山崎「このベルトを世界基準にしたい」Krush-63kg級王座戦直前インタビュー
ブールフと防衛戦を行うKrush−63kg級王者・山崎 【t.SAKUMA】
2013年3月の「Krush.27」で第2代王者トーマス・アダマンドポウロス(フランス)を破り王座を奪取した山崎は、12月の「Krush.35」で木村ミノルを1RKO勝ちで初防衛に成功。今回は初代王者で先輩の梶原龍児が掲げた「Krushを世界タイトルにしたい」という意志を実現すべく、ISKA世界ライト級王者ブールフとの防衛戦に臨む。
海外の強豪を倒しベルトの価値を上げたい
対戦相手が変われば対策は変わりますけど、自分がやることは変わりません。完璧に仕上げて完璧に仕留めるだけです。今回、ケガで欠場になったセルキシアンの試合を見たいという方がいれば、僕は(セルキシアンの回復を)待ちますし、やってもいいかなと思っています。
――ブールフにはどんな印象を持っていますか?
アグレッシブでいい感じの相手だと思いますね。噛み合う……というか一方的に僕が噛んで終わらせます。不安はないです。
――2.14「Krush.38」のモハメド・ギャラウィー戦後、「外国人選手と防衛戦をやりたい」というアピールがありました。改めてその理由を聞かせてもらえますか?
僕はKrushで育ててもらって強くなって、自分のことを広めてもらいました。だからKrushのベルトへの想いは強いですし、このベルトを世界基準のものにしたいです。日本人選手とベルトを争うこともいいですが、外国人選手を倒すことでベルトの価値を上げていくことが、Krush−63kg級王者としての使命かなと思っています。海外の強豪たちを倒して、世界中どこに行っても“Krush”と言えば、そのベルトとチャンピオンの価値が通用するものにします。
――63kgのベルトは初代王者の梶原龍児さんが世界タイトル化を掲げ、トーマス・アダマンドポウロスがKrush史上初の外国人王者になりました。山崎選手がブールフに勝利すれば、初めて外国人選手の挑戦を退けた王者になります。
先輩の龍児さんが世界タイトルにしたいと言ったことがきっかけで、僕としてはいい道を作ってもらえたと思います。だから今度は自分がこれからの道を作っていきたいと思うし、Krushを目指している子どもたちや若い子が続いてくれたらうれしいですね。
――ある意味、63kgのベルトはKrushの新しい歴史を作ってきました。山崎選手にもそういった使命や役割を期待しているファンも多いと思います。
周りがそう思ってくれるのはうれしいことですし、僕自身もそのつもりです。もちろん63kgのベルトが特別で他の階級より価値があるということではないですが、Krush−63kg級王者として、Krushの新しい道を切り開いていける第一人者になっていきたいです。
――山崎選手の性格上、そういった期待されるポジションは燃えますか?
ワクワクしますね。僕はポジティブというか前向きにしか物事を考えてなくて「どうせ試合やるんやったら勝つのは俺でしょ?」と。それが最後の頑張りにもなります。しかも練習に付き合ってくれる仲間や応援してくれる人たちの想いがあって、それが僕にとってプレッシャーになることはないです。久しぶりに試合間隔もあいたので、練習用の大きいグローブじゃなくて、試合用の小さいグローブで思いっきり殴りたいです。
前回以上の熱が生まれれば再戦も
第2代王者トーマスを下し王座奪取 【t.SAKUMA】
トーマスとは僕が挑戦者として戦って、木村とは初防衛戦で戦いました。客観的に見ても面白い試合になると思います。試合順が僕の一つ前なのでライブで見ることはできないと思いますが、結果はしっかり気にしたいと思います。
――この試合の勝者は間違いなくタイトル戦線に絡んでくるでしょう。
木村はKOで倒しましたが、トーマスには判定勝ちでした。ちょっとベルトを獲りに行くような試合をしてしまったので、トーマスと再戦して前回の俺とは違うぞってところを見せたい気持ちがあります。トーマスから獲ってトーマスに獲られるようでは振り出しに戻ってしまうし、前回は判定決着だったトーマスに圧倒的な差を見せつけて勝つことで、チャンピオンとしての格の違いを見せたいです。
――木村選手とのタイトルマッチがあれだけ盛り上がったので、もう一度、山崎選手と木村選手のタイトルマッチを見たいという声も多いと思います。
そうですか? 別に僕はやってもいいですよ。ただ大事なのはお客さんが見たいと思っているかどうか。あの時の熱が甦るくらいの“何か”がなければ周りも(再戦に向けて)動かないと思います。
――確かに前回の盛り上がりを下回っては意味がないですよね。
僕はそう思います。前回以上の熱が生まれなければ再戦する意味がないでしょう。もし再戦が決まれば、僕はそれに対して完璧に仕上げるだけです。
――最後にメインイベンターとしてファンのみなさんにメッセージをいただけますか。
ここ最近はメインでやらせてもらっているのですが、最後はしっかりKOで絞めてすっきり最高の準備をして最高の形で締めくくりたいと思います。