ダンカンvs.レブロン、3度目の激突!  歴史の転機となるファイナルが開幕へ

杉浦大介

90年代強豪のスパーズvs.3連覇狙うヒート

2年連続でファイナルの舞台に立つスパーズのダンカン。昨年のリベンジを誓う 【Getty Images】

「僕たちは(ファイナルに)戻って来たんだ。エキサイトしているよ。あと4勝が必要で、今回はそれを手に入れる。再びヒートと対戦できてうれしい。(1年前の)苦い思い出を今だに忘れてはいないからね」――。

 5月31日、ウェスタン・カンファレンス・ファイナルでオクラホマシティ・サンダーを4勝2敗で下した直後、サンアントニオ・スパーズの大黒柱ティム・ダンカンはテレビ局のインタビューに応えてそう語った。

 マイアミ・ヒート対スパーズの2014年NBAファイナル開幕を前に、多くのスポーツファンもダンカンと同じ興奮を感じているに違いない。

 昨年は3勝2敗と王手をかけたスパーズが第6戦でも残り28.2秒まで5点をリードしながら、そこからヒートが奇跡的な逆転勝利。第7戦も制したヒートは、2連覇を達成し、そのドラマチックな結末に全米が酔いしれた。

 あれから1年――。1990年代以降のNBAに君臨して来た強豪スパーズと、3連覇を狙う王者ヒートが再び最終決戦の舞台に戻ってくる。

ここまで1勝1敗のダンカンvs.レブロン

 スパーズが勝てば、この17年間でリーグ最多タイとなる5度目のファイナル制覇。4年連続5度目のファイナル進出を果たしたヒートが勝てば、シャキール・オニール、コービー・ブライアントの両輪を擁した2000−2002年のロサンゼルス・レイカーズ以来の3連覇となる。今世紀初めてとなる2年連続同一カードのファイナルは、様々な意味で歴史的なリマッチだと言って良い。

 中でも楽しみなのが、1990年代後半以降の長きに渡ってリーグ最高の選手と呼ばれたダンカンと、近年は現役最強プレーヤーの呼び声を欲しいままにするレブロン・ジェームスが3度目の直接対決を迎えることだ。

 2人は2007、2013年にもファイナルで激突し、2007年は当時レブロンが属したクリーブランド・キャバリアーズに対して、スパーズが貫禄の4連勝。平均18.3得点、11.5リバウンドと活躍したダンカンが、失意のレブロンに「いつか君の時代がきっと来るから」と声をかけた逸話は語り継がれている。

 時は流れ、1年前のファイナルでは、前述通りの激闘の末、ヒートがダンカン率いるスパーズを4勝3敗で打ち破った。2010年にキャバリアーズからヒートに移籍したレブロンは、2012年に続いて2年連続でMVPを獲得し、ここでNO.1プレーヤーの座を足固めしている。

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著者プロフィール

東京都生まれ。日本で大学卒業と同時に渡米し、ニューヨークでフリーライターに。現在はボクシング、MLB、NBA、NFLなどを題材に執筆活動中。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボール・マガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞・電子版』など、雑誌やホームページに寄稿している。2014年10月20日に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)を上梓。Twitterは(http://twitter.com/daisukesugiura)

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