メッシ中心の“ファンタスティック4”=W杯を彩る各国注目FW陣を紹介
メッシを中心にすえた“ファンタスティック4”でW杯に臨むアルゼンチン 【写真:Photogamma/アフロ】
メッシを主役の“ファンタスティック4”――アルゼンチン
メッシは言わずと知れたビッグスターであり、一昨年まで4年連続のバロンドール(世界最優秀選手賞)を獲得している。その最中に行われた2010年の南アフリカW杯では無得点に終わり、自国開催の11年コパ・アメリカ(南米選手権)でも早期敗退の“戦犯”にされるなど、代表では輝けないと言われてきた。
しかし、同年の7月からチームを率いるアレハンドロ・サベージャ監督はメッシが安定したパフォーマンスを発揮するため、個の能力とメッシの補完性に優れた4人のユニットを固定的に起用。南米予選では35得点のうち、4人で27得点を記録した。
イグアインはシンプルなポストプレーから素早く動き出し、ペナルティーエリア内でラストパスに合わせるタイプ。ワンタッチのパスでメッシやアグエロの決定的なシュートをお膳立てすることもできる。アグエロは小柄ながらボディーバランスが抜群で、バイタルエリアで前を向けばかなりの確率でフィニッシュに持ち込む。左右の足で決められるシュート力も魅力だ。
個人としても決め手のあるタレントたちが繰り出すコンビネーションは爆発すると痛快だ。得意なパターンはメッシが少し右寄りの位置でボールを持ってマークを引き付け、アグエロやディ・マリアにパスを出して、マークを外しながらリターンパスを受ける形。イグアインのポストからディ・マリアが出したスルーパスにメッシが飛び出すなど、4人が織りなすコンビネーションは数えたらきりがないほどだ。
“メッシと合わない”という理由からかもう1人のワールドクラスであるカルロス・テベスは選ばれなかったが、ベンチには快速ウィングのエセキエル・ラベッシと勝負強いロドリゴ・パラシオが控える。前者はアグエロの、後者はイグアインの代役として十分な働きが期待できる。メッシだけは代えが利かないため、できるだけ守備は免除して決定的な仕事に専念できる環境を周りが作っていくはずだ。