「日本代表は今までの中で一番強い」 宮本恒靖氏がW杯とリーガ優勝争いを語る

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W杯や日本代表、リーがエスパニョーラの優勝争いについて語ってくれた宮本氏 【(C)WOWOW】

 佳境に入ったリーガ・エスパニョーラ。レアル・マドリー、バルセロナの「2強」を抑えて首位に立つアトレティコ・マドリーが、1995−96シーズン以来の優勝を果たすかに注目が集まっている。元サッカー日本代表DFの宮本恒靖氏は、アトレティコの強さを「(ディエゴ・)シメオネ監督がモチベーターとなって、指揮官以下、今シーズンはずっとチームとしてのポリシーやフィロソフィーを貫いているように見えるし、そこが強みだと思う」と分析する。

 欧州各国リーグがクライマックスに突入する一方で、6月に開幕するワールドカップ(W杯)ブラジル大会へのカウントダウンも始まった。宮本氏は今大会で、FIFA(国際サッカー連盟)のテクニカル・スタディー・グループ(TSG)の一員となることが決定。選手として経験した「夢の舞台」を振り返るとともに、FIFAのスタッフとして臨む今大会への意気込みと期待を語ってくれた。

アトレティコが優勝すれば夢が広がる

――今シーズンのリーガもいよいよ佳境に入ってきました。アトレティコが首位に立ち、95−96シーズン以来の優勝が夢ではなくなっています。

 アトレティコは、スペイン国王杯でレアル・マドリーに負けたとき、そこが限界かなと思いましたが、巻き返してきましたね。ディフェンスはシーズンを通して頑張っていますが、攻撃ではサイドバックのフィリペ・ルイスをけがで欠いたときに、大きな影響があったように思います。ただ、彼が戻ると前線で時間をかけたり変化をつけたりすることができるので、フィニッシュで終われるようなりましたね。第33節のヘタフェ戦なども、バルセロナがグラナダに負けた試合を見て気を引き締めて臨んだと思いますが、アウェーの難しい状況の中、2−0で勝利しました。

――チャンピオンズリーグでも大躍進を続けるなど、アトレティコは特にディフェンスが好調です。宮本さんの目にはどう映りますか?

 シメオネ監督がモチベーターとなって、指揮官以下、今シーズンはずっとチームとしてのポリシーやフィロソフィーを貫いているように見えますし、そこが強みだと思います。中でも、ボールを失ったときの戻りの速さや粘り強さなどには、目を見張るものがあります。またキャプテンのガビの頑張りが、チーム全体に浸透していると感じています。今シーズン移籍してきた(ダビド・)ビジャもしっかりとチームを支えていますし、けが人が出ても他の選手がその穴を埋めていますね。

――レアル・マドリー、バルセロナの2強と比較して、財政的には劣っているアトレティコが堂々と渡り合っています。

 財政的には決して2強に比べて恵まれてはいないと思いますが、レアル・マドリー、バルセロナだけでなく、アトレティコが勝つことは世界のサッカー界にとっても重要なことだと思います。(第35終了時点で)暫定2位のバルセロナは厳しくなってきましたが、クリスティアーノ・ロナウドも戻ってきて、レアル・マドリーの方が最後まで戦い抜く力を残していると思います。ただ個人的に言えば、アトレティコにリーガで優勝してほしい。競技レベルだけでなく、クラブの予算的にもこういった規模でも優勝できるんだと証明することは、他のチームにとっても夢につながっていくと思います。

――アトレティコがリーガを制するために必要なこととは?

 最後まで走り切ってほしいと思いますが、ここから終わりまでは長くなるだろうと感じています。だから目の前の試合を1つひとつ戦っていくという意識で、勝ち点3を積み上げていくことが大事だと思います。

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