東北楽天：山村宏樹

　けがの松田宣浩（福岡ソフトバンク）に代わって銀次が補充されて、東北楽天からは計５選手がオールスターに参加します。個人的には福山博之が選ばれたのがうれしいですね。戦力外になってもそこからはい上がっての選出ですし、「頑張っていれば良いことがある」ということを証明できたんじゃないかなと思います。思い切ったピッチングをしてほしいですね。

　そして藤田一也ですね。今、藤田のセカンド守備は１２球団ナンバーワンでしょう。ポジショニングからグラブさばき、そして送球と、すべてにおいて１番だと思います。守備を見るだけでもお金を払う価値のある選手なので、オールスターでも“魅せる守備”に期待したいです。今季はバッティングの調子も良いですし、ＭＶＰもあると思いますよ。あとはやっぱり、今年は大谷翔平（日本ハム）でしょうね。一体、何キロを出すのか。甲子園で、オール真っすぐで、自己最速を出すような気がします。

埼玉西武：石井貴

　埼玉西武からは３人が選ばれました。開幕から孤軍奮闘でチームを引っ張ってきた岸孝之は完全に調子を落としてしまっていますが、このオールスターではセ・リーグの打者相手にシーズン序盤の空振りが取れるキレのあるストレートを見せてほしい。打者陣は大阪桐蔭高コンビが出場します。中村剛也には、彼らしい滞空時間の長い本塁打を１本は打ってもらいたい。浅村栄斗は左ひざ痛から復帰したばかりではありますが、大舞台でも初球からガンガン振っていく姿勢を見せてもらいたい。とにかく、この２人のスイングは見る価値があります。

　期待したいのは、大阪桐蔭高の先輩・後輩対決ですね。阪神の藤浪晋太郎投手と中村の力勝負は必見ですよ。ここはかわしてほしくないところ。藤浪には力のこもったこん身の真っすぐを投げてもらって、それを中村がフルスイングで打ち返してもらいたい。真っ向勝負の中で、先輩の威厳というものを見せてほしいですね。

千葉ロッテ：薮田安彦

　今年のオールスターに、千葉ロッテからはプロ３年目の鈴木大地選手が出場します。２年連続２回目の出場となりますが、今季はマリーンズのキャプテンという立場も背負っての出場にもなります。ロッテの歴代キャプテンは、シーズンでなかなか結果を出せずに苦しい思いをする選手も少なくなかったのですが、鈴木はしっかりと結果を残して、こうしてオールスターにも選出されるあたり、立派だなと感じています。

　彼の持ち味は、堅実で安定感のある守備、そして勝負強いバッティングです。プレーに派手さはないですが、ここ一番では長打も期待できますし、チャンスで鈴木に打席が回ってきたらぜひとも期待して見てもらいたいと思います。巨人の菅野智之選手とは同学年ですし、大学日本代表ではともに戦ったチームメイトだったという過去もあるので、もし機会があればこの２人の対決にも要注目ですね。

福岡ソフトバンク：香川伸行

　福岡ソフトバンクからは６選手が選ばれました。五十嵐亮太はセ・リーグの強打者相手に思い切りストレートを投げ込んでほしい。サファテもストレートで強気の勝負をしてもらいたいですが、状況によっては勝負に徹して変化球も織り交ぜながらしっかりと抑えてほしいですね。そして李大浩の一発、長谷川のバットコントロールに注目ですね。

　彼ら以上に注目したいのが、柳田悠岐と今宮健太の２人です。柳田はフルスイング。逆方向にも大きな当たりを飛ばせますので、オールスターの舞台で自分の力をアピールしてほしい。ファン投票、選手間投票のダブルで選出された今宮は、つなぎのバッティングだけでなく、チャンスメイクやここ一番での勝負強さもあります。そしてショートの守備も魅力です。グラブさばきはもちろん、深い位置からの送球には特に注目してほしい。柳田が２５歳、今宮が２３歳になったばかり。この若い２人の活躍に期待したい。

オリックス：吉井理人

　オリックスからはパ・リーグ最多となる７名の選手がオールスターに出場します。その中でも注目してほしい選手は、やはり金子千尋選手です。昨年までも素晴らしい投球をしていたエース右腕ですが、どうしてもヤンキースに移籍した田中将大選手の陰に隠れがちでした。ですが、交流戦を含めて今季のここまでのピッチングを見ても分かるように、ボールの質、制球力は現在、間違いなく１２球団ナンバーワンだと思います。

　金子選手は多彩な球種を持っていますし、そのどれもが勝負球として使えるくらいクオリティーが高いのが大きな魅力です。オールスターでは直球勝負をするのか、それとも多彩な変化球を使って勝負をするのかは分かりませんが、どちらにしてもファンの人たちが存分に楽しめるようなピッチングをしてくれるのではないでしょうか。個人的には、たくさんの球種を操って打者を翻弄（ほんろう）する姿が見たいですね。

北海道日本ハム：西崎幸広

　一番の注目は何といっても大谷翔平（日本ハム）でしょう。まずはどういう起用のされ方をするのか。投手・野手、どちらでも出場できるわけですからね。ただ、選出されたのは“投手・大谷”ですから、まずはピッチャーとしてどういったピッチングをしてくれるのかが楽しみです。短いイニングですから、全力投球で、セ・リーグの強打者相手に力勝負を挑んで、三振を奪うところを見たい。そして１６０キロ以上の球速にも期待したいですね。

　まずは本人が楽しむこと。それにオールスターは他チームの選手と話す機会が多くありますし、いろんな意味で勉強になります。特に若い選手などにとっては非常にプラスになる。大谷以外にも、特に捕手の大野奨太は初出場ですし、他のいろんな投手のボールを受けることで「こういうボールを投げるのか」「こういったボールの回転で投げるんだ」と今後の参考にできる部分も多いでしょう。いろいろと盗んで帰ってきてほしいですね。