山口が軸となるボランチ、相方は誰に!? W杯初戦への試金石となるザンビア戦
本番を見すえたザック采配となる可能性
ザンビア戦は、リアリティーを備えた本番モードに近い采配を行う可能性が高いザッケローニ監督 【Getty Images】
求められるのは当然、『本番モード』だ。ザックジャパンはキプロス戦で6人、コスタリカ戦では5人の選手交代を行ったが、もちろん本番では3人しか交代が許されていない。
アルベルト・ザッケローニ監督は前日の記者会見で、「(選手交代について)ゲーム前から予定しているプランは減ると思う。ゲームの流れを見ながら、交代の枠を使おうと考えている。その日のパフォーマンス、コンディションを見ながら検討していく」と発言した。どうやらザンビア戦は、単なるトレーニングマッチというより、もう少しリアリティーを備えた本番モードに近い采配を行う可能性が高いようだ。
ザンビア代表のモチベーションは高い
サッカーのザンビア代表は、W杯の出場権を一度も獲得したことがない。1993年の米国W杯アフリカ予選では有望なチームを作り上げたものの、ガボン沖で発生した飛行機事故により18名の選手が命を失い、本大会出場を逃すという痛ましい事故があった。しかしその後、着々と実力をつけて復活を果たした同代表は、19年後、やはりガボンで行われたアフリカネイションズカップ2012に出場し、史上初となる大会優勝を果たす。その決勝の相手はコートジボワールだ。スコアレスドローで迎えたPK戦に8−7で勝利し、栄冠を手にした。
2013年に行われたブラジルW杯アフリカ予選では、グループ1位のみが突破という厳しい条件の中、ガーナの後塵を拝して2位で予選リーグ敗退。ここでフランス人のエルベ・ルナール監督は退任し、現在のチームは、ルナールの下でコーチを務めていた36歳のフランス人、パトリス・ビューメルが率いている。
今回の日本戦は、同日に行われるCAF(アフリカサッカー連盟)チャンピオンズリーグとCAFコンフェデレーションズカップの影響により、TPマゼンベとエンカナFCに所属する選手が参加できない。その一方、ソショー(フランス)のFWエマヌエル・マユカ、ユトレヒト(オランダ)のFWヤコブ・ムレンガなど、海外組は順当に選出されている。
ビューメル監督は日本戦の目的を「過去、現在、未来のブレンド」と語っている。3人の20歳以下のプレーヤーを合宿に参加させるなど、9月から始まるアフリカネイションズカップ予選に向けたチーム作りの実戦の場として、日本戦を捉えているようだ。
間違いなくモチベーションは高い。しかし、ザンビアはアフリカから乗り換えを含めて20時間の長時間フライトを終え、試合の2日前の朝に到着したばかり。フロリダ州の気候がザンビアと似ていることは彼らのメリットだが、どこまで時差ボケを解消し、コンディションを高めてくるのか。ホイッスルが鳴るまでは、やや不透明なところはある。