若き天才が教えてくれた“登山” デビッド・ラマに志願弟子入り
登山は自分が誰であるか、個性を表現するもの
「重心の置き方・加重の配分が大事」と語るデビッド先生 【スポーツナビDo】
「映画の最後で挑むヘッドウォールと呼ばれる部分は、岩自体がとても柔らかくもろいので、体重の掛け方の配分を間違えると、途端に岩が剥がれてしまうんです。そうすると岩が崩れて命綱を切ったり、自分に岩が降ってくる可能性があります。もしこのようなジムで足を折ったら、すぐに搬送される訳ですが、セロトーレで足を折ったら、生きて帰れるか分からない。全ての選択における結果が、地上にいる時より深刻なものになってきます。それは“リスク”と言い換えることもできますが、そうしたリスクがあるからこそ、選択眼が磨かれていくのかなとも思います」
登山におけるスタイルとは、自分の個性を表現するものである 【スポーツナビDo】
「セロトーレを登頂しようとした3年で学んだことはとても大きかった。極限というべき状況でさまざまなことを経験し、そこで経験したことは人生に応用できることもたくさんありました。山を登る時、どういう形で登るのか。たとえば、ロープを短くすればその分軽量になりますが、そうすると命綱も短くなり、リスクの部分が変わってきます。だから、山を登るスタイルというのはそのままクライミングというものに対する自分の責任であったり、自分自身というものすべてを表現しているとも言える。
自分は3年間、こういう経験をしたおかげで、自分が何ができ、どんなスタイルで登りたいのかハッキリ見えるようになりました。登山におけるスタイルというのは、自分が誰であるか、自分の個性を表現するものであると考えていて、だからこそ登山におけるスタイルというものが重要なんです」
「悩みながら、それでも決してブレずに前へ」
デビッド・ラマの前人未到の挑戦、ぜひ大きなスクリーンで見てほしい 【スポーツナビDo】
「自分がセロトーレという山から学んだことは、自分なりのスタイルを人生においても見つけていくということ。そしてそれを見つけたら、そのスタイルへ誠実、忠実、正直に生きていくこと。自分はセロトーレに“このラインで登ろう”と最初にビジョンを持って臨み、いろんな障害や困難がありましたが、悩みながら、それでも決してブレずに前へ進みました。そして結果として、自分だけにしか見えていなかったラインが、今は誰にも見えるラインとして描くことができました」
前人未到の挑戦へ向かう大きな精神は、それに見合う大きなスクリーンで目撃すべし。
デビッド・ラマ
<主な記録>
最年少世界チャンピオン(15歳)
2008年 年間総合優勝
世界選手権8大会優勝
2012年 セロトーレ:フリークライミングで初登頂
『クライマー パタゴニアの彼方へ』
出演:デビッド・ラマ、ペーター・オルトナー、トーニ・ポーンホルツァー、ジム・ブリッドウェル
【概要】
そこには、まだ見ぬ世界があるから。
雄大なパタゴニアの自然を背景に、クライミング界の“若き天才”デビッド・ラマ(2008年ワールドカップ総合優勝)が、世界一登頂が困難とされる“セロ・トーレ”の悪名高き南東稜に挑む。この花崗岩の尖塔をフリークライミングで登頂した者は、未だかつて存在しない。
3年に渡って撮影されたデビッドの挑戦の道のり、葛藤と挫折、そして辿り着く一人のアルピニストとしての境地、自らの限界に挑む者だけが垣間みる世界とは――ヘリ撮影された息を飲むようなパタゴニアの絶景、有り得ない程の過酷な登攀ルートに挑む登頂のドラマを、圧倒的な臨場感とスケール感で描き、映画ファンのみならず、年々増え続ける登山ファンも、自らも山頂に立つかのような爽快感溢れる感動に包まれる至極のドキュメンタリーが、いよいよ日本上陸!
8月30日より新宿ピカデリー他全国ロードショー!
(C)2013 Red Bull Media House GmbH
デビッド・ラマ webisode1〜5
(2)クライミングスタイル
(3)パタゴニア
(4)フィルミング
(5)エルチャルテン(セロトーレふもとの村)
取材協力:B−PUMP TOKYO 秋葉原店
03-6206-9189
http://pump-climbing.com/gym/akiba/