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王者パナソニックは「先へ先へ進む」
世界的名将・ディーンズ氏が語る

スーパーラグビー優勝5回の世界的名将

パナソニックの新監督に就任したディーンズ氏。国際舞台でトップレベルの成績を残してきた
パナソニックの新監督に就任したディーンズ氏。国際舞台でトップレベルの成績を残してきた【斉藤健仁】

 今シーズン、日本代表のエディー・ジョーンズHCに比肩する、ラグビー界の世界的名将、ロビー・ディーンズがトップリーグのパナソニック ワイルドナイツの監督に就任した。ディーンズ監督は選手としてニュージーランド(NZ)代表を経験し、指導者としてはNZのクルセイダーズでスーパーラグビー優勝5回、2011年のワールドカップではNZ人として初めてオーストラリア代表を率い、3位に導いた指揮官だ。



――どういった経緯で今シーズンからパナソニックの監督に就任したのですか?


 2005年、クルセイダーズ時代から、このチームに関わってきて、昨シーズンもオーストラリア代表の指揮を終えて時間があったので、アドバイザーとして手伝わせてもらいました。そして「フルタイムで仕事をしないか」というオファーをもらったとき、決断は簡単でした。10年近く、このチームに携わってきているので、選手やスタッフのこともよく知っていたし、一緒に仕事ができればと思いました。


――実際、昨シーズンは2冠のチームにどういう関わり方をしていましたか? フォワードとバックスの選手が一体となって幅広くボールを動かす攻撃の戦術と、ディフェンスでのターンオーバーが機能していました。


 フィル・ムーニー、水間(良武)、堺田(純)、トニー・ブラウンなど良いコーチがたくさんいるので、みんなの考えを一つにまとめて、それで良い結果を残すことができました。ただ、機能していた戦術は、相手チームがわれわれのことを分析、対応してくるから一時的なものだと思います。今シーズンは、私たちがどうやっていくかを考えるシーズンになると思います。

戦術は「チーム全体として理解しなければならない」

戦術の中心として活躍したベリック・バーンズ。昨季のトップリーグMVPに輝いた
戦術の中心として活躍したベリック・バーンズ。昨季のトップリーグMVPに輝いた【斉藤健仁】

――中でもハーフ団がボールをうまく動かしていました。


 戦術の中心が誰だったと言えば、SO(スタンドオフ)のベリック・バーンズ(元オーストラリア代表)です。またそれをコントロールするSH(スクラムハーフ)の田中史朗(日本代表)もしかりです。ただし、戦術については選手がグラウンドでやることで、誰か一人が分かっていればできることではなく、チーム全体として理解しなければならない。コーチ陣はチームを一つにまとめることが大事です。


――おっしゃるとおり、トップリーグのMVPに輝いたバーンズの存在が大きかったです。バーンズがいたからこそ用いた戦術なのか、戦術を遂行するためにバーンズを獲得したのでしょうか?


 両方です。人があって方法があり、方法があって人がある。両方がうまくかみ合わなければなりません。建物を建てるときと一緒で、ベース(土台)が必要ですし、選手たちが何かをやろうとした時にそれに対して信頼感がなければ、おそらく何をやってもうまくいかない。そういった意味で、バーンズがいたことでチームに信頼感を持たせることができました。

「ラグビーのゲームは常に進化している」

――実際、同じ戦術をブラウンがバックスコーチを務めたハイランダーズや、監督が昨年まで率いていたオーストラリア代表が多く在籍するワラタスが用いて、そのワラタスはスーパーラグビーで初優勝しました。


 ラグビーのゲーム自体というものは常に進化しているので、その状況によって、必要なものは変わってくるし、どんなに良いアイデアでも、チームの状況や選手に合ったものでないといけません。だからチーム、選手に合った戦術を正確にやっていくことが大切です。そういった意味で、どうニーズに合わせられるか、また良いアイデアをどういうふうに選手に伝えるか、ということが必要です。


 パナソニックについて言えば、HO(フッカー)の堀江翔太主将や田中らに、海外でプレーをする機会を与えることができているのが特徴的です。また昨シーズンからバーンズやCTB(センター)のJP・ピーターセン(南アフリカ代表)、今シーズンはFL(フランカー)のジョージ・ホワイトロック(元NZ代表)が加入し、彼らが戦術を理解し、他の選手に発言していくことは、コーチ陣の助けにもなります。


――昨シーズンのパナソニックは、ディーンズ監督が合宿で指導したという11月のリーグ中断以降に調子が上がり、それ以降は全勝で走りきりました。


 見てそう思われたならそうでしょう。チームとして成長するためには、ある程度時間が必要です。今までやってきたこと以上にスキルが必要でしたし、新しいものをやるためには、自信をつけさせる必要があります。それを経て、初めて上手に使いこなせる。勝つという成功体験を積み重ねたことで、チームとしてのモメンタム(勢い)が増しました。

斉藤健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーとサッカーを中心に執筆。エディー・ジャパンのテストマッチ全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」、「高校生スポーツ」の記者も務める。 学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「世界最強のゴールキーパー論」(出版芸術社)、「ラグビー「観戦力」が高まる」(東邦出版)、「田中史朗と堀江翔太が日本代表に欠かせない本当の理由」(ガイドワークス)、「ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版)、「エディー・ジョーンズ4年間の軌跡―」(ベースボール・マガジン社)など著書多数。最新刊は「高校ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版/2017年11月刊)。

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