走りながら社内ミーティング!? スポーツでコミュニケーションを深める

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チームビルディングにスポーツが効く

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 もしかすると、新卒研修の際、スポーツ的なことを体験した方もいるかもしれない。そう、今、チームビルディングやリーダーシップの醸成において、スポーツが効果的と言われている。

 実際、スポーツ鬼ごっこなどが企業研修の一環として取り入れられていたり、東京都渋谷区のIT企業の間では、鬼ごっこ大会も開かれたりしている。

 そんなスポーツを通したチームビルディングをいち早く展開しているのが、株式会社ウィルフォワードだ。彼らは日常的に、ランをしながら打ち合わせをするという「ランMTG」を取り入れており、また定期的に駅伝大会にチームとして参加しているという。
 前編となる今回は、その仕掛け人でありウィルフォワードの代表取締役である成瀬氏に、このカルチャーが誕生したキッカケについて伺ってみた。

箱根駅伝を目指したランナーがビジネス界に転進

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――ランMTGや社員で駅伝大会に参加など、ウィルフォワードのカルチャーを耳にした時、「すごいアクティブな会社だな」と思いました。成瀬さん自身、もともとスポーツをされていたのでしょうか?

成瀬 はい、実は箱根駅伝を目指すくらいガチなランナーでした。僕、出身が北海道で札幌南高校という進学校に進んだんですが、そこでも走ってばっかりでしたね。ちなみに、高校の先輩はマラソン中毒者で以前、STANDS!にも登場した小野裕史さんです(笑)。

 僕はもともと脚が遅くて、自分より遅いのは太っちょかガリガリ君だけってレベルで、スポーツにはコンプレックスがありました。それを克服したくて、中学から陸上をはじめたんです。

 大学は筑波大に進学して、箱根駅伝を目指しましたよ。箱根に出場するためだったら何でもするって勢いで色んなことを仕掛けて、結果的にテレビにも取り上げられたり。

――具体的に何をしたんですか?

成瀬 簡単に言うと、どうしても箱根に出場するために、チームメンバーを無理に大学院に進学させてチャンスを一回増やすということもしました(笑)。
※ルール改正により、現在は不可。

――それはすごい(笑)。

成瀬 でも、肉離れをしたりして、結果的に箱根に出られなかったんですよ。でも、一人、ウチの大学から選抜メンバーに選ばれて、区間賞はもちろん大会MVPをとったヤツがいます。それぐらいチャンスがあったんですけどね、ホント残念です。
 そこからビジネスの世界に入ってきたので、一切、スポーツをやらなくなりましたね。アスリートとしてめちゃめちゃ追い込んでいた人は、もうスポーツをやり尽くした感がありますし。それに、衰えた自分に会いたくないから、めっきり走らなくなりました。

スポーツの世界に感じた新たな可能性

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――スポーツ、ランからしばらく離れたようですが、どうやってランMTGなどのカルチャーに出会ったんですか?

成瀬 その後、アチーブメントという会社に入社したんですが、人事担当だった時、インターンのプログラムで「ザ・サバイバル」という野外合宿型研修を企画したのがキッカケですね。3泊4日のスケジュールで、カヌーや峠越えなどを学生チームに挑んでもらうといった内容です。

 そこでリーダーシップやチームビルディングを磨くことが目的だったんですが、参加者だけでなく運営のみんなも、「スポーツっていいね!」という感じになったんです。

――純粋にそれも面白そうですね。たしかに、過酷な環境に置かれた方がコミュニケーションも円滑になりそうです。

成瀬 その後、「何かスポーツで学生とコミュニケーションをとれないか」と考えていた時に、一緒にプライベートでマラソンに出ることになったんです。その中で、一人の女の子がそれでダイエットに成功して、20kgとか痩せたんですよ(笑)。そこから彼女の人生が劇的に変わっていって。

「あぁ、自分がいたスポーツの世界って、勝つか負けるかではなく、もっとこんな可能性があるんだ」と、そこでスポーツを趣味として捉えられるようになりました。

 そこから、学生や社員とボルダリングをやったりとかラフティングに行ったり、一緒にマラソンを走ったり。会社の文化づくりというよりは、みんなの健康増進とチームビルディングの一環になればいいなという感じでスタートしていきました。

カラダを一緒に動かす⇒コミュニケーションの最大化

――会社によっては部活動などがある会社もありますが、いいイメージがありますね。その会社の空気感も伝わってきたりします。

成瀬 そう! 一緒にカラダを動かすことって、お互いのコミュニケーションの最大化に繋がる、すごい魅力的なツールになるんじゃないかと思いましたね。

 結果的に健康的なカラダに近づくし、ダイエットにも効果的。たとえば一緒にフルマラソンを完走したとなると、達成経験が手に入るから、つまりは自信を提供することも出来る。もちろん、チームで取り組むことで連帯感も醸成されますし。

――これこそが、ウィルフォワードの特徴である、「ランMTG」などの独自のカルチャーの発端になったワケですね?

成瀬 はい。ここから、みんなで駅伝大会に出たり、友達が主催したランニングフェスに出たりするような活動がスタートしましたね。それに、外部のパートナー企業の方も誘って、そのイベントをどうやったらもっと楽しめるかみたいなことも考えてやってみたり。

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 自分自身が、社長社長しているのが嫌なので、とにかくフラットなコミュニケーションが生まれる機会をつくることを大切にしました。前は、みんなでおにぎりとゆでたまごをつくって、ランのあと、ピクニックをしましたね(笑)。

 社員やインターン生だけではなく、外部企業の社長さんも同じブルーシートの上に座れば仲良くなれるんじゃないかなと思って(笑)。同じ釜の飯を同じシートに座って食べるってことで、みんなすごく楽しんでくれていましたね。

■成瀬 拓也 Takuya Naruse
株式会社ウィルフォワード代表取締役。1980年生まれ。北海道札幌市出身。筑波大学を卒業後、アチーブメント株式会社に入社し、採用活動や人材教育の分野において手腕を発揮する。同社退職後、2011年に株式会社ウィルフォワードを設立。「世界をひとつの家族にする」をビジョンに、社員と顧客が深い絆で結ばれるような職場作りを目指しながら、イベント事業やプロデュース業務を行なっている。http://willforward.co.jp/
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著者プロフィール

「スポーツをプラスすれば、毎日はもっと楽しくなる」をコンセプトに、カラダを動かすことの楽しさや面白さを伝えるWEBマガジンです。STANDS!では、スポーツをはじめるにあたり、行動に移せていない潜在層に対して、「スポーツ×ビジネス」という独自の観点からのインタビュー記事や、健康に関するコンテンツ、注目イベントの紹介・レポートを配信することにより、「カラダを動かすきっかけ」を提供しています

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