【IGF】石井慧が大流血…ミルコがIGF新王者に=小川直也とレバンナは意外な好連携!?

佐瀬順一

石井のテイクダウンをしのいで鋭角なヒジ

1Rにはミルコからテイクダウンを取った石井だが、ミルコの下からのヒジに額から流血 【中原義史】

 イノキ・ゲノム・フェデレーションが23日、東京・両国国技館で開催した「INOKI GENOME FIGHT 2」。今年の4月からスタートしたMMA中心の新ブランド「INOKI GENOME FIGHT」だが、2回目となる今大会には7035人もの観客が詰めかけた。

 メインイベントではエースの石井慧が念願だったミルコ・クロコップと対戦。この一戦に石井は昨年の大みそかに藤田和之を撃破して奪取したIGFチャンピオンシップをかけることになった。1年8カ月ぶりの来日となったミルコは石井を高く評価しているが、「全部研究してきた」と王座奪取には自信満々。

 開始早々、ミルコの鋭いローキックをキャッチしてテイクダウンを奪った石井。観客の期待も一気に高まったが、いまやグラウンドでのディフェンス技術にも自信を持っているミルコは、石井に上になられた状態でも慌てることなく冷静に防御。逆になかなか有効打が打てない石井の額にヒジを鋭角に叩き込んでいく。

IGF王者ミルコ、大晦日の猪木祭り参戦へ

石井からIGF王座を奪取したミルコは大晦日の猪木祭り参戦を表明。猪木とともに「1、2、3、ダァー」で今イベントを締めた 【中原義史】

 これで石井の額がパックリと割れて大流血。何度も試合が中断してドクターチェックが入ったが、石井は心折れることなくミルコに向かっていく。ミルコにとって伝家の宝刀である左ハイキックもかわしてみせた石井だったが、2R2分37秒、レフェリーがまたも試合を中断すると、ついにドクターがストップして試合終了。

 K−1、PRIDEに続きIGFの頂点にも立ってみせたミルコは、「日本の皆さん、僕のことを支えてくれて本当に感謝しています。私は本当に日本が大好きです。日本で英雄のような選手とたくさん戦いました。すべてのチャンスをくれたのはあなたたちです。感謝しています」と日本のファンへの感謝の言葉を述べた。そして第4代IGFチャンピオンとなったミルコは、早速大晦日の猪木祭りへ参戦を表明した。

鈴川、ミノワマンから大金星

鈴川はアクシデントがあったとはいえ、ミノワマンからMMA初白星となる大金星をあげた 【中原義史】

 鈴川真一は“超人”ミノワマンと対戦。MMAでの実績ではミノワマンと大差がある鈴川だが、澤田敦士を筆頭に橋本大地や将軍岡本らIGFファイターがズラリとセコンドについて後押しする。その背中に書かれている通り、闘魂を背負った鈴川は終始ミノワマンにプレッシャーをかけていくが、この試合のテーマを「100%の一歩」と語っていたミノワマンは、鈴川が飛び込んできたところにまさしく100%の力で一歩踏み込んだカウンターを当てようと狙っている様子。

 ジリジリと距離を詰めてくる鈴川に対して、ローキックを入れながらチャンスを伺っていたミノワマンだったが、2R開始直後にローキックを出したところ、鈴川の偶然ヒザに当たったのか右足を痛めてしまい座り込んでしまう。完全に動けなくなっているミノワマンを見たセコンド陣がタオルを投入。

 相撲時代から鍛え上げた足腰がまさしく武器となり、大金星をあげた鈴川。一方、右足を骨折した模様のミノワマンは担架で運ばれていくほどの大ダメージとなってしまった。

小川「ジェロム、お前出来るじゃねぇかよ」

意外な好連携を見せた小川とレバンナの勝利の雄たけびを見つめる藤田(手前) 【中原義史】

 小川直也と藤田和之はGENOMEルールによるスペシャルタッグマッチで激突。小川は初代IGFチャンピオンのジェロム・レ・バンナと組み、藤田はクラッシャー川口とタッグを組んだ。

 試合前、バンナとのタッグについて「噛み合わない、まとまらない。試合にならないかもしれない」と語っていた小川だが、いざ試合が始まると川口を捉え、スムーズなタッチワークで代わる代わる攻撃。藤田はなかなかリングに入れず苛立っていく。ついに小川の足4の字固めに捕まった川口の救出に入った藤田は、川口に張り手を見舞って喝を入れる。

 さらに小川が川口を羽交い締めにしたところにバンナがハイキックを放っていくと、川口がかわして小川に誤爆。ようやくタッチを受けた藤田が一気呵成に反撃。そして小川にパワーボムを狙っていくが、背後からバンナが蹴りでカット。すかさず小川が藤田にSTOを決めると、またも小川が川口を羽交い締め。そこにバンナが前蹴りを叩き込むと、続けて小川がSTOボンバーで叩き付けて川口から3カウントを奪った。

 意外な好連携で藤田組を撃破した小川は「ジェロム、お前出来るじゃねぇかよ、意外と。途中(誤爆が)一発あったけど、それは流すよ」と上機嫌。バンナも「アリガトウゴザイマシター」と日本語で叫び、小川とのタッグにご満悦の様子だった。

猪木劇場では包丁と訪朝!?

猪木劇場では包丁と訪朝をかけたパフォーマンスで7000人超の観客をわかせた 【中原義史】

 なお、休憩明けにリングに上がったアントニオ猪木は、来週に迫った北朝鮮での『インターナショナル・プロレスリング・フェスティバルin平壌』に向けて、何と紙袋から包丁を取り出してから「誰が料理がしっかり出来る奴はいるか?って聞かれたんで、包丁(訪朝)さばきがうまければこの道を歩んでいけよ」と、包丁と訪朝をかけたジョークを披露。

 さらにリング上から自著をバラ撒く大盤振る舞いをしてみせると、「世の中で話題にならなかったら終わりになっていまします。どんな状況の中でも元気で笑いながら生きようよ」と言ってから「1、2、3、ダー!」を披露した。
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