世界的スター選手はなぜ日本を選ぶのか 彼らが語る日本ラグビーの魅力
日本代表・田中「レベルが上がっている」
トップリーグ開幕戦でベイツ(中央下)のトライをサポートするカフイ 【斉藤健仁】
スーパーラグビーを2シーズン経験した日本代表SH田中史朗(パナソニック)も「トップリーグの全体としては外国人選手の影響でフィジカルが強くなっているし、レベルが上がっている。ブラウニー(元NZ代表トニー・ブラウン)、バーンズはラグビーを教えてくれた2人です」と、ほぼ日和佐と同じ意見だ。NZ育ちの日本代表SO小野晃征(サントリー)は「トップの外国人選手を1人獲得したら、他は仕事人タイプなど各チームのスタイルに合った選手をリクルートし始めている」と感じている。
リーグの価値をさらに高めるために
コカ・コーラでプレーする元豪州代表のニック・カミンズ(右)とNZ出身のティム・ベイトマン 【斉藤健仁】
ただ、トップリーグの外国人枠の減少や7人制ラグビーがオリンピック競技になったことなどの影響もあり、日本に帰化する外国人選手が増えている。帰化選手も含めた日本人選手だけでの「サラリーキャップ制度」などの導入も必要ではないかという声も聞こえてくる(日本の高校と大学を卒業している選手は、2年ほどトップリーグでプレーすれば国籍を変えずとも日本人同等の扱いでも良いのかもしれないが……)。
いずれにせよ、「外国人選手が多すぎると日本人が育たないし、少なすぎると強化につながっていかない。そのバランスが大事」と田中が言うように、今後もトップリーグでは外国人選手や外国人指導者の力を借りながらも、日本のラグビーの強化を進めていかなければならない。そして、日本人選手の奮起に期待しつつ、世界クラスの日本代表選手を多く輩出してこそ、世界におけるトップリーグの価値、意義がより一層高まっていくはずだ。