開練習と同時間帯に行なわれた元2階級制覇王者のホルヘ・リナレス(帝拳)とのスパーリングでは、ヘッドムーブとサイドステップを繰り返し、たくみに接近戦を戦う三浦の姿があった。この成果を本番でも発揮できれば、被弾を減らすのはもちろん、相手のタイミングを外すことで、よりKOのチャンスも広がるはず。強打の魅力はそのままに進化した三浦を見てみたい。
ロマゴンが日本人キラー相手に防衛戦
八重樫との激闘の記憶が新しいWBC世界フライ級王者ローマン・ゴンサレスは初防衛戦で“日本人キラー”ロッキー・フエンテスと対戦 【中原義史】
今年1月には、後に井岡一翔(井岡)の挑戦を退けるアムナット・ルエンロエン(タイ)とIBF世界フライ級王座決定戦を戦ったが判定負け。代役出場で準備期間が短い中での初挑戦に続き、2度目の世界挑戦となる。八重樫戦の前には、ロマゴンのスパーリング相手を務めていた。漏れ伝わってくる力関係からも、ロマゴン圧倒的優位の下馬評は致し方ない。ただし、フエンテスは根っからの実戦派。軽量級最強と呼ばれる絶対王者に対しても、臆するところはないだろう。