日本代表のスクラムが強くなった理由 世界ランクは過去最高の10位に
ダルマゾ「スクラムは日本人に向いている」
強豪・イタリア(青)を押し込んだ日本(赤)のスクラム。日本の方が低く組んでいることが分かる 【斉藤健仁】
「(日本代表のような)体重の軽い国にとっては、このルール変更は良かったと思いますし、(比較的、体の小さな右PRである)僕にとってもポジティブ」とPR畠山健介が言えば、HO堀江も「距離をあまり変えなくてよくなって有利になった」。日本代表は2013年7月の合宿から、いち早く対応。秋に対戦したNZ代表やスコットランド代表とも、ある程度、対等にスクラムを組んだ。ただ、まだ“武器”と言えるほどではなかった。
「ピアノの練習と一緒。毎日、練習を積み重ねることでうまくなる」と語るダルマゾは、今春、正式にスクラムコーチに就任する。朝5時からのフィジカルトレーニングを継続しつつ、毎日のように姿勢や距離感を確認するなど強化を進め、特にFWの後ろの5人の意識が高まった。PR三上正貴は「8人でまとまって押せば、強い相手でも耐えることができる。試合中に修正することもできるようになってきたし、さらに自信がついてきた」と言えば、ダルマゾも「スクラムは日本人に向いていると思う。心構えがどんどん変わっている」と教え子たちの成長に目を細めた。
堀江の経験値がチームの財産に
エディー・ジョーンズHCは、W杯での最高のパフォーマンス発揮を求めている 【斉藤健仁】
敵地でのカナダ戦、アメリカ戦の連勝も、スクラムが勝利の大きな要因だった。「真価が問われる」(ジョーンズHC)というイタリア戦でも、成功率は約80%のスクラムがチームに勢いをもたらした。ただ、「成長過程」(堀江)というように、もちろん、ターゲットは来年9月のワールドカップ(W杯)本番だ。ダルマゾもジョーンズHCに「W杯で、最高のパフォーマンスが出せるようにと言われている」というように、W杯まで残り1年半、さらなる高みを目指す。