アギーレ「基本システムは4−3−3」=日本代表新監督就任会見全文

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就任会見に出席したハビエル・アギーレ新監督 【スポーツナビ】

 日本サッカー協会は11日、都内で日本代表新監督に就任したハビエル・アギーレ氏の来日記者会見を行った。

 新たに日本代表を指揮するアギーレ監督は、「(代表監督に就任し)名誉に思っている」と第一声を発した。そして、「素晴らしい国で、素晴らしい選手が多い国で代表監督をやれることをうれしく思っている」と感謝の意を表しながら、「ワールドカップ(W杯)ロシア大会にはぜひ出場したい」と早くも4年後のW杯を見すえていることを強調した。

 また、「ユース世代の選手の育成に関心を持っている。五輪世代にも目を配りながら、代表監督の責任を果たしたい」と若手育成にも主眼を置いていることを語った。

日本には素晴らしい選手がそろっている

登壇者:
ハビエル・アギーレ(サッカー日本代表 監督)
大仁邦彌(日本サッカー協会 会長)
原博実(日本サッカー協会 専務理事兼技術委員長)

大仁会長 本日は大変暑い中、日本代表の新しい監督の就任会見にお越しいただき誠にありがとうございます。W杯・ブラジル大会で日本代表はグループリーグ敗退となりましたが、その経験・反省をもとにアジア、世界で勝つために全力で取り組んでいかなければいけないと考えております。皆様にご紹介させていただきますハビエル・アギーレ氏は経験・実績ともに最適であると確信しております。9月5日には監督の初戦となるウルグアイ戦、9日には同じく南米のベネズエラとの対戦も決まっています。皆様にもぜひ新しい日本代表に注目してもらいたいと思います。

 また来年1月には日本代表の連覇が懸かっているアジアカップも開催されます。アギーレ監督率いるサムライブルーがJリーグや日本のユース世代に大きな刺激を与え、日本を活性化する役割を果たしてほしいと願っています。4年後のW杯・ロシア大会を目指して、これからアギーレ監督とともにさらなる高みを目指して励んでいきたいと思っております。

原委員長 今日、ハビエル・アギーレ監督をこうして迎えることができてうれしく思っています。W杯のあとに、技術委員会としても今後どうするか検討した中で、彼と交渉して、数多いオファーの中から日本を選んでくれたことを感謝していますし、彼の経験を生かして日本のサッカーをさらに強くしてくれることを信じています。あとでいろいろな話が出てくると思いますが、W杯後に彼のことを初めて知ったわけではありません。4年前も彼と会っていろいろな話をしていますし、その間もいろいろな機会をうまく使って、彼の指揮している試合やチームを見てきました。そういう中で、W杯のあとに正式にオファーを出して、彼といろいろな話をし、今日の日を迎えることができてうれしく思っています。ここから彼をうまくサポートしていければと思っています。

アギーレ監督 コンニチハ。最初に日本サッカー協会の大仁会長、原専務理事にお礼を申し上げたいと思う。今回、こうして代表チームの監督に選んでくれて名誉に思っている。先ほどもあったが、W杯・南アフリカ大会が終わったあとにも一度声をかけてくれた。ただそのときは個人的な事情で受けることができなかった。たとえば家族の都合などだ。当時は私の子供がスペインの大学で勉強していたため、そのときは日本に来ることができなかった。しかしそのあとも日本サッカー協会とは連絡を取っていた。そしてその結果、W杯・ブラジル大会が終わったあとに、日本サッカー協会から再度アプローチがあり、合意に至った。素晴らしい国で、素晴らしい選手が多い国で代表監督をやれることを私はとてもうれしく思っている。2018年のW杯・ロシア大会にはぜひ出場したいと思う。

 またそれと同時に私はユース世代の育成にも興味を持っている。たとえば五輪代表などだ。そういったところにも目を配りながら代表監督の責任を果たしていきたい。来月の5日にウルグアイ戦も迫っている。チーム全体で練習する時間は足りないが、やる気はいっぱいだ。できる限り頑張って試合をしたいと思う。

世界のトップレベルとの違いはタイトルの有無

――監督が代表チームを作っていくうえで、選手選考はどういう点を重視しているのか? また言葉の面もあり、コミュニケーションが大変だと思うが、その点はどうか?

アギーレ監督 最初の質問だが、とにかく将来性のある選手を呼びたい。代表チームに入ることに意欲的な選手、国を背負って戦う気持ちのある選手、個人のプレーではなくチームとしてプレーできる選手、試合に貢献できる選手を選びたいと思う。

 2つ目の質問だが、言葉ができないことは障害にならないと思う。というのもわれわれのようなサッカーをする人間は、ボールが共通語だと認識している。だから言葉が話せなくてもそんなに問題はない。通訳の力を借りることもできる。

――世界のトップの国と日本代表はどれだけの差があるのか? その差は何なのか? そしてその差を埋めることができるのか?

アギーレ監督 トップの国というのはおそらく4カ国か5カ国だ。たとえばドイツ、ブラジル、イングランド、スペイン、イタリアなどがそれにあたると思う。この4、5カ国がどう違うのかということに関しては、世界レベルのタイトルを取ったことがあるかどうかだ。技術的には素晴らしいが、オランダはそうしたタイトルは取っていない。日本もおそらく同じだと思う。素晴らしい選手がそろっているからその4、5カ国がすごいということは全然ないと思う。世界のトップレベルと日本の違いは、タイトルがあるかないか、それだけだと思っている。

――なぜ日本はW杯で勝てなかったのか?

アギーレ監督 日本代表の試合はもちろん見た。W杯のとき、メキシコのテレビ局の仕事で、ブラジルに行っていたので、日本のプレーも観戦していた。そのときに何が足りなかっただが、私は過去についてコメントするのは好きじゃない。前監督の内容に私がコメントしたことで誤解を招くのは嫌だからだ。そういう意味でコメントは控えたい。ただ、私が作りたいチームは切磋琢磨(せっさたくま)するチームだ。相手がどこであろうと全力で戦う、競い合うチームを作りたいと思う。

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