カラダを動かすことは、心を軽くする最良の手段

STANDS!

【STANDS!】

日本有数と評価されるCTOは、なぜそんなにカラダを動かすのか。

 今、もっとも注目されるベンチャーの1社ともいえるnanapi(ナナピ)。そこでCTO(最高技術責任者)を務める和田氏は、市場でも高い評価を受けており、日本でも有数の存在とさえ言われている。

 そんな多忙を極める彼だが、プライベートでは少しエクストリームな一面を持ち、週4、5日は朝、10kmを走り、オフの日にはフルマラソンやロードバイクのレース、そしてトライアスロンにまで参戦している。

「カラダを鍛えると仕事が出来ると思って、鍛えているんです」と語る彼だが、一体、何が彼をそこまで動かしているのだろうか。後編では、仕事×アクティビティという観点から、より深い質問を繰り出してみた。

シンプルな話、数字が良い方がカッコイイ。

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――さらっと、「トライアスロンもやっている」とお話いただいたんですが、なんでまたそんな究極なスポーツを選んだんですか?

【STANDS!】

和田 一番すごそうなスポーツをやりたいって思って(笑)。そこはボクの価値観で、常にロックな事をやっていたい、ロックでいたいってのがあるんですね。だから、起業したのかもしれません。起業ってロックな感じあるじゃないですか(笑)。

 スポーツをやるにしても、究極感のあるスポーツの方がロックだなと思って、自分の中で考えた時に、「トライアスロン」が最初に浮かんできたんですよ。別にそこで違うスポーツが浮かんできていたら、トライアスロンはやっていなかったと思います。

 まぁ、これまではゆっくり頑張ればいいかなって思っていたんですが、STANDS!にも登場した渡邊さんから、ガチ系ビジネスアスリートチームの「DOUBLE SURVIVOR(ダブルサバイバー)」に誘われたのがキッカケで、あらためて、速くなりたいって思えるようになりましたね。
――ちなみに、どうして速くなりたいんですか? 今の時代、「マイペースでやればいい」、「競争しなくていい」という風潮が強い気がしていて。

和田 シンプルな解で、速い方がカッコイイかなと。単純に100万円売り上げる会社より1億円売り上げる会社にしたいじゃないですか? だから5時間で走るより、4時間で走った方が面白いし、4時間よりは3時間で走った方がいいわけで。やっぱり、上を見続けるほうが人生は楽しいじゃないですか?

 もちろん自分のペースでやることは大切ですが、上を見続けると面白いと思いますよ。目標を掲げて達成するというのは自信にも繋がりますしね。

マグレに期待していたら、いつまでたっても実力は磨かれない。

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――これまで和田さんはダイエットをしたり、徹底的にコンディショニングに気をつかったり、カラダを鍛えたりしてきたと思います。そんな風にカラダに向き合ってきて、気付いたことなどありましたか?

和田 “マグレ”はないな、と気づきましたね。自分、音楽をやっていて昔はプロを目指していたんですけど、ギターのプレイって、練習で下手なヤツが本番で上手に弾けるワケなんてないんですよね。

 でも、仕事ってマグレ評価がたまにあると思うんです。4年間サラリーマンをやっていましたが多分、自分もマグレ評価を貰ったことがあると思います。ただ、運動ってギターと同じで、練習で42kmを4時間のペースで走れない人間って、本番でも当然ダメなんですよ。

 今、ベンチャーの経営に携わっていて、頑張ったから成功するという約束は当然ありませんが、頑張らないのに成功するというマグレはないんですね。カラダを鍛えはじめて、スポーツをはじめてそれを再確認できた気がします。練習が足りないと、当然、本番のタイムにも明確に出るので。
――どうしても実力ではなく、印象での評価が大きいところもありますよね…

和田 会社によりますが、小手先で評価が得られてしまうんですよね…。ただ、自分が経営する側に回って思ったのが、会社の中ではなく、世の中から評価されるという事は本当にシビアなんだなと。何かを成す時、マグレってないなって思いました。

 だから、本格的に走るようになって、マグレの存在を全く意識しなくなりましたね。その方が、絶対、実力は磨かれていくと、そう信じています。

スポーツをすること、それはココロを軽くするための最良の手段。

【STANDS!】

――最後に、和田さんにとっての、カラダを動かすこと、スポーツをすることの面白さを教えてください。

和田 カラダを動かす時間って、自分と向き合える、対話できる時間とも言えると思います。カラダがすごいなまっている時って、ストレッチするだけで例えば腰がいまいちだなぁ、というのがわかるんです。

 当然、走ればもっと明確になるし。ちょっとでも、カラダがイマイチだなと思う人ほど、運動して自分のカラダと対話してほしいですね。

――自分の今の状態を知るということですね。

和田 いわゆるフィジカルな部分もありますけど、カラダを動かすと自分のメンタルとも対話できるんですよね。テンションが低い時、元気がない時って、当然、カラダが本能的に運動したがってないんですよ。だから、10km走ろうと思っても、5kmでやめちゃったり。

 それを振り返ってみると、「あ、俺、今週元気がなかったんだな」って思うんですよね。そういうカラダを動かせない時って、あ、心がちょっとやられていたんだなって思いますね。
――逆に、それに気づいた時、和田さんはどうやってメンタルを回復させていくんですか?

和田 ちょっと無理して運動すると、少しはテンションが上がります。当然、フルMAXまではいかないですけど、ある程度のところまでは回復するんですよね。メンタルって、落ちるところまで落ちると、自然回復しないじゃないですか? だから、早めにそのベクトルを変えたい時は、運動するのはオススメです。

 あと、運動することによって、良くも悪くも結構細かいことがどうでも良くなるんですよ。立場も立場ですし、ミクロなものに振り回されてばかりではいけないんですが、一方で人間である以上、気になって仕方ないって事もあるじゃないですか?

 それを振り払う手段として、運動するってすごくいい手段なんですね。適度な負荷をカラダに与えてあげると、細かいことが気にならなくなるというか。

――痛みを取り入れた結果、余計なモノが出て行く感じですか?

和田 そうですね、デトックス的なモノかもしれないです(笑)。細かいことばっかりこだわっていたら、仕事って進まないから、悩んだ時はカラダを動かすことを、僕はオススメしたいです!

――和田さん独自のロックな世界観、すごく楽しかったです! 本日はありがとうございました。

■和田修一 Shuichi Wada
中央大学経済学部卒業後、2005年に楽天入社。国内版『楽天市場』の運用のほか、台湾版『楽天市場』の設計・構築・運用などに携わるなど、インフラエンジニアとして活躍。同社を退職後、起業し、現在は95,000件を超えるライフレシピが集まるハウツーサイト『nanapi(ナナピ)』を技術・経営の両面から支えている。
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著者プロフィール

「スポーツをプラスすれば、毎日はもっと楽しくなる」をコンセプトに、カラダを動かすことの楽しさや面白さを伝えるWEBマガジンです。STANDS!では、スポーツをはじめるにあたり、行動に移せていない潜在層に対して、「スポーツ×ビジネス」という独自の観点からのインタビュー記事や、健康に関するコンテンツ、注目イベントの紹介・レポートを配信することにより、「カラダを動かすきっかけ」を提供しています

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