夏の甲子園、開幕戦から注目カード続々、90周年の聖地で見逃せない試合は?

松倉雄太

開幕戦で登場する春の王者・龍谷大平安。原田監督は開会式直後の試合決定に苦笑いを見せた 【写真は共同】

 第96回全国高校野球選手権大会(8月9日〜/阪神甲子園球場)の組み合わせ抽選会が6日に行われ、各校初戦の対戦相手が決定した。豪腕・安楽智大を擁する済美高(愛媛)、昨夏の覇者・前橋育英高(群馬)、名門・横浜高(神奈川)、智弁和歌山高(和歌山)など有力校が続々予選で涙をのんだ今年の夏。
 しかし、勝ち残った49校による甲子園初戦の組み合わせは、好ゲーム連発を予感させるものとなった。

二刀流・松本に東海大相模は誰をぶつける?

最速150キロの投球はもちろん、高校通算54HRと打棒でも注目を集める盛岡大付・松本に東海大相模投手陣はどのように立ち向かう? 【写真は共同】

 抽選会場がどっと沸いたのが、大会6日目第3試合に決まった東海大相模(神奈川)vs.盛岡大付(岩手)の試合。MAX150キロ、高校通算54本塁打の二刀流として注目される盛岡大付の松本裕樹は神奈川県出身。地元のチームと対戦することになる。

 一方の東海大相模は、青島凌也、佐藤雄偉知、吉田凌、小笠原慎之介と140キロを超える投手4枚をそろえる。中でも2年生の吉田は、神奈川大会決勝で、大会記録となる20個の三振を奪った。それでも9回2死から投手交代を決断した門馬敬治監督が、盛岡大付相手に誰を起用するかが、この試合でのポイントとなりそうだ。

 大会5日目第1試合で対戦する明徳義塾(高知)vs.智弁学園(奈良)も楽しみな試合。明徳義塾のエース・岸潤一郎は、高知大会4試合を1人で投げ切った。甲子園は春夏通算4回目と経験豊富な右腕が、智弁学園のスラッガー・岡本和真にどう対するか。

開幕戦に臨むセンバツ王者、監督は思わず苦笑

 大会3日目第1試合は、スライダーが武器の岩国(山口)のエース・柳川健大に、群馬大会6試合で35盗塁を記録した健大高崎の機動力がどうかき回すか。高校通算57本塁打、群馬大会で打率5割、11盗塁の3番打者・脇本直人は、今大会注目の好打者だ。

 そして開幕戦には、センバツ優勝校の龍谷大平安(京都)が登場し、春日部共栄(埼玉)と対戦する。抽選会後の龍谷大平安・原田英彦監督は、「プラスに考えるしかないですね」と苦笑い。それでも、「ウオーミングアップをして、その後に開会式」と体のケアが大事になるとの見解を示した。開会式では、大会役員のあいさつなどの途中で給水ができないため、熱中症など心配ごとも多い。両チームとも、開会式後の動き、試合への入り方が重要になってくると言えるだろう。

 今年も各チームの2戦目以降はその都度抽選が行われる。甲子園誕生90周年の節目の年、夏のチャンピオンとなるのはどのチームか?
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著者プロフィール

 1980年12月5日生まれ。小学校時代はリトルリーグでプレーしていたが、中学時代からは野球観戦に没頭。極端な言い方をすれば、野球を観戦するためならば、どこへでも行ってしまう。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『ホームラン』などに寄稿している。また、2005年からはABCテレビ『速報甲子園への道』のリサーチャーとしても活動中。

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